モーニングスターでは、国際女性デーにあわせ、資産運用業界における女性の活躍について毎年調査を行っています。グローバルに目を向けると、女性ファンドマネージャーたちは競争の激しい運用業界において着実に存在感を高め、頭角を現しています。
本記事では、「トップ女性ファンドマネージャー2026年版」をもとに、モーニングスター・メダリスト・レーティングの運用担当者評価において「高(High)」または「平均以上(Above Average)」を獲得した女性ファンドマネージャーを世界各地域から取り上げ、その運用スタイルや取り組みを紹介します。あわせて、各地域で取り上げた運用戦略のうち、日本籍の公募投資信託でも同一戦略が採用されているファンドについても紹介します。
米国
Jennifer Cardillo氏は、フィデリティにおけるファンダメンタルズ・リサーチの伝統を体現する小型株ファンドマネージャーであり、「Fidelity Advisor Small Cap」の運用を担当しています。2018年以降、同ファンドはモーニングスター・メダリスト・レーティングで「銀(Silver)」を獲得しています。同氏の運用アプローチは、イノベーション主導の成長分野における投資機会を捉えつつ、魅力的なバリュエーションで質の高い企業を選別する点に特徴があります。このアプローチにより、上昇局面・下落局面の双方において安定したパフォーマンスを実現しています。
英国
Shannon Ward氏およびKirstie Spence氏は、それぞれ30年を超える投資経験を有し、新興国債券とハイイールド債券を組み合わせた「Capital Group Global High Income」戦略を共同で運用しています。本戦略では、クレジット選択および国別選択を通じたファンダメンタルズ重視の投資プロセスのもと、インカム収益を柱としながら高水準のトータルリターンの獲得を目指しています。長期にわたり、カテゴリ平均を上回る実績を残しています。
アジア
Keiko Kondo氏は、アジア・マルチアセット運用部門のヘッドとして数十年にわたる投資経験を持ち、現在はシュローダーにおいて平均20年以上の業界経験を有するチームを率いています。グローバル資産配分委員会の議決権メンバーとして、アジアチームの投資判断をグローバルの方針と整合させる役割も担っています。同氏が運用する主要戦略の一つである「Schroder Asian Asset Income」では、インカム収益を重視しながら、マクロ環境に応じて機動的にリスクをコントロールする運用スタイルを採用しています。これにより、長期にわたり安定した成果を上げています。
日本の現状
日本の資産運用業界においては、依然として女性のプレゼンスは限定的であり、女性がリード・ファンドマネージャーを務めるケースも多いとは言えないのが現状です。主要運用会社へのヒアリングを行ったところ、日本で活躍する女性ファンドマネージャーは現時点では極めて少ないとみられます。また、日本ではファンドマネージャーに関する情報開示が十分ではなく、女性ファンドマネージャーの全体像を把握することは極めて困難です。
一方で、多くの日本の資産運用会社では、将来の優秀で多様な人材を育成する観点から教育機関などとの連携を強化し、特に若手女性を中心に業界全体の女性比率の向上を目指す取り組みが広がりつつあります。今後、女性ファンドマネージャーの活躍の場が広がるとともに情報開示が一層進むことで、本レポートで取り上げることのできる事例が増えていくことが期待されます。


