決算シーズン到来。主要企業の決算発表の注目点は?

テクノロジー企業から、消費関連企業、銀行まで

5 Long-Term Stocks to Buy Now and Hold for Decades
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ポッドキャスト『The Morning Filter』の今回のエピソード(前半):共同ホストのデイブ・セケラ とスーザン・ズビンスキーが、イラン情勢の最新の展開と、投資家が注目すべき点について議論している。

4月第3週、株式市場は過去最高値を更新したが、二人はその上昇を牽引した要因、市場が依然として割安に見えるかどうか、そして投資家の姿勢が過度に楽観的になっていないかについて取り上げている。また、2026年に入ってからIntelが記録した驚異的な上昇と、4月23日木曜日の決算発表を控えた株価のリスクについても掘り下げる。 今週注目すべき企業や、大手銀行の決算に関するモーニングスターの見解、そして決算報告を終えたNetflix、ASML、TSMC、Johnson & Johnson(JNJ)の各株式についてどう対応すべきかについても解説している。

<重要なポイント>

  • 4月13日の週に米国株式市場は過去最高値を更新した。株式は依然として割安と考えられるのか?投資家は過度に楽観的ではないか?
  • Intel(INTC)は4月23日の決算発表後も、株価のモメンタムを維持できるのか。
  • ServiceNow(NOW)、Tesla(TSLA)、Blackstone(BX)の今後の決算発表の見どころについて。
  • 大手銀行の決算や、Netflix(NFLX)、ASML(ASML)、TSMC(TSM)の決算報告で注目すべきポイント。

デイブへの質問は、以下のアドレスまでお送りください:themorningfilter@morningstar.com

スーザン・ズビンスキー:こんにちは。『The Morning Filter』ポッドキャストへようこそ。モーニングスターのスーザン・ズビンスキーです。毎週月曜日の市場開場前に、モーニングスターの米国市場チーフストラテジスト、デイブ・セケラと共に、その週に注視すべきポイントや、モーニングスターの最新リサーチ、そしていくつかの投資アイデアについてお話しします。

今朝は2つのお知らせがあります。まず、先週、デイブとモーニングスターのエコノミスト、プレストン・コールドウェルをゲストに迎えたボーナスエピソードを公開しました。二人は第2四半期の見通しについて語っています。このエピソードには、大変好評なコメントをいただいています。まだご覧になっていない方は、ぜひお聴きください。

さて、デイブ、おはようございます。

セケラ:実は、番組を始める前に、最近市場で目にしたいくつかのエピソードについてお話しさせてください。「歴史は必ずしも繰り返さないが、韻を踏む(似たようなことが起きる。マーク・トウェインの言葉)」という古い格言があります。

1990年代のITバブルを彷彿とさせる動きが見え始めています。たとえば、靴の製造会社が、突然データセンター事業に転換すると言い出しました。先週、Allbirds(BIRD)という履物メーカーが靴事業を売却して、その売却益をAI向けGPU購入に充て、データセンターに事業転換すると発表したのです。靴を作っていた会社がデータセンター運営について、一体何を知っているというのでしょうか?私には分かりませんが、株価は急騰しました。1株あたり約250ドルから20ドル以上跳ね上がり、その後下落に転じました。

他にも一つ、Myseum(MYSE)という会社の話です。発音はよく分かりませんが、写真や動画の共有プラットフォームを運営していました。最近社名変更について、社名に『dot-AI』を追加すると公表しました。これはまさにITバブルを彷彿とさせます。 当時は、実際の事業内容とは無関係に、とにかく社名に『dot-com』を付けてインターネット企業を名乗ると、その後株価が急騰するといった企業が山ほどありました。私は決して、現在バブル状態であるとか、AI技術サイクルがピークであると言いたいわけではありません。しかし、過去の逸話を思い起こさせる現象が起き始めています。おそらく、 今後数か月のうちに、こうした事例がさらに増えるでしょう。

<イラン戦争とマーケット>

ズビンスキー:そうですね、今後数週間は、そうした「ドットAI」を引き続き注視しましょう。まず、ここ数週間取り上げてきた「戦争と市場」についてから始めましょう。デイブ、原油価格の動向や戦争に関連して、注目すべき点は何でしょう?最新情報をお願いします。

