Apple:3月の新製品発表。新型MacBook Neoを含むラインナップは、メモリ価格が上昇しても低価格を維持

アップルの価格戦略は、部材コスト上昇を吸収し、メモリー調達でも有利な条件を得ている

An Apple logo adorns the facade of the downtown Brooklyn Apple store.
Kathy Willens 通じて AP

<モーニングスターの主要指標>

  • 適正価値推計値:USD 260
  • モーニングスター・株式レーティング:★★★(中立)
  • エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
  • 不確実性レーティング:「中程度(Medium)」

Apple(AAPL)は3月2日の週に新製品ラインアップを発表した。目玉は新型MacBook Neoで、その他にiPhone 17eのアップデート版、MacBook向けM5シリーズチップ、M4チップ搭載のiPad Air、新型Studioディスプレイなどが披露された。

<重要なポイント>

今回の発表内容は全体として大きな方向転換ではなく、着実なアップデートが中心だった。ただし、すべての製品で AI対応を強く意識した戦略 が打ち出されており、AI機能の統合を加速させる姿勢が鮮明になった。また、アップルは今回の新製品で 価格水準の据え置きを貫いた 。ソフトウェアとシリコンを自社で統合的に設計するエコシステムの完成度は、引き続き高く評価できる。

  • メモリチップ価格は急騰しているが、AppleはMacやiPadについてもiPhone 17シリーズと同様に価格を据え置いた。コスト増を顧客に転嫁せず、自社で吸収する方針は評価できる。同社はメモリ価格高騰環境下でも、高い利益率を維持しつつ、調達において巧みに交渉を進めている力を持っていると考えている。
  • 新製品には更新されたプロセッサに加え、Wi-Fi/Bluetoothを担うN1チップやセルラー接続用のC1Xチップなど自社開発の通信系チップも採用されている。こうした垂直統合型のシリコン戦略により、Appleはコスト構造の効率化・利益率の向上、ソフトウェアとハードウェアの緊密な統合をなどを一段と進めている。

<結論>

モーニングスターはエコノミック・モート・レーティングで「広い(Wide)」を獲得しているAppleの適正価値推計値を260米ドルで維持する。今回の進化的なアップデートは当社の価格予想における見通しと一致しており、Appleの強力な製品ラインアップに対するわれわれの見解を裏付けるものとなった。同社の株式は適正な水準にあり、本発表後も目立った変動は生じていない。

  • 関税負担やメモリ価格上昇といったコストへの圧力が続く中でも、Appleは利益率の拡大を継続できると考えている。同社のプレミアム価格帯は、部材コストインフレの影響を吸収する余地をあらかじめ織り込んでおり、特にメモリについては、急騰するスポット価格とは対照的に、業界最高水準の契約価格を確保していると推察される。
  • Appleは2020年以降、実質的にインフレ調整後の製品価格を約20%引き下げつつ、粗利益率を800ベーシスポイント以上改善してきた。この大幅な利益率の改善は、業界トップクラスのサプライチェーン管理と、シリコンからソフトウェアまで一体で最適化する垂直統合によるものと評価している。◇

※本稿はモーニングスターの記事「Apple: March Releases, Including Brand-New MacBook Neo, Keep Pricing Low Despite Memory Inflation」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。英語原文と翻訳に相違がある場合は原文が優先されます。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

編集者注記: 本稿はモーニングスター・エクイティ・リサーチによるアナリスト・ノートに基づいています。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針