3月5日に放送された『The Morning Filter』のボーナスエピソードでは、 共同司会のスーザン・ズビンスキーがモーニングスターのシニア・アナリスト、グレゴリー・ウォーレンと、ウォーレン・バフェット氏がCEOを退任したあとのBerkshire Hathaway(BRK.B)について、新CEOであるグレッグ・アベル氏がバフェット氏とはどのような違いを見せるか、そしてトッド・コムズ氏がBerkshireを離れたことがアベル氏にとってどんな意味を持つかについて議論しました。
以下はその番組からの抜粋です。
新CEOのグレッグ・アベル氏が、バフェット氏と異なるどんなアプローチをとる可能性があるのか
スーザン・ズビンスキー:さて、2025年末にBerkshireの新CEOに就任したグレッグ・アベル氏についてお聞きします。彼の強みは何でしょうか?また、彼がこれまでのBerkshireと異なるアプローチをとる可能性があるとすればどんな点でしょうか?
グレゴリー・ウォーレン:アベル氏とバフェット氏の大きな違いは、アベル氏が実務派の人物だということです。Berkshireは現在のライフサイクルで、まさに実務派の人物が必要だと私は考えています。バフェット氏は、実務の監督にはまったく関心を示しませんでした。細かい部分まで深く入り込んで、各事業がどのように運営されているかを理解することは、バフェット氏の興味の範疇に無かったのです。
彼は、経営陣から定期的に報告を受け、下から資金が上がってくることに満足していました。ですから、そもそも経営のスタイルが異なります。繰り返しになりますが、先ほど申し上げた通り、今のBerkshireには実務家が必要です。組織内には、業務運営に重点を置いた人物がリードして改善に取り組めば、確実に良くなる分野がいくつもあります。
そして、われわれが見てきた限りでは、アベル氏はアルファ・パーソナリティ寄りのタイプで、常に自信と意欲に満ちた人物でした。一方、バフェット氏は対立を好まず、どちらかといえば裏方に徹することを好むタイプです。ですから、状況は変わっていくでしょう。先ほども申し上げましたが、今、Berkshireにはそうした変化が必要です。というのも、過去60年以上にわたりバフェット氏が主導権を握って、この非常に大きな事業を築き上げ、独自のやり方で物事を進めてきた歴史があるからです。
そのやり方は、長い間、概ねうまくいっていました。しかし、今では帳簿上に過剰な資本があまりにも多く積み上がっています。また、事業環境も変化し、あるいは彼らが得意だった「企業買収を継続しながら、大規模な株式投資を行う」という事業展開の手法も変わってきています。彼らにとって、それは例えば20年、30年前と比べて、はるかに困難になっています。
トッド・コムズの退任がBerkshire Hathawayに与える影響
ズビンスキー:さて、昨年12月のことですが、先ほども触れられましたように、Berkshier傘下の保険会社Geico(ガイコ)を統括していたトッド・コムズ氏が、JPMorgan Chase (JPM)での新たな役職に就くため、Berkshireを去ることになりました。これについて、どのようにお考えですか?また、CFO(最高財務責任者)も退職する予定だと聞いていますが、ウォーレン・バフェット氏以外のBerkshireにおける経営陣の異動について、話をおきかせください。
ウォーレン:マーク・ハンバーグ氏のことなら、別に驚きませんよ。彼は本当に長年その任を果たしてきたのですから(同氏は70代半ばとみられる)。
ズビンスキー:彼はCFOでしたね?
ウォーレン:ええ、だから彼の退任には驚きません。基本的に、アベル氏は後任によく知る人物を招き入れます。Berkshire Hathaway Energyで長い間CFOを担当していたチャールズ・チャン氏です。これもサプライズはありません。
でも、トッド氏の退任は少し驚きでした。彼はGeicoで素晴らしい仕事をしてきましたが、彼が取り組まざるを得なかった途方もない課題の数々が、投資家には十分評価されなかったようです。
ご存じかもしれませんが、彼は2019年12月に就任しました。当時Geicoは過去の判断ミスにより、数年にわたる保険引受業績の低迷に直面していました。同社は市場シェア獲得に躍起になったせいで、受けてはならない多くの契約を引き受けていたのです。その結果、長年にわたり損失率の面で大打撃を受けていました。ですから、トッド氏は就任してすぐに、まずその改善を最優先課題としました。
そして、間が悪いことに、そこにコロナ禍が襲来しました。米国の自動車保険市場の環境が激変し、その状態が数年続きました。ようやく今になって、ある程度正常な状態に戻りつつあるところです。しかも2019年末以降で自動車保険料は55%も上昇していますが、保険会社としてはやむを得なかったのでしょう。代替車両や交換部品の費用、事象・事故件数や事故の深刻度などが、数年にわたって急増したからです。その一部は落ち着きを見せ始めていますが、インフレの影響は依然として残っています。
ですから、今後どうなるのか見守る必要があります。本来であれば、引き続き彼が舵取りをするのが理想的です。というのも、この分野はおそらく今後数年間、価格が下落する環境が続くと思われるからです。現時点で州の規制当局は業界の収益性に注目し始めており、価格引き下げを求めています。ですから、今後どうなるか注目しています。
ただしこうして奮闘していた間、彼は投資にそれほど集中していませんでした。また、彼は長年J.P. Morganの取締役を務めており、ジェイミー・ダイモン氏と非常に親しい関係にあります。ですから、とても断りにくいオファーでしたが、彼にとっても良い機会でしょう。こうした事情で彼の決断は理解できますが、同時に、アベル氏にとって頼りになる良きアドバイザーが一人減ってしまうということでもあると思います。◇
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Berkshire Hathaway After Warren Buffett: An Early Read on What Investors Can Expect
※ 本稿はモーニングスターの「Inside a Surprise Exit With Big Implications for Berkshire」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。



