10月28日、東京証券取引所は、ニデック(6594)を特別注意銘柄に指定すると発表した。ニデックは、第三者委員会による不適切な会計処理の可能性に関する調査が継続中であることから、「意見の表明をしない」旨が記載された監査報告書を添付した有価証券報告書を9月26日に提出している。
<結論>
モーニングスターは、ニデックのモーニングスター不確実性レーティングを「非常に高い(Very High)」から「極めて高い(Extreme)」に引き下げる。またこれに伴い割引率が上がったため、適正価値推計値は従来の1株あたり4,000円から2,500円に引き下げる。これは、会計上の問題の詳細が開示されていないため、従来想定していた以上のリスクを織り込む必要があることによる。
<重要なポイント>
ニデックは2025年9月、経営陣による不適切な会計処理への関与の可能性を調査するため、第三者委員会の設置を発表した。この発表を受けて、モーニングスターは同社の不確実性レーティングを「非常に高い(Very High)」に引き上げていた。しかし、現時点ではさらに以下の状況が生じている。
- 調査範囲の継続的な拡大と調査期間の長期化は、今回の問題の影響が当初の想定を超える可能性を示唆している。
- 監査報告書の提出時期や第三者委員会による調査完了の見通しが不透明であることから、問題が軽微ではなく、過年度の財務諸表の修正が必要になる可能性を我々は懸念している。
<ニデックの財務概要および主要指標>
| 2024年 実績 | 2025年 実績 | 2026年 予想 | 2027年 予想 | |
|---|---|---|---|---|
| 収益(10億円) | 2,347 | 2,607 | 2,600 | 2,780 |
| 収益成長率(%) | 4.7 | 11.1 | -0.3 | 6.9 |
| 営業利益(10億円) | 162 | 240 | 260 | 295 |
| 営業利益率(%) | 6.9 | 9.2 | 10.0 | 10.6 |
| 調整後EBITDA(10億円) | 320 | 361 | 403 | 443 |
| 調整後EBITDAマージン(%) | 13.6 | 13.9 | 15.5 | 15.9 |
| 1株当り利益(希薄化後・円) | 108.30 | 145.95 | 176.22 | 196.72 |
| 調整後1株当り利益(希薄化後・円) | 108.30 | 145.95 | 176.22 | 196.72 |
| 調整後EPS成長率(%) | 177.0 | 34.8 | 20.7 | 11.6 |
| PER | 56.6 | 17.1 | 14.6 | 13.1 |
| PBR | 4.3 | 1.7 | 1.6 | 1.4 |
| EV/EBITDA倍率 | 13.9 | 9.0 | 8.3 | 7.5 |
| FCF利回り(%) | ー | ー | ー | ー |
出所:Morningstar Valuation Model. データは2025年10月28日時点
<今後の展望>
特別注意銘柄に指定された企業は、1年以内に改善報告書を提出する必要がある。東京証券取引所が、内部管理体制が適切に構築・運用されていると判断した場合には指定が解除されるが、改善の見込みがないと判断されれば、最悪の場合上場廃止となる可能性もある。◇
<モーニングスターによる指標>
● エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
● 適正価値推計値:2,500円
● モーニングスター株式レーティング:★★★(中立)
● 不確実性レーティング:「非常に高い(Extreme)」
● 資本配分レーティング:「模範的(Exemplary)」
※本稿はモーニングスターのエクイティ・アナリスト部門ディレクターの伊藤和典による10月28日付アナリスト・ノートの一部を抜粋してモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。英語原文と翻訳に相違がある場合は原文が優先されます。
※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

