【新規ファンド 設定額ランキング】 2026年6月:32本、設定総額は合計524億円 に半減

トップは147億円、仕組債に投資する「アテネ債券/SMTAMグローバル経済コア戦略ファンド2026-06」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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2026年6月の新規設定ファンドは前月の36本から32本に減少し、当初設定額の合計は1275億円から524億円へと半減した。32本の内訳では、株式投信追加型が27本、ETFが2本、株式投信単位型が3本となっている。

※ 本稿は筆者個人の見解であり、モーニングスター・ジャパンの見解ではありません。モーニングスターは多様な意見を認めて掲載していますが、必ずしも同じ見解を主張するものではありません。

6月新ファンドの概観

決算回数でみると年1回決算型が16本と半数を占めるが、年2回決算型が6本、年4回決算型が3本、隔月(年6回)決算型が2本、そして毎月決算型が5本となっている。一部の金融機関の窓口では、ふたたび毎月決算型ファンドの人気が若い資産形成層にまで広がりつつあると聞くが、新規ファンドでも、複数回決算型のファンドの復活が定着しつつある。

毎月決算型では、設定額17億円で7位となった株式・セクター型の「明治安田フィデリティ・セミコンダクター・ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)」(明治安田アセット、販売は第四北越証券)は、テクノロジー株式に投資を行うアクティブファンドで、テーマ型に近い半導体関連株式に投資を行うもの。同じファンドの「(資産成長型)」は36億円を集めて4位になっている(販売は今村証券、第四北越証券)。たまたまではあるが、先月フィデリティ投信が設定した同様のセクター型ファンド「フィデリティ・世界テクノロジー・厳選株式ファンド《テック・ハンター》」と順位まで同じであった。

6月設定の新規ファンドでは、外国株式に投資するものが9本、国内株式に投資するものが(2本のETFを含めて)10本と株式型が優勢だ。インデックスα戦略や、アクティブ型のDC専用ファンド、半導体やエンターテイメントなどテーマ性のあるもの、配当やモメンタムに着目するアクティブ型など、運用方針も運用手法もバラエティが豊富である。一方、外国債券型も9本設定されているが、これは決算回数や為替戦略の異なるシリーズもの2つが各4本設定されているために本数が多くなっている。

ETFは2本設定され、いずれも国内株式型である。10位の「日本バリュー・ボトムアップ株式投資戦略アクティブETF」(JAMPファンドマネジメント)は同社初のETFであり、文字通りアクティブETFだ。13位の「NEXT FUNDS 日経エンタメ・コンテンツ株指数連動型上場投信」(野村アセット)はセクター型ETF。最近はETFもオーソドックスな指数ではなく、こうした選別投資を行うものが増えている。

26位のDC専用ファンド「DC米国高配当&自社株買いファンド」(三井住友トラスト・アセット)も、DC専用とはいえ、「個別企業の時価総額に対する配当総額や、自社株買い総額の割合等の指標に基づき、投資銘柄を選定」するアクティブ投信である。昨年10月んひ設定された同様の運用方針の公募ファンドが好調な運用実績を示しているので、もしかするとDCでも欲しいという加入者もいるのかもしれない。しかし、一般的なDC加入者の金融経済知識を踏まえると、理解を得るには少し難しいのではないだろうか。

DCやiDeCoはあくまで全国民向けの制度であり、税制優遇を伴う基本的な資産運用手段だ。特に知識豊富な加入者に向けた品ぞろえより、分かりやすく低コストな商品を提供することに注力する方が、加入者のためになるのではないだろうか。

設定額トップ3の顔ぶれ

6月はトップ3を単位型投信が占めた。「アテネ債券/SMTAMグローバル経済コア戦略ファンド2026-06」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)が、三井住友信託銀行の販売で147億円を集めてトップとなった。Ascent Finance Limitedが発行する円建債券に高位に投資し、設定日から約3年後の満期償還時のファンドの償還価額について、元本確保を目指すもので、「SMTAMグローバル経済コア戦略VT4指数の累積収益率により決定される実績連動クーポンと固定クーポンで構成されるアテネ債券のクーポンを獲得することを目指す」ファンドである。

