アドバンテスト【決算】:生産能力拡大の前倒しが中期的なAI需要の強さを示唆。フェアバリューを34,000円に引き上げ。

市場は半導体投資のピークアウトを過度に意識しており、株価は割安な水準にある。

アドバンテストのロゴ入り看板(シリコンバレー)。
Smith Collection/Gado 通じて Getty

AI需要の力強い成長を背景に、アドバンテスト(6857)の2025年度第4四半期の売上高は、ガイダンスを20%超上回った。2026年システムオンチップ(SoC)テスタ市場は32%成長するとの想定に基づき、企業側は2026年度(2027年3月期)の売上高成長率ガイダンスを26%とした。

<重要なポイント>

同社によるSoCテスタの市場想定が前四半期の決算報告時からほぼ変わっていないため、2026年度のガイダンス自体には大きな驚きはなかった。しかしわれわれは、事業環境のアップデートにより、アドバンテストの中期的な成長のビジビリティは高まったと考えている。

  • 従来アドバンテストは、2026年度末までにSoCテスタの年間生産能力を5,000台まで拡大し、その後中期的に7,500台体制を目指すとしていた。この計画を前倒しすることで、当社は2029年初頭までに1万台の生産能力を確保する見通しである。これは先端半導体の生産増に加えて半導体の複雑化に伴うテスト機会の構造的な増加が従来想定を上回るためであろう。
  • 2027年後半に発売予定のNVIDIA(NVDA)のRubin Ultraプラットフォームは、ラックあたりのGPU搭載数が現行モデルの8倍になるため、製造プロセスの複雑化と相まって、システムあたりのテスト需要が約10倍に増加するとわれわれは予想している。

<結論>

モーニングスターは、アドバンテストの2027年度および2028年度の売上高予測をそれぞれ9%と13%上方修正したことを受け、当社の適正価値推計値を29,000円から34,000円に引き上げる。株式市場は半導体投資の循環的なピークアウトを過度に意識しており、半導体テスト機会の構造的な成長を過小評価しているとわれわれは考えている。

<今後の展望>

コパッケージドオプティクス(CPO)の採用は2026年に始まり、2028年以降に本格化すると想定している。シリコンフォトニクス技術を基盤とするCPOは、消費電力やデータ帯域幅といったAI関連のボトルネックの解消に貢献すると期待されており、これが新たなテスト需要を創出すると考えられている。

アドバンテストは、主力テスタであるV93000の機能を拡張することで、シリコンフォトニクスのテストを支援する。これにより、アドバンテストは半導体テストのデファクトスタンダードとなっているV93000の既存の設置ベースを活用して増加するテスト需要に対応できるため、シリコンフォトニクスにおけるテスト機会の増加局面でも競争力を発揮できるとわれわれは考えている。◇

<アドバンテストの財務概要および主要指標>

2025年 実績
2026年 実績
2027年 予想
2028年 予想
収益(100万円)779,7071,128,6101,480,0001,850,000
収益成長率(%)60.344.831.125.0
営業利益(100万円)249,693496,479665,000855,000
営業利益率(%)32.044.044.946.2
調整後EBITDA(100万円)254,265526,195689,500883,000
調整後EBITDAマージン(%)32.646.646.647.7
1株当り利益(希薄化後・円)218.67515.15669.87864.21
調整後1株当り利益(希薄化後・円)218.67515.15669.87864.21
調整後EPS成長率(%)158.9135.630.029.0
PER29.639.541.532.2
PBR11.129.221.613.5
EV/EBITDA倍率19.88.828.822.5
FCF利回り(%)

出所:Morningstar Valuation Model. データは2026年5月1日時点

<モーニングスターによる指標>

● エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」

● 適正価値推計値:34,000円

● モーニングスター株式レーティング:★★★★(割安)

● 不確実性レーティング:「高い(High)」

● 資本配分レーティング:「標準的(Standard)」

※ 本稿はモーニングスターのエクイティ・リサーチ ディレクター伊藤和典による5月1付アナリスト・ノートの一部を抜粋してモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。英語原文と翻訳に相違がある場合は原文が優先されます。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針