9月3日、Nvidia(NVDA)は大規模言語モデル(LLM)プラットフォームであるHugging Faceを約129億米ドルで買収すると正式に発表した。NvidiaはHugging Faceを支援・拡大し、オープンソースモデルを含むLLMコミュニティへのサービス提供を継続する方針である。
<重要なポイント>
この買収が、Nvidiaの将来の業績に与える影響は限定的だろう。しかし戦略面では、この買収はオープンソースコミュニティ内でのNvidiaの地位を強化するものと考えられる。Nvidiaは自社モデル「Nemotron」の展開を支援するだけでなく、オープンソースモデルの利用をより広範に拡大することが可能になると見られるからだ。
- Nvidiaと同様に、我々もオープンソースとクローズドソースの両モデルが共存する世界を想定している。オープンソースは、負荷が高く単調なタスクを費用対効果よく処理するために利用され、一方でクローズドソース(Claudeなど)は、ミッションクリティカルな業務や高度な知識を必要とする用途において、高付加価値のトークン(利用枠)を提供するようになると予想される。
- Nvidia自身もLLMを保有しているため、利益相反の懸念が生じる可能性があるものの、Hugging FaceがNvidia傘下となったことを理由に、LLM開発者がHugging Faceから離れる可能性は低いとみている。ただし、Nvidiaが不用意に自社に有利な方向に舵を切るようなことがあれば、そうしたリスクは現実となる可能性がある。
<結論>
モーニングスターは、Nvidiaの適正価値推計値を1株あたり310ドルで据え置く。同社はエコノミック・モート・レーティングで「広い(Wide)」を付与されている。市場には、先週発表されたNvidiaの好調な決算報告の余韻が残っており、このニュースによる株価への影響を評価するのは難しい。AI成長の持続性が過小評価されていると見られるため、同社の株価は依然として割安な水準にある。
- 総合的に見て、Nvidiaは引き続きAIシステムの構築とAIエコシステムの拡大に注力している。これは賢明な「攻め」の戦略であると同時に、「守り」の戦略でもあると考える。もしAnthropicやOpenAIが自社製チップの利用を拡大するような状況になったとしても、Nvidiaはより競争力の高いモデルを持つ企業として台頭する可能性がある。◇
<モーニングスターによる主要指標>
- 適正価値推計値:310米ドル
- モーニングスター・レーティング:★★★★
- モーニングスター・エコノミック・モート・レーティング:広い
- モーニングスター不確実性レーティング:非常に高い

