TSMC【決算】:複数の顧客からの飽くなきAI需要によりフェアバリューを引き上げ

台湾セミコンダクター・マニュファクチャリングの株式は適正価値水準にあると考える

The Taiwanese semiconductor contract manufacturing and design company building.
Walid Berrazeg/SOPA Images 通じて Getty

TSMC(TSM)(TPE: 2330)

(Taiwan Semiconductor Manufacturing/台湾積体電路製造)は、通年の米ドルベースの売上高成長率の見通しを30%から30%台半ばに引き上げ、設備投資の下限を5%増の400億米ドルとした。第3四半期の売上高は前四半期比6%増の9,900億台湾ドル(331億米ドル)、粗利益率は前四半期から84ベーシスポイント増の59.5%となった。

<重要なポイント>

TSMCの通期見通しの上方修正を支えているのは、AI(人工知能)への強力な投資と成熟したプロセスノードの回復である。我々は、クラウドサービスプロバイダーやその他同社の顧客がAI関連支出を拡大し、TSMCのNVIDIA(NVDA)への依存度が緩和されると予想している。

  • OpenAIがTSMCの顧客と複数の契約を結んでいることを踏まえ、2026年の設備投資額は、2025年比で12%増となる470億米ドルになると予想している。ただし、我々はOpenAIの計画がすべて実現されるとは考えておらず、同社の資金消費ペースの速さには懸念がある。また、OpenAIがどのようにして半導体チップの代金を支払うのかは不明である。
  • 増収ではあるものの、我々は粗利益率の予測はほとんど変更していない。AI需要を完全に取り込むためには、アリゾナおよび台湾の両地域で高額の設備投資が必要だと考えているためである。TSMCは、アリゾナで2ナノメートルの次世代高性能半導体生産能力を加速させるために、さらに設備投資を行う必要がある。

<結論>

会社見通しの改善に伴い、TSMCの適正価値推計値を1株当たり1,800台湾ドルから1,900台湾ドル、ADR換算では306米ドルから310米ドルに引き上げる。モーニングスターは、世界でAI推論(予測や判断)に対する需要が長期的に持続すると予想しており、AIモデルの学習以上に継続する可能性があるため、現在の同社の株式は適正な水準にあると考える。

<今後の展望>

経営陣はAIの成長見通しについて、1月の決算説明会で更新する意欲を示しており、2024年から2029年までの年平均成長率(CAGR)が40%台半ばとなることを改めて強調した。我々は、2025年から2029年のAI関連収益のCAGR(年平均成長率)を約34%と見積もっており、2029年にはAI関連収益が総収益の46%を占めると予測している。

<Bears:弱気の見解>

OpenAIは外部資金に依存して運営されているため、セクター全体のリスクとなり得る。ロイターは、OpenAIの2025年の収益は130億米ドルに達する見込みと報じたが、今回発表された年間契約額はその何十倍にも達している。◇

<モーニングスターによる指標>

  • 適正価値推計値:310米ドル
  • モーニングスター・レーティング:★★★(中立)
  • エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
  • 不確実性レーティング:「中程度(Medium)」

※ 本稿はモーニングスタの株式アナリストであるフェリックス・リーのアナリスト・ノートを基にモーニングスターが概要を報じたものを、モーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文のアナリスト・ノートと相違がある場合は、原文が優先されます。

※ 本稿は情報提供のみを目的としており、特定の商品・銘柄を推奨するものではありません。投資についての判断は、ご自身の投資目的・投資期間・投資資金の性格・投資に対する姿勢などを考慮して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

編集者注記: この分析は、モーニングスター・エクイティ・リサーチの株式メモとして出版されたものである。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針