続いて「ゴールドマン・サックス社債/ROBOPRO戦略ファンド2026-06《ロボっとプラス3》」(SBI岡三アセットマネジメント)が、岡三証券とSBI証券の販売で120億円を集めて2位となった。こちらもLUMINIS II Limitedが発行する円建て債券に投資を行ない、設定日から約6年後の償還価額について元本を上回る投資成果を目指すものだ。「該当社債の運用成果は『安定運用部分』と『積極運用部分』で構成され、安定運用部分は社債等に投資を行ない、円ベースでの元本確保を目指す。積極運用部分は「ROBOPRO戦略VT5指数」に連動した実績連動収益の確保を目指す」という。

3位は「シティグループ社債/One米国株式・金戦略ファンド2026-06《おまもりOne・M3》」(アセットマネジメントOne)が、みずほ銀行による販売で100億円を集めた。こちらもCitigroup Global Markets Holdingsが発行する円建債券に高位に投資し、設定日から約5年後の満期償還時の償還価額について元本確保をめざすものだ。「米国株式・金戦略指数 VT3の累積収益率により決定される実績連動クーポンと、固定クーポンで構成されるシティグループ社債の利金を獲得することをめざす。(米国株式・金戦略指数 VT3は、米国S&P500株価指数先物と金先物を、実質的な構成資産として原則70%:30%の割合で組み合わせ、目標リスク水準が年率3%程度となるように、先物の合計構成比率を0-100%程度の範囲内で調整する指数)」という。

6月は、トップ3がすべて仕組債を活用した単位型のいわゆる「プロテクション型バランスファンド」に占められた。こうしたファンド、特に単位型投信は対面営業で売られることが多いものである。顧客は「元本確保の安心感」をお金で買っていることをほんとうに理解しているのだろうか。そして、実際の上値についてのイメージを持って投資しているのだろうか。ファンドというソフトなパッケージに入った運用商品は万人向けに見えるものの、時に万人が理解できるものではないこともある。

「資産運用立国のアップグレード」の軸足はどこにある?

さて、7月21日に日本成長戦略本部事務局から発表された「成長投資を促進するための金融戦略―資産運用立国のアップグレード―」では、「家計の安定的な資産形成の促進」として、企業型DC・iDeCoをNISAと並ぶ資産形成ツールと位置付け、『加入者が金融機関から個別商品のアドバイスを受けられるようにする(運営管理機関が、金融商品取引業者の立場として行う個別商品の推奨・助言を許容)』と記されている。つまり、投資家と利益相反の可能性があり、商品への誘導につながる可能性があるため今まで許されていなかった、金融機関による個別商品のアドバイスを解禁するということだ。

また、DC採用商品の『除外手続きの緩和』や『商品ラインナップの規制(現行35本以下)の見直し』なども挙げらている。いずれも商品採用の際にアセットオーナーと運営管理機関が慎重かつ責任をもって商品選択をすれば問題の無いはずだ。加入者のニーズに合わなかったり、DC商品であるのに時間経過とともに追加設定が増加せず小額ファンドのままだったりするファンドを除外しやすくするのだろうか。35本でも加入者にとってはファンド選びに苦労するのに、もっと多数のラインアップを揃えて、テーマ型や特定国に投資をするようなファンドを加えるのだろうか。勘ぐりすぎかもしれないが、加入者にとって長期での投資の持続性に差し支えるような緩和措置ではないと期待したい。

