アクティブ・ファンドへの投資は、分の悪い賭けか?

表が出たらちょっと勝ち、裏が出たなら大負けする場合もある

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2025年5月31日までの過去10年間で、米国株式アクティブ・大型ブレンド型ファンドの優劣の違いは何だったでしょうか?

答えは「年率1.6%」。これは、その期間における25パーセンタイルのファンド(リターンは12.1%)と75パーセンタイルのファンド(リターンは10.5%)のリターンの差でした。ゼロではありませんが、かなり小さな差に見えるのではないでしょうか。

では、2025年5月31日までの1年間で見たらどうでしょう?その差は4.3%でした。1年前の2024年5月31日までの1年間ではどうだったかというと、6.7%。さらに1年前の2023年5月31日までの1年間は、3.5%。以下の図表は、このようにして2025年5月31日に終わる10年間を1年ごとに区切った場合のリターンの差です。

米国アクティブ・大型ブレンド型ファンドの1年ごとの「リターンの差」

(25パーセンタイルv.s.75パーセンタイル)

アクティブ・大型ブレンドファンド:10年間の年間リターン差と年間リターン差の比較

平均的な年では、上位ファンドが下位ファンドを5パーセントポイント以上上回り、これは10年間を通してのアウトパフォームの3倍以上です。

これは米国大型ブレンド型ファンドの特有の話ではなく、他の投資対象でも広く見られる現象です。次に挙げる散布図は、様々なカテゴリのアクティブ・ファンドの上位ファンドと下位ファンドの10年間の年率換算リターンの差(横軸)と、その10年間を構成する10区分の1年間の差の平均(縦軸)を比較したものです。2025年5月31日に終了した10年間を見ると、ファンドのカテゴリには関係なく、典型的な年では10年間の年率換算リターンの差(横軸)より、年ごとの差の10年分の平均(縦軸)の方が、はるかに大きく上位ファンドが下位ファンドを上回りました。

様々なカテゴリの上位ファンドと下位ファンドの差:

(縦軸は1年ごとの差の10年平均、横軸は10年間の年率換算リターンの差)

米国ファンド:10年間の年間リターン差と1年間の平均リターン差の比較(カテゴリ別

そこで、こんな疑問がわくかもしれません。「短期間ではこれほど大きな成績の差があるのに、測定期間が長くなると利益率が大幅に縮小するのはなぜだろう?結局のところ、これらの短い期間が長い期間を構成しているはずなのに」。

運と命が尽きるとき

最大の理由は平均回帰です。ファンドの中には、市場の動向に対して有利な運用スタイルであったり、たまたま運がよかったりしたおかげで、短期的に運用成績が上昇するものもあります。当然、その逆の場合もあります。しかし、時間が経つにつれて、運が尽きたり、市場の風向きが変わったりしたために、短期的に勝者だったファンドのパフォーマンスが低下する可能性があります。このようなぶれ幅は相殺され、リターンは標準に近づき、リターンの差は縮小します。

(私はパフォーマンスの持続性について調査したことがありますが、近年の方が過去のパフォーマンスによって将来のリターンを見通しやすいように感じます。しかし、その研究ではファンドの過去と将来の5年間のリターンの関係を調べたのに対し、今は単年と10年のリターンの関係を考察しています)。

第二の要因は「ファンドの寿命」です。ファンドにも有為転変があり、合併されたり、償還されたりします。勝者は生き残り、ほとんどの場合、合併や償還といった末路を迎えるのは運用成績が悪化したファンドです。こうした現象があることから、分析プロセスで劣後するファンドの一部は(償還されるなどで)、10年通算でのデータには残りません。その結果、10年のリターンでは分布が狭まるという効果が生まれます。

掛け金は安いだろうか

ここにはいくつかの教訓があります。

第一に、アクティブ・ファンドを1本選ぶということは、10年間における上位ファンドと下位ファンドのリターンのわずかな差を見て想像するほど、安い掛けではないということです。

なぜか?下位のファンドを選んだとしても、それほど上昇を取りそこなうことにはならないように思えるかもしれませんが、それは「10年ごとにファンドを選び、あとは成り行きに任せて保有し続ける」という前提での話です。しかし、世の中はままならないものです。

ひとつには、投資家は通常そんなに長くは待てないということです。投資の継続性(長期投資)はかなり改善されてきたとはいえ、3年といった短い時間軸での投資も珍しくはありません。そのような投資家の意思決定サイクルは短く、その短い期間では、先に述べた通り、上位と下位のファンドのリターンの差がより大きくなる可能性があります。投資家の意思決定回数が増えれば増えるほど、その差は一層大きくなります。

また、仮に投資家がコツコツと投資を続けると仮定しても、ファンドが大量に消滅していくという問題があります。実際、現存するアクティブ・ファンドのうち、少なくとも10年以上の寿命を持つものは約半数に過ぎません。次の図表は、アクティブ・ファンドについて償還ファンド(赤)と運用中のファンド(青)が占める率を期間別に見たものです。

期間別に見たアクティブ・ファンドの寿命の内訳

アクティブ・ファンドの寿命別内訳

ファンドが死ぬと、投資家の意思や決意に関係なく、ファンドの保有期間は断ち切られてしまいます。その結果、そのファンドのパフォーマンスと、その切り捨てられた保有期間中に存続した(そしておそらくもっと良い成績を収めた)他のファンドとの間に、大きなリターンの差が生じる可能性があります。

間違ったアクティブ・ファンドを選択してしまう場合のファンドの結果が、一見想像した以上に大きくなる可能性があるならば、インデックス・ファンドへの投資をさらに正当化するだけではないだろうか?今日の所は、ここまでにしておきたいと思います。◇

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針