セケラ:ホルムズ海峡に関する情報が錯綜しています。通れるのか、再び閉鎖されたのかと、情報が飛び交っており、私も懸命に現状の把握に努めています。株式市場はこの状況を好感せず、プレマーケットで、約0.5%下落しました。当然、原油価格は反発しました。先週80ドル台前半まで下がっていましたが、現在は80ドル台後半で推移しています。以前の水準よりはまだ低いものの、原油価格は間違いなくリスク要因として再び意識すべき局面に入っています。今後数日間、動向を注視していく必要があります。

もう一つ留意すべき点は、当初の停戦協定です。あと数日で期限切れになりますが、 停戦の延長についてはすでに議論が行われているので、延長が実現するよう願っています。もし停戦が失効し紛争が再燃すれば、株式市場は下落し、原油価格は再び上昇するでしょう。しかし、この時点で何らかの交渉が進み、事態が収束に向かうことを願っています。とはいえ、今年は今後も大きな変動が待ち受けていると私は考えています。

ズビンスキー:紛争が続いているにもかかわらず、先週、米株式市場は過去最高値を更新しました。これについてどうお考えですか?株価を押し上げている要因は何でしょうか?

セケラ:原油価格の動向を踏まえると、ここ1週間の反発の速さと大きさに少し驚いています。しかし、当社のバリュエーションを見れば、さほど驚くことではありません。2026年のレポートで、年初時点で市場が割安な水準にあると指摘したことを覚えていらっしゃるでしょうか。カテゴリ別に見ると、当時、グロース型が最も割安で、中でも、特にテクノロジー株式とAI関連株式が最も魅力的だと指摘しました。

一方で、様々な理由から、今年は価格変動性が大幅に高まるとも予想していました。そのため、投資家には「バーベル型」のポートフォリオ、つまり半分を質の高いバリュー株に、残りの半分をテクノロジー株とAI関連株を中心とするグロース株に配分するポートフォリオを推奨しました。

グラフ:モーニングスター米国株指数の推移

これまでのところ、「バーベル戦略」は今年はかなりうまくいっていると言えるでしょう。1か月半前、市場が売りに転じたとき、バリュー株はかなり持ちこたえました。実際、市場全体が下落している局面で、バリュー株は上昇しました。

エネルギー株については、年初に特に割安であると指摘しました。2025年はずっと、エネルギー株へのオーバーウェイトを推奨してきました。エネルギー株は急騰し、ピーク時には約35%上昇しました。3月30日の『The Morning Filter』では、投資家に対し、エネルギー株やバリュー株で利益確定を始め、その資金で、特にAIやテクノロジーといった、最も大きく下落したグロース株の買い増しを推奨しました。

3月30日にそう提案した理由は、ヘッジが功を奏しており、株式市場はまだ下落していたものの、上昇したがっている兆候が多数見られたからです。紛争が沈静化し、原油価格が下落すると、割安だったグロース株やAI関連株が、バリュー株を上回るパフォーマンスを示し始めています。

ズビンスキー:それでは、バリュエーションの視点では、現在どんな状況にあるのでしょうか?

セケラ:この上昇を経て、現在市場は3%程度とわずかですが割安な水準にあります。これは、モーニングスターの適正価値推計値から算出した市場平均にかなり近い水準です。ただし、その「割安」は一部に集中しています。 超大型株の中でも特に大型の企業の中に、我々が依然として割安だと考えているものがあります。具体的にはNvidia(NVDA)、Microsoft(MSFT)、Broadcom(AVGO)、Meta(META)などです。この4社を除外して総合評価を算出すると、市場は実質的に適正価値推計値を上回る水準にあります。現時点では、投資家にとって最も魅力的な投資対象は、まさにグロース株式、特にこれら4社の株式だと考えています。

グラフ:過小評価されている超大型株が集中化している市場を揺るがす

ズビンスキー:現在の市場には、投資家の自信過剰や、過度な熱狂が見られるとお考えですか?特に、進行中の紛争だけでなく、先ほど話されたリスクも考慮すると、なおさらそう思われますか?

