「ちょっと待って、あなたもファイナンシャル・プランナーに世話になっているの?一体どうして?」
そのとき私は隣人のキッチンに居て、ちょうど彼女に「うちのファイナンシャル・プランナー」について何か言ったところでした。その隣人は切れ者の退職した公認会計士で、熱心なDIY(自分で何でもできる)投資家です。
私が本業でお金にまつわるあれこれや・税務・投資についてのプランニングに多くの時間を費やしていることから、私たち夫婦がファイナンシャル・プランナーにお金を払って世話になっていると話すと、多くの人と同じように、彼女は驚きました。私は自分がちょっと保守的すぎるような気がして、もしかしたら、すべて自分たちでやるべきなのだろうか?と感じました。
そう思ったものの、私たちがファイナンシャル・プランナーを雇う主な理由を考えてみると、それは十分筋の通る行動だと分かりました。実際、ファイナンシャル・プランナーと付き合い始めてから、私たちは期待以上のメリットを感じています。私たちは支払ったお金に対して十分な「リターン」を得ており、ファイナンシャル・プランナーと関係をもつことで、数字で表すことのできないリターン、つまり心の安らぎを手に入れることもできます。
なぜファイナンシャル・アドバイスに私たちがお金を払うのか、その主な理由を挙げてみましょう。
1) いくつかの重要な決定において、セカンドオピニオンが欲しいと思いました
私たちがファイナンシャル・アドバイスを求める道を選んだ主な理由は、少なくとも当時は、私の直接の専門分野というわけではないいくつかのトピックについて、自分たちとは異なる視点からのアドバイスが欲しかったからです。
例えば、私は勤め先の株式を積み立てたままにしており、それが私たちの資産計画のリスク水準を上げていることは承知していたのですが、特に私たちは稼ぎ盛りの年代なので、売却すれば大きな税金がかかるのではないかと心配していました。
また、私の両親はどちらも人生の終盤に長期の有料介護を必要としたことから、私たちもそうした事態に対処するために長期介護保険、場合によってはハイブリッド保険に加入すべきかどうか考えるようになっていました。
こうした問題に、専門家の助け無しで、自分たちだけで対処することは可能だったでしょうか?おそらく、何とかできたとは思います。しかし、専門家の助言を受けたことで、より自信を持って私たちが前進できたのは間違いありません。
2) 私たちの状況にぴったりのビジネスモデルを見つけました
上記のように、私たちが欲しいアドバイスは非常に的を絞ったものでした。ポートフォリオの管理は私たち自身で行い、それに満足していたため、特定の質問に1時間単位で対応してくれるファイナンシャル・プランニング会社を見つけることができたのは嬉しいことでした。継続的なポートフォリオ管理や将来にわたるファイナンシャル・アドバイスの契約を結ぶつもりは無かったからです。
誤解のないように申し上げると、このような時間単位のモデルが万人向けだと推奨しているわけではありません。人によっては、資産運用額に応じた手数料やその他の契約形態で、継続的にファイナンシャル・アドバイスを受けることが正しい選択かもしれません。しかし、それぞれの方が、自分が必要とするサービスの種類やレベルに応じたビジネスモデルを見つけるために、複数の選択肢を比較検討することを強くお勧めします。
最適な選択肢を見つけるための重要なポイントは、自分が何を求めているのかを明確にすることです。
私たちが最初にファイナンシャル・プランナーを探したとき、私が十分に理解していなかったのは、包括的なファイナンシャル・プランナーの多く(私たちがお願いしている方も含めて)は、相談者の財務状況を完全に把握しない限り、限定的な質問に答えることには抵抗があるという点です。
たとえば、長期介護保険についての私の質問は、単純で具体的なものだと私は思っていました。しかし、私たちのプランナーが自信をもってその質問に答えるためには、私たちの退職後の資産、社会保障からの予想支給額、予想される退職後の支出など様々な要素を把握する必要がありました。
