1月20日、ソニーグループ(6758)はTCLエレクトロニクス(HKG: 1070)と共同で薄型テレビを含むホームエンターテインメント事業承継のための合弁会社を設立する戦略的提携について協議・検討を進めることに基本合意したと発表した。ソニーは新会社の株式の49%を保有し、2027年4月に事業を開始する予定である。
<重要なポイント>
テレビ事業は長年にわたりソニーの成長を支えてきたホームエレクトロニクスを代表する商品だが、近年は中国・韓国メーカーとの競争が極めて激しく、プレミアム領域での差別化を図ることで赤字転落は免れていたものの、シェアの低下傾向は続いていた。そのため、同事業を分離することは合理的な経営判断であると当社は考える。
●円安の恩恵を受けているにもかかわらず、テレビの売上高は2021年度の直近ピークから過去3年間で約3分の1減少し、収益性も一貫して同社平均を下回ってきた。そのため、抜本的な改革はソニーにとって不可避であったとわれわれは見ている。
●テレビはかつてソニーの主力事業の一つであったが、同社はすでにより高く安定した収益性が期待できる3つのエンターテインメント事業(ゲーム、音楽、映画)およびイメージセンサーに経営資源を集中する方針を明確化している。そのため、今回の決定には大きな驚きはない。
<結論>
モーニングスターは、エコノミック・モート・レーティング「広い(Wide)」を獲得しているソニーの適正価値推計値を5,000円で維持する。提携に含まれる事業範囲の詳細が明かされていないため、本件の影響はまだ当社の業績予想には織り込んでいない。しかしテレビ事業の収益性は低いため、今回の売却が当社の長期的な評価に与える影響は軽微であると予想している。
● ソニーの株価は2025年11月の直近でのピークから約20%下落しているが、これは半導体メモリ価格上昇の影響を市場が過度に警戒した結果であろう。現在の株価は割安であるとわれわれは考えている。
● ソニーは、長期契約に基づいて確保したメモリ在庫の活用、半導体以外の部材コストの削減、コンソール価格の引き上げなどによって、半導体メモリ価格上昇の影響を軽減できるとわれわれは予想している。
<今後の展開>
ソニーは2月5日に決算発表を予定している。決算説明会では、半導体メモリ価格の上昇が業績に与える影響が主要な焦点となる見込みである。◇
<ソニーグループの財務概要および主要指標>
| 2024年 実績 | 2025年 実績 | 2026年 予想 | 2027年 予想 | |
|---|---|---|---|---|
| 収益(10億円) | 13,021 | 12,957 | 12,150 | 12,350 |
| 収益成長率(%) | 18.7 | -0.5 | -6.2 | 1.7 |
| 営業利益(10億円) | 1,209 | 1,407 | 1,490 | 1,600 |
| 営業利益率(%) | 9.3 | 10.9 | 12.3 | 13.0 |
| 調整後EBITDA(10億円) | 2,354 | 2,560 | 2,630 | 2,755 |
| 調整後EBITDAマージン(%) | 18.1 | 19.8 | 21.7 | 22.3 |
| 1株当り利益(希薄化後・円) | 788.29 | 188.71 | 196.12 | 213.00 |
| 調整後1株当り利益(希薄化後・円) | 788.29 | 188.71 | 196.12 | 213.00 |
| 調整後EPS成長率(%) | -5.6 | -76.1 | 3.9 | 8.6 |
| PER | 3.3 | 20.1 | 19.1 | 17.6 |
| PBR | 0.4 | 2.8 | 2.4 | 2.2 |
| EV/EBITDA倍率 | 7.5 | 9.4 | 8.5 | 8.1 |
| FCF利回り(%) | ー | ー | ー | ー |
出所:Morningstar Valuation Model. データは2025年11月13日時点
<モーニングスターによる指標>
- 適正価値推計値:5,000円
- モーニングスター・株式レーティング:★★★★(割安)
- 不確実性レーティング:「中程度(Medium)」
- 資本配分レーティング:「模範的(Exemplary)」
※ 本稿はモーニングスターのエクイティ・アナリスト部門ディレクターの伊藤和典による1月21日付アナリスト・ノートの一部を抜粋してモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。英語原文と翻訳に相違がある場合は原文が優先されます。
※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

