ドナルド・トランプ米大統領は、日本との関税交渉が合意に達し相互関税を15%とすると発表した。日本のメディアは、日本の自動車メーカーへの関税は当初予定の25%から15%に引き下げられると報じている。7月23日、日経平均株価は3.5%上昇し、トヨタ自動車(7203)の株価は14%以上跳ね上がった。
注目点:日本の自動車メーカーに対する関税を含め、相互関税を15%とする日米関税協定は、平均関税率32%を想定していた我々の弱気シナリオの可能性が消滅し、市場全体のリスク見通しを改善させるため、日本株式にとって概ねポジティブである。
- 15%の関税率は、モーニングスターの基本シナリオである平均関税率14%に近い水準だが、もし日本の自動車メーカーへの関税が15%に引き下げられることが確認されれば、現在の我々のトヨタ、日産(7201)、ホンダ(7267)の評価は税率25%を前提としているため、より好ましい状況となろう。
- 日産とホンダは、米国での生産拠点が小さいため、米国の関税の影響を受けやすい。したがって、関税率が25%から15%に引き下げられた場合、2026年度の営業損失は日産では33%縮小し、ホンダとトヨタの営業利益はそれぞれ28%、8%改善する見通しである。
トヨタ 2026年度 営業利益 感応度分析表

ホンダ 2026年度 営業利益 感応度分析表

日産自動車 2026年度営業損失感応度分析表

結論:このたび相互関税率は15%となったが、関税が日本の大半の産業に与える直接的な影響は限定的であるというモーニングスターの基本シナリオに変更はない。その一方で、関税の不確実性が続く環境で、世界的に需要が鈍化するという、間接的なリスク要因は引き続き残っている。
- 日本株式は引き続き選別的に魅力的である。モーニングスターが調査対象としている企業群は、我々の算出する適正価値推計値に対して10%前後割安な状態にある。日本企業が資本効率を改善し、株主還元を高めようとする動きは、投資家にとって長期的な買い材料となるだろう。
- モーニングスターの基本シナリオでは、関税によって収益への打撃をもっとも受けるのは自動車業界であるとの見方に変更はないが、市場はすでに関税率25%を株価に織り込んでいるため株価にとっては短期的にはポジティブであろう。トヨタは、依然として我々が選好する日本の自動車メーカーである。◇
※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