ですから、あらかじめ理解しておいていただきたいのは、たとえご自身の相談内容が限定的だと思っていても、質の高いプランナーであれば、回答をする前にあなたの全体的な状況を数時間かけて確認する必要があるということです(実のところ、包括的なレビューを抜きにして、的を絞ったアドバイスを提供しようとするプランナーがいたら、それは赤信号だと私は考えています)。そのため、あなたが想定したよりも多くの費用がかかる可能性があります。
3) 整理整頓のきっかけになり、維持にもつながりました
また、心構えという意味でもう一点挙げると、包括的なファイナンシャル・プランナーに依頼するなら、すべての金融口座の明細書、確定申告書、給与明細書など、多くの情報を共有する必要があります。また、私たちのように時間単位で費用を支払うならば、散らかった書類の束をそのまま渡すより、必要な書類を自分で整理して提出する方が費用対効果の面でも有利です。
これは簡単な作業ではありません。私はサバティカル休暇中の数日を使って、書類の収集・アップロード作業に取り組みましたが、その間終始ブツブツと不平を漏らしていたのを覚えています。しかし、その過程で多くの不要な財務関係の書類を整理できたのは、思わぬ収穫でした。もともと比較的整理されていた方だと思っていましたが、必要以上に多くの書類を保管していたことに気がつきました。
プランナーに必要な情報を送るために始めたこの初期の整理整頓がきっかけとなり、今でも役に立っています。現在では、必要最低限の財務書類だけを保管して、必要なものは何でもすぐに取り出せる状態を維持しています。
4) 後継計画があることに安心しています
これは、ファイナンシャル・プランナーと仕事をすることで得られた、思いがけない副次的メリットのひとつです。前述の文書共有のおかげで、私たちが依頼している相談先は、私と夫が持つすべての金融関係の最新情報を把握しています。銀行口座、勤め先の退職プランやIRA(個人退職勘定)、保険契約などです。これらの口座は、ファイナンシャル・プランニング会社のポータルとソフトウェアに連携されているので、私たちが新しい書類を提出しなくても、プランナーがリアルタイムで口座の状況を確認することができます。
また、私たちが利用している会社は複数のプランナーが在籍しているため、相談先の会社自体にも、引継ぎプランもが整っています。担当者に万が一の事態が起きた場合でも、いざというときには他のプランナーが私たちの情報にアクセスできる体制があります。
私たち夫婦にもしものことがあったとしても、我々の大切な人たちは、全てを整理するための情報を一か所で得ることができます。
もちろん、自分で記録をきちんと管理し、独自の後継計画を立てることも可能です。しかし、すべての書類を第三者に保管してもらうことで、自然災害による記録の消失や、認知機能の低下による書類の紛失といった不安を軽減することができます。
5) 第三者が、私たちに 「使ってもいい」という安心感を与えてくれます
最後に、私は以前から、おそらく退職後に合理的に支出できる額に合わせて支出するのに苦労するタイプの人間になるだろうと感じていました。私たち夫婦は決して自分たちを犠牲にしているわけではありませんが、これまでの人生でずっと働いてお金を稼ぎ、それを蓄えてきました。そのため、支出のスイッチを 「オン」にすることは、心理的に難しい課題になると分かっています。
しかし、プランナーが作成した退職後の資金計画の詳細(これには、大きな市場下落や税法改正を想定したストレステストも含まれます)を見ることで、大きな安心感を得ることができました。また、毎年いくらまでなら使っても、お金が尽きる心配はないという、プランナーからの確信に満ちた言葉に安心することもできました。
「使ってもいい」という安心感を得るための方法は他にもあるかもしれません。たとえば、固定年金を購入するという選択肢もあります。しかし、私にとっては、実際に対話できる生身のファイナンシャル・プランナーの存在が、この文脈において非常に大きな価値を提供してくれると感じています。年齢を重ねるにつれて益々必要となる、私たち自身の心の安らぎのためにも、ファイナンシャル・プランナーとの関係は今後も維持していくつもりです。◇