セケラ:ええ、残念ながら、市場はあまりにも早く、過度に楽観的になりすぎたようです。それでも、私は市場は引き続き上昇すると考えています。つまり、バーベル戦略の「成長」部分が機能し続け、上昇を維持する段階にあると予想しています。われわれが現在最も価値が高いと見ているのが、その領域だからです。

ご指摘の通り、2026年を通じて市場は大きく変動するでしょう。2025年後半よりも、さらに大きなボラティリティが続くと予想しています。その理由をいくつか挙げると、原油価格の高騰は少なくとも今後数か月間、場合によっては今後数四半期にわたってインフレ率を押し上げるでしょう。当然、それは経済成長を鈍化させることになります。現時点では、原油等の生産・供給停止によってアジアや欧州が受けた打撃の規模は正確に分かりませんが、米国の経済のみならず、今後世界経済へにも徐々に影響が広がるでしょう。投資家が「一つの前提 」に安心して賭けられる環境ではない、ということです。

原油やガソリンの価格高騰に対して、消費者がどのように反応し、短期的にどの程度消費を抑制するのかは、まだ分かりません。貿易・関税交渉も続いていますが、今回の紛争によって完全に影を潜めてしまいました。おそらくこれらの交渉は春の終わりか夏頃に再開され、再び注目されることになるでしょう。

FRBは当面、政策金利を据え置くと予想しています。金利は、一定のレンジ内で推移しています。当初は、年内に金利が低下すると見ていましたが、当初予想通りに低下していません。インフレ率が高い状態が続く限り、金利が下がり始めるまでには時間がかかるでしょう。

プライベート・クレジット市場のファンダメンタルズの弱体化については既に議論してきましたが、その影響が出尽くしたとは言えません。また、中国経済について見てみると、おそらく予想よりも弱い結果になると思います。経済成長は続いていますが、ペースは鈍化しています。最後に、ご存知の通り、私は引き続き日本国債と日本円に注目しています。このままのペースで弱含みが続けば、キャリートレードの巻き戻しが怒る可能性があるからです。

<各社決算の注目ポイント>

Intel:盛り上がりは続くのか

ズビンスキー:今週から決算シーズンが本格化します。注目すべき企業をいくつか取り上げていきましょう。 まずはIntel(INTC)から。率直に言って、この株式は今年に入ってから、と言ってもまだ4月ですが「とんでもない」値動きをしています。年初来で85%も上昇し、モーニングスターの適正価値推計値である32ドルの2倍以上の水準で取引されています。一体Intelに何が起きているのでしょうか。また、会社からの発表のどこに注目しますか。

セケラ:正直なところ私たちは、市場が何を見ているのか、あるいは私たちが見落としている何かを市場が織り込んでいるのかを解き明かそうとしています。おっしゃる通り、大型株としては異例の短期間での急騰です。過去52週間で250%以上上昇しており、その大部分はここ数週間で起きたことです。

同僚の株式アナリストでテクノロジーセクターのディレクター、ブライアン・コレロに話を聞きました。実際には、彼はセクターストラテジストでもあります。今回のIntelの株価上昇は、長期的なファンダメンタルズや本質的な見通しの変化ではなく、好材料をきっかけとしたセンチメント主導の上昇だと彼は考えています。短期的な成長の勢いを過度に、そしてあまりにも遠い将来まで続くものとして、市場が期待含みで織り込んでいるというのが彼の見解です。

彼が指摘した、株価上昇の要因としては、サーバー用CPUの供給不足が挙げられます。これは今後数四半期の間Intelにとって有利に働くでしょう。しかし、PC事業での低迷によってある程度相殺される可能性があります。Intelが発表している新たなファウンドリ契約については、市場で楽観的な見方が広がっていますが、ブライアンは、既にそれをモーニングスターのモデルに織り込んでいると述べています。

最後に、私たちが最も注目しているのは、イーロン・マスク氏の「Terafabプロジェクト」との提携についての発表の詳細です。現時点では雲をつかむような話なので、これをモデルに組み込むには、さらなる詳しい情報が必要です。そこから適正価値の推計値が上昇する可能性はありますが、現在の株価は、われわれが考える適正価値と比べて明らかに高すぎます。

ズビンスキー:決算発表後に適正価値を調整する可能性があるとしても、Intelの株式は依然として大きな割高リスクを伴うと言っても過言ではないですね?

セケラ:価格リスクについて言えば、それでも今日一番の控えめな表現でしょう。Intelの5月限オプション契約を見ると、30日限契約の予想変動率(IV)は75です。この契約においてこの数字が何を意味するかというと、1か月間の予想変動率は±21%になります。株価が急騰する可能性もあれば、大きく下落する可能性もあります。決算発表と、Intelの実際の成長について、現在の株価が織り込んでいるほどのものと市場が判断するかどうかを、見守る必要があります。

ServiceNow:決算発表後の株価上昇の可能性は?

