NVIDIA:OpenAIとの契約に関する報道で「循環取引」懸念浮上も、株価は割安な水準にある

NVIDIAのバックストップ契約は、AI関連機器の販売拡大とAI利用の促進につながるだろう

The Nvidia logo is displayed on headquarters.
Justin Sullivan 通じて Getty

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、NVIDIA(NVDA)がオハイオ州での大規模データセンター・プロジェクトの一環として、OpenAIに対し約2,500億ドル規模の信用補完措置(バックストップ)を提供する方向で協議していると報じた。同報道によると、未公開スタートアップであるOpenAIはこの支援を受けることで、より有利な資金調達が可能になると見られている

<重要なポイント>

7月27日の取引でNVIDIAの株式は約5%下落したが、これはおそらくこの報道を受けた動きである。というのも、2000年代初頭のドットコム・バブル崩壊を彷彿とさせる「循環取引」(当事者間で資金や取引が循環する取引)への懸念を投資家が抱いた可能性があるからだ。

  • 我々は、投資家がこうした可能性について適切に認識しておくべきだと考えているが、今回の報道を「AI需要が幻影である」という兆候とは見ていない。AIトークンの使用量は指数関数的に増加し続けており、一方でAIホスティング企業は計算リソースの制約に直面していると見られるからだ。

<結論>

モーニングスターは、エコノミック・モート・レーティング「広い(Wide)」を付与しているNVIDIAの適正価値推計値を280ドルに据え置く。同社の株価は依然として割安な水準にあると見ている。

  • 短期および中期(おそらく長期も)においてAI関連の設備投資が活発化する可能性が高いことを踏まえると、Nvidiaの成長見通しは過小評価されていると考えられる。
  • AMDが最近、サーバーCPU市場に関する予測を引き上げたことは、エージェント型AIへの需要が高く、今後数年間でさらに多くのAIインフラが必要になることを示唆している。

<行間を読む>

我々の理解では、NVIDIAは一部の「ネオクラウド」事業者に対し信用補完(バックストップ)を提供している。これにより、支援対象となっている企業はAIホスティング収益の一部をNVIDIAに分配する見返りとして、インフラ構築のための資金をより有利な条件で調達することが可能となっている。Sharon AIおよびFirmusとの契約はその代表例である。

  • OpenAIとの同様の契約は、規模がはるかに大きく注目を集めるものとなるであろう。しかし、これはすべてのプレイヤーに向けたAIエコシステムの育成・発展を図るNVIDIAの広範な戦略に沿ったものと考えられる。
  • こうした動きは、NVIDIAのAI機器の販売拡大につながるだろう。またAIの利用拡大は、チャットボットからエージェント型AI、さらに将来の物理AIに至るまで、長期的にはNVIDIAにとってプラスとなると予想される。

<モーニングスターの主な指標>

  • 適正価値推計値:280.00ドル
  • モーニングスター・株式レーティング:★★★★(割安)
  • エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
  • 不確実性レーティング:「非常に高い(Very High)」
  • 資本配分レーティング:「模範的(Exemplary)」

※ 本稿はモーニングスターの「Nvidia: Reported OpenAI Deal Raises Circular Deal Fears, but We Think the Stock Is Undervalued」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

編集者注記: 本稿は、モーニングスター・エクイティ・リサーチによるアナリスト・ノートに基づいています。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針