2026年7月の新規設定ファンドは前月の32本から35本に増加し、当初設定額の合計は524億円から2,220億円へと4倍以上に増加した。これは3000億円を超えた2021年4月以降で最高の設定額である。6月は少なかったものの、3月以降、比較的高い水準で新規設定額が推移している。35本の内訳では、株式投信追加型が24本、ETFが9本、株式投信単位型が2本となっている。
7月新ファンドの概観
決算回数でみると年1回決算型が22本と3分の2弱を占めるが、年2回決算型が6本、年4回決算型が5本、毎月決算型が2本となっている。
毎月決算型では、設定額5億円で14位となった株式・セクター型の「明治安田グローバル次世代防衛株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)」(明治安田アセット、販売は静岡東海証券、明和證券)は、セクター型のアクティブファンドで、テーマ型に近い防衛関連株式に投資を行うもの。同じファンドの「(資産成長型)」は6億円を集めて13位になっている(販売は静岡東海証券、明和證券)。たまたまではあるが、先月も同じ明治安田アセットが半導体のセクター型ファンドで毎月決算型の設定額トップであった。毎月決算型では、設定額2億円で24位の「GS Plus全世界株式(オール・カントリー)毎月決算コース」(ゴールドマン・サックス、販売はマネックス証券、楽天証券、SBI証券)も株式型ファンドである。年4回決算型でも2本が株式型、1本がREIT型で、債券型ファンドは2本にとどまっており、株式型ファンドでの多回数決算型ファンド設定がごく普通のことになっている。配当株やREITであればインカム目的の保有も従来から見られるが、最近はそれがセクター型やテーマ型の投資でも見られるようになっている。
7月設定の新規ファンドでは、外国株式に投資するものが10本、国内株式に投資するものが9本と株式型が優勢だ。防衛、宇宙、テクノロジー、資源関連などのテーマ型、セクター型ファンドの設定も変わらず多いが、一方で配当に注目するファンドも散見される。いずれにおいても、アクティブファンドとインデックスファンドが入り乱れて設定されているのも興味深い。一方、外国債券型は2本、国内債券型は3本設定されている。国内債券・短期型が各社で設定され始めている。
ETFは9本設定され、日本国債先物や、政策投資に着目した日本株、総合商社・資源ビジネス、宇宙技術、ドイツ短期国債、超長期日本国債など、バラエティに富んだラインアップである。海外では個人投資家の資産運用手段として大きな役割を担っているETFであるが、日本ではインデックスファンドの低コスト化と豊富なラインアップがあることも一因となり、ETFの活用はやや遅れている。しかし、こうした様々な投資アイディアを、年率0.5%程度の信託報酬率で実現できるETFが広がれば、投資にメリハリをつけたい投資家ニーズに対する選択肢として定着する可能性があるだろう。
設定額トップ3の顔ぶれ
7月はトップ3を追加型投信が占めた。
「野村構造変化日本株ファンド」(野村アセットマネジメント)が、野村證券の販売で1,107億円を集めてトップとなった。マクロ環境の変化(金利、景気など)、政策・地政学の変化(貿易、安全保障など)、技術革新(AI革命など)、日本特有のビジネス機会(IPコンテンツ、インバウンド需要など)の4つの「構造変化」に着目し、利益成長が期待できる企業への投資を掲げた日本株アクティブファンドである。販売手数料の上限は3.3%、信託報酬は年1.573%(税込み)。
続いて「JPモルガン・米国テクノロジー株式ファンド《ザ・テック・リーダーズ》」(JPモルガン・アセット・マネジメント)が、みずほ証券の販売で640億円を集めて2位となった。投資対象ファンドを通じて米国(カナダを含む)のテクノロジー関連企業の株式に投資を行うファンド・オブ・ファンズである。「投資アイディアの創出」「ファンダメンタルズ分析」を経てポートフォリオの構築を行う、アクティブ運用の米国株ファンドで、販売手数料上限は3.3%、信託報酬(投資先ファンド費用を含む税込み概算)は年1.562%程度である。