ズビンスキー:確かにIntelについては今後の展開を見守る必要があります。では、ServiceNow(NOW)に話を移します。同社の株式は今年に入って約37%下落しており、モーニングスターの適正価値推計値165ドルを大きく下回っています。今週の決算発表で、どのような点に注目していますか?経営陣から、株価上昇につながるような発言は期待できるでしょうか?

セケラ:もちろん、ファンダメンタルズや四半期決算の状況については注目しています。しかし、私たちや市場が本当に知りたいのは、中長期戦略、そして長期的にAIとの競争にどのように立ち向かっていくのかです。市場は、ServiceNowが現在AIを活用して製品を改善し、顧客により大きな経済的価値を提供し、顧客もその経済的価値を認識しているという具体的な証拠を求めています。

もう一つ注目したいのは、今四半期とは限りませんが、いずれ明らかにすべきこととして、今後、事業の価格設定モデルをどのように変更する必要があるかについてです。

現在の価格設定モデルは、そのほとんどがユーザー数に応じて課金する「シートベース方式」です。しかし、AIの導入により企業の効率性が向上するにつれて、ユーザー数が減少する懸念があります。ServiceNowをはじめとする多くのソフトウェア企業は、AI活用による付加的な経済的価値を適切に収益につなげるために、価格設定モデルを変更する必要があるでしょう。ServiceNowの場合、基本的にはシートベースのモデルを維持しつつ、製品にAIを組み込むことで生まれる付加的な価値に対して何らかの形で料金を徴収できるような、トークン制などの利用料を追加する必要があるでしょう。

Tesla:決算の動向

ズビンスキー:さて、Tesla(TSLA)の株式は今年に入って下落しています。この株式のボラティリティは高いので、決算発表後にどう動くかは予測不可能です。モーニングスターはTeslaの適正価値推計値を400ドルと見積もっており、株価もその水準付近で推移しています。今週の決算発表で、どのような点に注目していますか?

セケラ:そうですね、実はあまり考えていなかったのですが。Teslaのインプライド・ボラティリティも確認して、市場がどのように価格付けしているのか、そして今週どれほどの値動きが見込まれるのかを確認すべきだったかもしれません。やはり、四半期決算の内容や、EV販売の状況が気になります。

ServiceNowと同様、決算発表でより重要なのは、必ずしも会社の業績そのものではありません。むしろ、どのように成長を実現するのかと、重要性を増しているテスラの自動車以外の事業分野を理解することだと思います。知りたいのは、ロボットタクシー事業の最新情報、特に新規の都市への展開スケジュールに変更はないか、ロボットタクシーが人間のセイフティ・オペレーターを必要としなくなるかどうかについてです。これらは、今後のTeslaの企業価値を左右する非常に重要な要素です。

エネルギー発電・蓄電事業についても、導入件数や製品供給を支えるための新工場の生産拡大の見通しなど、詳しい情報が欲しいです。Intelと同様に、Terafabとの合弁事業について、その具体的な進捗状況を知りたいです。

この合弁事業の根底にあるのは、外部ベンダーへの依存を減らし、自社チップの調達体制を強化しようというシナリオです。これはバッテリー事業と同じく、自社内製化を進める戦略の一環と言えます。

最後に、SpaceXのIPOの時期にについても、何らかの見解を誰もが聞きたいと思っています。Teslaの株主の多くは、IPOの際、既存のテスラ株主にも購入枠が割り当てられることを期待しているでしょう。

Blackstone:プライベート・クレジットの最新情報

ズビンスキー:オルタナティブ資産運用会社のBlackstone(BX)も今週決算報告を行います。たしか、Blackstoneは今年初めにデイブが推奨した銘柄でしたね。株価は回復し、この1か月間はかなり好調に推移しています。現在は、モーニングスターの適正価値推計値である145ドルを若干下回る水準で取引されています。

Blackstoneの収益では、プライベートマーケットに関連する多額の運用・管理手数料が相当額に上ります。特に今年、プライベート・クレジットの分野で諸々の問題が浮上したことを踏まえると、今回の決算発表ではその点に注目が集まるのではないでしょうか?