「成長戦略」は「顧客本位」と共存してこそ、インベストメント・チェーンの好循環を生むことを忘れてはならない。◇

<2026年5月の新規ファンド、設定額ランキング>

順位
設定月日
  運用会社名  
  ファンド名  
追加・ 単位
設定額 (億円)
  販売会社  
16月30日三井住友トラストアテネ債券/SMTAMグローバル経済コア戦略ファンド2026-06147.08 三井住友信託銀行
26月29日SBI岡三ゴールドマン・サックス社債/ROBOPRO戦略ファンド2026-06《ロボっとプラス3》119.93 岡三証券;SBI証券
36月26日AM-Oneシティグループ社債/One米国株式・金戦略ファンド2026-06《おまもりOne・M3》100.57 みずほ銀行
46月26日明治安田AM明治安田フィデリティ・セミコンダクター・ファンド(年2回決算・資産成長型)36.52 今村証券;第四北越証券;
56月11日三井住友トラストSMT 先進国株式モメンタムファンド《トレンドランキング》29.17マネックス証券;楽天証券;SBI証券;松井証券
66月25日朝日ライフAMALAMCO 日本株配当好循環ファンド(年4回決算・予想分配金提示型)18.69リテラ・クレア証券;楽天証券;東洋証券;SBI証券;松井証券;SBI新生銀行
76月26日明治安田AM明治安田フィデリティ・セミコンダクター・ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)17.31第四北越証券;
86月11日三井住友トラストSMT 全世界株式モメンタムファンド《トレンドランキング》15.82マネックス証券;楽天証券;SBI証券;松井証券
96月25日朝日ライフAMALAMCO 日本株配当好循環ファンド(資産成長型)13.57リテラ・クレア証券;楽天証券;東洋証券;SBI証券;松井証券;SBI新生銀行
106月8日JAMP FM日本バリュー・ボトムアップ株式投資戦略アクティブETFETF6.00 上場投信
116月12日野村AM野村シュローダー欧州ハイ・イールド債券ファンド(為替ヘッジなし)年1回決算型5.99三菱UFJモルガン・スタンレー証券
126月12日野村AM野村シュローダー欧州ハイ・イールド債券ファンド(為替ヘッジなし)年4回決算型4.61三菱UFJモルガン・スタンレー証券
136月8日野村AMNEXT FUNDS 日経エンタメ・コンテンツ株指数連動型上場投信《NF・日経エンタメETF》ETF2.93 上場投信
146月12日ちばぎんAM日経平均インデックスファンド1.22千葉銀行;ちばぎん証券;
156月11日三井住友トラストSMT インド株式モメンタムファンド《トレンドランキング》1.13マネックス証券;楽天証券;松井証券
166月4日アモーヴァインデックスファンドSTOXXヨーロッパ600(欧州株式)1.00アモーヴァ・アセットマネジメント;マネックス証券;楽天証券;SBI証券;
176月23日ゴールドマン・SGS Plus日本株式(TOPIXアルファ)年2回決算コース0.96SBI証券;マネックス証券;楽天証券;
186月23日ゴールドマン・SGS Plus日本株式(TOPIXアルファ)毎月決算コース0.53マネックス証券;楽天証券;
196月11日キャピタルキャピタル・マルチセクター・インカム債券ファンドC(分配型年6回/米売円買)0.30楽天証券;SBI証券;スマートプラス;あかつき証券
196月11日キャピタルキャピタル・マルチセクター・インカム債券ファンドD(分配型年6回/為替ヘッジ無)0.30楽天証券;SBI証券;スマートプラス;あかつき証券
216月11日キャピタルキャピタル・マルチセクター・インカム債券ファンドA(成長型/米ドル売り円買い)0.15楽天証券;SBI証券;スマートプラス;あかつき証券
216月11日キャピタルキャピタル・マルチセクター・インカム債券ファンドB(成長型/為替ヘッジなし)0.15楽天証券;SBI証券;スマートプラス;あかつき証券
236月2日大和AMiFreeHOLD 日本国債2年サイクル(偶数年6月)0.10マネックス証券;楽天証券;SBI証券;
236月22日アモーヴァジャパン半導体株式ファンド(予想分配金提示型)0.10アモーヴァ・アセットマネジメント;大熊本証券;極東証券;ひろぎん証券
236月12日野村AM野村シュローダー欧州ハイ・イールド債券ファンド(為替ヘッジあり)年1回決算型0.10三菱UFJモルガン・スタンレー証券
266月18日三井住友トラストDC米国高配当&自社株買いファンド《DC還元祭》0.01三井住友信託銀行
266月22日アライアンス・Bアライアンス・バーンスタイン・世界高成長株投信(毎月決算・予想分配金提示型)《グローバル・イノベーター》0.01マネックス証券;楽天証券;松井証券;むさし証券;大和コネクト証券
266月30日三井住友DS三井住友DS・DC国内株式グロースセレクト0.01三井住友銀行
266月16日楽天投信楽天・日本株式インデックス・ファンド《楽天・日本株式》0.01楽天証券
266月12日野村AM野村シュローダー欧州ハイ・イールド債券ファンド(為替ヘッジあり)年4回決算型0.01三菱UFJモルガン・スタンレー証券
316月16日フィデリティ投信フィデリティ・日本バリューアップ・ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)0.00楽天証券;
316月16日HSBCHSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2026-06(限定追加型)《ますますグロタ2026-06》0.00ゆうちょ銀行
32本合計524.28

※ データは資産運用業協会およびMorningstar DirectⓇより作成

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針