2026年第1四半期の日本のETF市場では、資金流入額が3四半期ぶりに1兆円を超え、流入は回復に転じました。株式カテゴリにおいても、前年まで3四半期続いた純流出から一転し、資金流入に転じました。特に市場が下落した3月には、レバレッジ型ETFへの資金流入が大きく増加し、株式市場の調整局面を逆張りの投資機会と捉える動きが見られました。一方、金関連ETFには2026年第1四半期を通じ安定的な資金流入が続き、インフレや地政学的な不確実性が続く中、ポートフォリオの分散を求める投資家の継続的な需要を反映しました。
日本ETF市場における資産クラス別資金フローの推移(億円)
本記事では、モーニングスターが発表した「日本のETF資金フロー 2026年第1四半期」をもとに、直近のETF資金フローの特徴と投資家動向について解説します。
レバレッジ型株式ETFは3月に急増、金ETFは第1四半期を通じて堅調な流入
カテゴリ別では、トレーディング・ブルベア型(特にレバレッジ型)とコモディティが資金流入を牽引しました。レバレッジ型ETFは、株式市場が調整局面に入った3月に純流入額が急増しており、相場下落局面で逆張りの戦術的ポジションを取る投資家の動きを反映しています。一方、コモディティでは金関連ETFへの安定的な資金流入が四半期を通じて続き、インフレや地政学的な不確実性が続く中、ポートフォリオ分散およびリスクヘッジを目的とした投資家の需要を反映しました。
2026年第1四半期カテゴリ別純資金流入ランキング(億円)
ファンド別では、「NEXT FUNDS東証銀行業株価指数連動型上場投信 (1615) 」が約2,200億円を集め、当期最大の純資金流入ETFとなりました。同ETFは前四半期には純流出上位でしたが、当期は大幅な純流入へと転じています。
このような資金の振れは、セクター特化型ETFへの資金フローが市場環境に応じて機動的に変化していることを示しています。特に銀行のようなマクロ環境の影響を受けやすい業種では、ボラティリティの上昇や金利見通しの変化を背景に、その傾向がより顕著となりました。
2026年第1四半期ファンド別純資金流入ランキング(億円)
ETFと公募投信で異なる資金フローの特徴
過去数年の資金フローを見ると、ETFと公募投信では対照的な動きが見られます。ETFは資金流出入の振れが大きく、市場環境に応じて資金が大きく移動する傾向がある一方、公募投信は比較的安定した資金フローを示しています。
この違いの背景には、投資家層の違いがあります。ETF市場では機関投資家、とりわけ海外投資家の存在感が大きく、一方、公募投信ではNISAを通じた個人投資家の長期資産形成ニーズが資金流入を支えています。
近年、日本ではパッシブ投資が拡大しているものの、ETFはつみたて投資枠の対象がわずか9本と限定的なため、資金の流入は主にNISAを通じた公募投信で進んでいます。このような背景から、公募投信は長期の資産形成を支える役割を担う一方、ETFは低コストで機動的に売買できる特徴を生かし、市場環境に応じた投資手段として活用される傾向がみられます。投資家にとっては、それぞれの特性を踏まえて活用方法を見極めることが重要です。◇
以下は、国内株式型ファンドの過去3年間の四半期ごとの資金フローについて公募投信(青)とETF(赤)を比較しています。上が国内株式ブレンド型、下が国内株式成長型です。
国内株式・大型ブレンド型の公募投信とETFの資金フロー(過去3年)
国内株式・大型成長型の公募投信とETFの資金フロー(過去3年)
※ 本稿はモーニングスター・ジャパンのマネジャーリサーチによるレポート「日本のETF資金フロー2026年第1四半期」を基に構成されたものです。