セケラ:いくつか考慮すべき点があります。まず、私が確認しておくべきだったのが、インプライド・バリューです。Blackstoneの過去のボラティリティと比べて、現在ははるかに大きくなっていると推測します。ご指摘の通り、株価は私たちが推奨した時点から17%上昇しており、3つ星評価(中立)の領域にあります。もはや、推奨するために私たちが求めるような安全マージンがない状態です。

「火の無いところに煙は立たない」と言う通り、プライベート・クレジットに関しては、多くの煙が出ています。既に以前から申している通り、プライベート・クレジットの分野には、認識せざるを得ない損失が数多く発生するだろうと私は考えています。

もう一点、おそらく今回の決算発表でさらに詳しく聞けるでしょうが、もしプライベート・クレジットが打撃を受けており、評価額が引き下げられているのが事実だとすると、プライベート・エクイティにも影響が波及する可能性があります。彼らが保有する多くのプライベート・エクイティも(もちろん、それらは異なるファンドで投資されているでしょうが)帳簿上の評価額ほどの価値が無い可能性が高いということです。これらのポジションの評価方法や、ポートフォリオのプライベート・エクイティ部分の評価額に下方バイアスが生じているのかどうかについて、経営陣への議論や質問がさらに増える可能性があります。

主要銀行:銀行の決算は「退屈」が美徳!

ズビンスキー:話題を移して、先週発表された大手銀行の決算報告について取り上げましょう。JPMorgan(JPM)、Bank of America(BAC)、Citigroup(C)などです。結果としては、特に目立った動きはなかったようですね。

セケラ:その通りです。今回の銀行決算から得られる主な教訓は、決算内容が「退屈」だったということですが、銀行にとって「退屈」こそが「美徳」です。銀行の決算が人々の関心を惹く場合、たいていは、今後の展開にとって非常に悪い兆候です。先週、銀行決算を控えて私が抱いていたいくつかの懸念について話しましたが、幸いなことに、いずれの懸念も現実のものとはならなかったようです。全体として、銀行株は当社の評価と比較して適正な水準にあります。

純金利収入に関するガイダンスは、基本的に予想に沿うものでした。銀行は、消費者の支出や延滞率に関して、今のところ目立った変化はありません。プライベート・クレジットへのエクスポージャーも、十分に管理可能な範囲にあります。投資銀行部門は、年初から非常に好調なスタートを切りました。この成長率を今後も維持できるかどうか、注目していきましょう。

それ以外では、3月の市場のボラティリティの高まりを背景に、トレーディング収益が大幅に増加したと指摘されました。しかし、これは一時的な要因に過ぎないため、長期的な企業価値には影響しません。1株あたり数セント程度の上乗せにはなりますが、それ以上の意味はありません。私たちは長期的な企業価値評価を引き上げる予定です。結論として、特筆すべき点も、特に注目すべき点もない「退屈な」決算だと言えます。

Netflix:決算発表後は買いか?

ズビンスキー:さて、Netflix(NFLX)の株式は、先週の決算報告後に調整局面に入りましたが、モーニングスターは適正価値推計値を80ドルで据え置きました。モーニングスターはこの決算をどう評価しているのでしょうか。また、決算後のNetflixの株式は魅力的でしょうか。

セケラ:Netflixについて興味深いのは、売上高も利益率もかなり良好だったことです。実際、同社の以前のガイダンスを上回ったと思います。今年後半についてのガイダンスに言及した際に問題が浮上しました。経営陣は、以前の見通し通を踏襲すると述べました。しかし、Netflixはつい先日予想外の値上げを行ったばかりだったため、市場は、この価格引き上げを反映してガイダンスが上方修正されるだろうと期待していました。しかし市場は、ガイダンスが据え置きとなったことで、Netflixのそれ以外の基幹事業が予想よりもやや弱いことを示唆していると受けとめたのです。

そのため、Netflixの株式はかなり大きく下落しました。約10%下落しましたが、最後に確認した時点ではまだ97ドルで取引されており、モーニングスターの適正価値推計値である80ドルを依然として大きく上回っています。市場が同社の成長率を10%台半ばではなく、10%台前半程度と織り込むにつれて、株価はさらに下落する可能性が高いと考えています。

TSMC:ガイダンス下限を引き上げ

ズビンスキー:先週の決算発表後、TSMC/台湾セミコンダクター(TSM)の株価は小幅に下落しました。市場の反応はどちらかといえば今ひとつといったところですが、モーニングスターは適正価値推計値を428ドルに据え置きました。モーニングスターの観点から見た台湾セミコンダクターの先行きはどうでしょうか。また、今購入を検討すべきでしょうか?