3位は「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2026-07《ぜんぞう2607》」(あおぞら投信)が、SBI証券、あおぞら銀行ほか多数の銀行・証券の取り扱いで203億円を集めた。長く続いている限定追加型のシリーズで、設定当初は先進国株式4%、新興国株式1%、先進国債券95%のほぼ債券型ポートフォリオであるが、そこから1年かけて先進国株式50%、新興国株式10%、先進国債券40%のバランス型ポートフォリオへと株式の組入れ比率を段階的に引き上げる。基準価額が11,500円以上となった場合は株式の組み入れ比率を引き下げ、債券および短期金融商品での運用に切り替えるが、早期償還条項付きではなく、信託期間終了日まで運用を継続する。株式・債券の実質的な運用はディメンショナル・ファンズが運用するアイルランド籍の外国投信によって行われるファンド・オブ・ファンズである。販売手数料上限は2.75%、信託報酬(投資先ファンド費用を含む税込み概算)は通常時1.335%程度、安定運用時は1.09%程度である。
7月は、最近設定額上位の常連であった単位型が4位となり、トップ3を追加型が占める結果となった。中でも上位2本は、いずれも大手証券会社の単独販売だ。かつては「〇〇証券専用ファンド」などと銘打って大規模な設定を競ったものだ。久々に営業力を前面に出した大型設定となったのかもしれない。◇
<2026年7月の新規ファンド、設定額ランキング>
| 順位 | 設定月日 | 運用会社名 | ファンド名 | 追加・ 単位 | 設定額 (億円) | 販売会社 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 7月31日 | 野村AM | 野村構造変化日本株ファンド | 追 | 1,107.4 | 野村證券 |
| 2 | 7月31日 | JPモルガン | JPモルガン・米国テクノロジー株式ファンド《ザ・テック・リーダーズ》 | 追 | 640.8 | みずほ証券 |
| 3 | 7月31日 | あおぞら投信 | あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2026-07《ぜんぞう2607》 | 追 | 203.3 | 大熊本証券;千葉興業銀行;筑邦銀行;鳥取銀行;東北銀行;南都銀行;あおぞら銀行;おきぎん証券;広島信用金庫;百五証券;青森みちのく銀行;今村証券;SBI証券;OKB証券;大垣共立銀行;沖縄銀行;神奈川銀行:木村証券;ぐんぎん証券;群馬銀行;清水銀行;荘内銀行;スルガ銀行;大光銀行;但馬銀行;徳島大正銀行;富山銀行;富山第一銀行;百五銀行;百十四銀行;福島銀行;北都銀行;武蔵野銀行;山形銀行; |
| 4 | 7月10日 | 三菱UAM | ゴールドマン・サックス社債/ゴールド・エクイティ・バランス戦略2607 分配抑制 | 単 | 47.7 | 三菱UFJ銀行 |
| 5 | 7月23日 | カレラAM | 日欧防衛ファンド | 追 | 42.7 | 安藤証券;三豊証券;豊証券; |
| 6 | 7月31日 | あおぞら投信 | あおぞら・新グローバル・トリオ・ファンド(限定追加型)2026-07《ぜんぞうトリオ》 | 追 | 33.9 | 富山第一銀行;鳥取銀行;東北銀行;あおぞら銀行;おきぎん証券;OKB証券;大垣共立銀行;沖縄銀行;神奈川銀行;北九州銀行;三十三銀行;大光銀行;東和銀行;富山銀行;南都銀行;百五銀行;百五証券;武蔵野銀行;もみじ銀行;山口銀行; |
| 7 | 7月29日 | しんきんAM | しんきん円建て債券ファンド2026-07(限定追加型)《円満日和》 | 追 | 25.4 | 信金中央金庫;帯広信用金庫;福島信用金庫;飯能信用金庫;西武信用金庫;多摩信用金庫;長野信用金庫;八幡信用金庫;岐阜信用金庫;豊田信用金庫;東春信用金庫;京都信用金庫;大阪信用金庫;玉島 |
| 8 | 7月27日 | 明治安田AM | 伊達の国未来ファンド《伊達Rising》 | 追 | 16.9 | 七十七証券 |
| 9 | 7月6日 | レオス | ひふみポリシードライブpro | 追 | 16.7 | レオス・キャピタルワークス |
| 10 | 7月1日 | SBI AM | SBI・光 ハイクオリティ・バリュー株ファンド《ひかり優良バリュー》 | 追 | 12.0 | SBI証券 |
| 11 | 7月30日 | AM-One | One ETF 日本国債先物逆連動指数 | ETF | 10.5 | 上場投信 |
| 12 | 7月10日 | 三菱UAM | ゴールドマン・サックス社債/ゴールド・エクイティ・バランス戦略2607 分配 | 単 | 8.7 | 三菱UFJ銀行 |
| 13 | 7月30日 | 明治安田AM | 明治安田グローバル次世代防衛株式ファンド(年2回決算・資産成長型) | 追 | 6.5 | 静岡東海証券;明和證券; |
