ニデック【臨時レポート】:調査完了を前に、創業者永守氏が代表取締役会長を辞任

今後の市場の関心は、岸田社長の処遇に移るだろう

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Piotr Swat/SOPA Images 通じて Getty

ニデック(6594)は、創業者の永守重信氏が代表取締役グローバルグループ代表(取締役会議長)から辞任し、非常勤の名誉会長に就任すると発表した。取締役会議長の後任には、同社代表取締役社長CEOの岸田光哉氏が就任する。

<重要なポイント>

モーニングスターでは第三者委員会の調査結果が公表される前に永守氏の進退が決まるとは想定していなかったが、辞任の判断そのものに違和感はない。

  • 永守氏の迅速な経営判断が、ニデックの長年にわたる高成長を牽引してきたことは疑いない。しかし、結果を重視し強いプレッシャーをかける経営手法が不正会計の温床となったとみられる中で、規律と倫理を社内に浸透させるためには、同社の企業風土そのものとも言える永守氏の退任は不可避であっただろう。
  • むしろニデックの将来は、現在当社の経営改革を主導している岸田氏の去就に大きく左右されよう。ただし、これについては第三者委員会の報告を待つ必要があるだろう。

<結論>

モーニングスターは、ニデックの適正価値推計値2,500円、およびモーニングスター・不確実性レーティング「極めて高い(Extreme)」との評価を維持する。

  • 不適切な会計処理の範囲と影響は依然として不明である。第三者委員会の報告書が入手できるまでは合理的な業績予想を行うことは困難なため、現時点では我々の数値は変更しない。

<今後の展望>

2025年9月3日、ニデックは不適切な会計処理への経営関与の可能性を調査するため、第三者委員会の設置を発表した。ニデックの業績および経営への影響は第三者委員会の報告に依存するが、調査範囲が広範に及ぶため、少なくとも本年内には調査報告書は提出されない見通しである。

  • 一般的に、第三者委員会の調査期間は2-3か月程度であることが多い。ただし、今回のニデックのように、当社および海外子会社を対象とした過去複数年度にわたる不適切な会計処理の有無が調査範囲となる場合、調査期間は約6か月に及ぶこともある。
  • 2024年4月の社長就任以降、岸田氏は収益体質の転換、経営の透明性向上、ガバナンス体制の構築などに取り組み永守氏に過度に依存した経営体制からの脱却を主導してきた。そのため、仮に岸田氏が引責辞任する事態となった場合、ニデックの経営改革のペースが鈍化するリスクがあるだろう。◇

<ニデックの財務概要および主要指標>

2024年 実績
2025年 実績
2026年 予想
2027年 予想
収益(10億円)2,3472,6072,6002,780
収益成長率(%)4.711.1-0.36.9
営業利益(10億円)162240260295
営業利益率(%)6.99.210.010.6
調整後EBITDA(10億円)320361403443
調整後EBITDAマージン(%)13.613.915.515.9
1株当り利益(希薄化後・円)108.30145.95176.22196.72
調整後1株当り利益(希薄化後・円)108.30145.95176.22196.72
調整後EPS成長率(%)177.034.820.711.6
PER56.617.111.310.2
PBR4.31.71.21.1
EV/EBITDA倍率12.59.06.66.0
FCF利回り(%)

出所:Morningstar Valuation Model. データは2025年10月28日時点

<モーニングスターによる指標>

  • エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
  • 適正価値推計値:2,500円
  • モーニングスター株式レーティング:★★★(中立)
  • 不確実性レーティング:「極めて高い(Extreme)」
  • 資本配分レーティング:「模範的(Exemplary)」

※本稿はモーニングスターのエクイティ・アナリスト部門ディレクターの伊藤和典による12月22日付アナリスト・ノートの一部を抜粋してモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。英語原文と翻訳に相違がある場合は原文が優先されます。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針