セケラ:TSMCも今四半期は非常に好調な業績を上げ、ガイダンスの上限は据え置きましたが、その範囲を狭めました。それが市場が失望した理由だと思います。ガイダンス範囲の上限は据え置き、下限を引き上げたのです。これは、同社は短期的な成長率により自信を深めたものの、現状でガイダンスを引き上げるつもりはないということです。今後数か月間の状況を見極めてから、年間の上限を引き上げる判断を下したいのでしょう。

当社のエクイティ・アナリストは、TSMCの設備投資についても、予想範囲の上限に近い水準になる可能性が高いと指摘しています。アナリストの説明によると、今年の設備投資支出は560億ドルになると見込んでいます。参考までに、Intelの今年の設備投資額は140億ドルと予測しています。確かに株価は若干下落しましたが、これも当四半期の業績への評価というより、ガイダンスの上限を引き上げなかったことが主因だと考えています。

ASML:ガイダンスを上方修正

ズビンスキー: ASML(ASML)の株価も決算発表後に下落しました。同社はガイダンスを引き上げ、モーニングスターもASMLの適正価値推計値を1,170ドルから1,400ドルに引き上げたにもかかわらずです。決算に対する市場の反応と、それがモーニングスターの見解とどのように異なるのか知りたいです。

セケラ:今回の反応は業績そのものというより、むしろ株価評価に対する反応だったと思います。市場価格の推移を見ると、株価は下落した結果、当社の最新適正価値推計値とほぼ一致する水準になりました。現時点ではこの株式の買売に関して特に何かする必要はないと考えています。重要なのは、ファンダメンタルズが依然として非常に強いことです。適正価値の上方修正は必ずしも短期的な見通しの変化ではなく、中長期的な予想が若干上方修正されたためです。しかし、ASMLの株式は市場で非常に高く評価されています。株価は、われわれの2026年予想収益の45倍で取引されていますが、2027年の予想利益では34倍まで低下します。ASMLについては、市場が株価に織り込んでいる期待に応えられるかどうかを確認するためにも、ガイダンスや成長率の数字を注意深く見守る必要があるでしょう。

ズビンスキー:ASMLがガイダンスを上方修正し、TSMCも下限を引き上げたことを踏まえると、今期の決算シーズン後半に、両社の顧客企業から何らかの発表があるか気になります。

セケラ:いや、そうは言っても現時点で明確な結論を出すのは非常に難しいですね。確かに、両社とも好調な四半期決算を発表し、引き続き堅調な見通しを示していますが、私が見る限り、それは市場が期待していたほど強気なものではなかったようです。市場は、ガイダンスの上限値がもっと引き上げられることを期待していました。

AI向け半導体企業についても、同様の展開が予想されます。非常に好調な四半期決算と、引き続き良好な今後の見通しを示すでしょうが、現時点では、それらの見通しが上方修正されるかどうかは必ずしも確実ではありません。

今年はAI関連の設備投資が急増する見込みですが、それらはすべて前四半期の2026年通期ガイダンスで発表されているので、市場はすでにそれを今年の業績に織り込んでいます。ほとんどの人は、それの効果がどのくらい早く現れるのか、たとえば、業績に結果が反映されるのが第2四半期なのか、下半期になるのか、成り行きを注視しているのだと思います。

Johnson & Johnson:利益確定のタイミングなのか

ズビンスキー:決算発表を受けて、モーニングスターはJohnson & Johnson(JNJ)の適正価値推計値を182ドルから190ドルへと引き上げました。しかし、株価は依然として引き上げた適正価値をも大幅に上回っています。デイブ、適正価値推計値引き上げの要因は何ですか?株価がこれほど割高な現状を踏まえ、投資家はJ&Jについてどのように考えるべきでしょうか?

セケラ:適正価値推計値の引き上げは、具体的には当社のエクイティ・アナリストが2つの新薬の投入計画について自信を深めたことに基づいています。1つは膀胱がん治療薬、もう1つは免疫学分野のものです。

株価の推移をみると、J&Jの株式は勢いを失っているようです。2025年から今年初旬にかけては非常に勢いがありましたが、2月初旬から衰え始めたようです。ご指摘の通り、当社が若干適正価値を引き上げた後も、株価は依然としてそれを大幅に上回っています。

J&Jは多くの投資家のポートフォリオで中核となる株式だと今でも考えていますが、利益確定を考えるのであれば悪くないタイミングだと言えます。そうすれば、もし株価が調整局面に入ったとしても、ドルコスト平均法でより安く買い戻し、保有比率を元の水準に戻すための資金を確保できます。◇

※ 番組の後半は以下をご覧ください

※ 本稿はモーニングスターのビデオ「5 Long-Term Stocks to Buy Now and Hold for Decades」の前半についてスクリプトをモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針