| 14 | 7月30日 | 明治安田AM | 明治安田グローバル次世代防衛株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型) | 追 | 5.4 | 静岡東海証券;明和證券; |
| 15 | 7月13日 | 野村AM | NEXT FUNDS 日本株政策フォーカス上場投信《NF・政策フォーカスETF》 | ETF | 5.0 | 上場投信 |
| 16 | 7月30日 | アモーヴァ | Tracers TOPIXゴールドプラス | 追 | 4.2 | マネックス証券;楽天証券;SBI証券; |
| 17 | 7月14日 | 大和AM | iFreeNEXT スペース・テック株インデックス | 追 | 3.7 | マネックス証券;楽天証券;SBI証券; |
| 18 | 7月7日 | ニッセイAM | ニッセイNYダウ高配当株式トップ10インデックスファンド(年4回決算型)<購入・換金手数料なし>《ダウハイ10》 | 追 | 3.5 | マネックス証券;楽天証券;SBI証券;松井証券;イオン銀行;SBI新生銀行; |
| 19 | 7月28日 | グローバルX | グローバルX 総合商社&資源ビジネス-日本株式 ETF | ETF | 3.1 | 上場投信 |
| 20 | 7月1日 | 三菱UAM | グローバルリーダーズ日本株トップ10インデックスファンド | 追 | 3.0 | マネックス証券;楽天証券;SBI証券;三菱UFJeスマート証券; |
| 20 | 7月7日 | ニッセイAM | ニッセイETF ラッセル2000 | ETF | 3.0 | 上場投信 |
| 22 | 7月23日 | 明治安田AM | S&P500/ゴールド・プラス・Manトレンドフォロー戦略《三冠王(S&P500)》 | 追 | 2.98 | マネックス証券;楽天証券;SBI証券; |
| 23 | 7月28日 | グローバルX | グローバルX 宇宙テック・トップ10 ETF(除く日本) | ETF | 2.50 | 上場投信 |
| 24 | 7月30日 | ゴールドマン・S | GS Plus全世界株式(オール・カントリー)毎月決算コース | 追 | 2.18 | マネックス証券;楽天証券; |
| 25 | 7月24日 | 大和AM | iFreePlus 増配・高配当日本株(年4回決算型) | 追 | 2.00 | マネックス証券;楽天証券;SBI証券; |
| 25 | 7月30日 | 大和AM | iFreeETF ドイツ0-3カ月短期国債 | ETF | 2.00 | 上場投信 |
| 27 | 7月17日 | アモーヴァ | 上場インデックスファンド東証REIT高利回り30《上場リート高利回り30》 | ETF | 1.99 | 上場投信 |
| 28 | 7月30日 | アモーヴァ | TOPIX ゴールドプラス | 追 | 1.30 | アモーヴァAM;日産証券; |
| 29 | 7月10日 | AM-One | Oneマネーファンド | 追 | 1.00 | 水戸証券;東洋証券; |
| 29 | 7月30日 | AM-One | One ETF 日本国債 27-30年 | ETF | 1.00 | 上場投信 |
| 31 | 7月14日 | シンプレクス | 金2倍ブルETF | ETF | 0.30 | 上場投信 |
| 32 | 7月23日 | 三井住友トラスト | DCグローバル経済コア | 追 | 0.01 | 三井住友信託銀行 |
| 32 | 7月31日 | 三井住友DS | イノベーション・インデックス・宇宙&防衛 | 追 | 0.01 | 楽天証券;SBI証券; |
| 32 | 7月31日 | 三井住友DS | 三井住友DS・円短期マネーファンド | 追 | 0.01 | 三井住友銀行 |
| 35 | 7月10日 | フィデリティ投信 | フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(成長重視型) | 追 | 0.00 | SMBC日興証券;ひろぎん証券;アイザワ証券; |
| 35本合計 | 2,220.6 |
※ データは資産運用業協会およびMorningstar DirectⓇより作成
※ 本稿は筆者個人の見解であり、モーニングスター・ジャパンの見解ではありません。モーニングスターは多様な意見を認めて掲載していますが、必ずしも筆者と同じ見解を主張するものではありません。

