【新規ファンド 設定額ランキング】 2026年5月:36本、設定総額は合計1275億円

トップは487億円、アクティブ型国内株式に投資する「成長戦略フォーカス・ジャパン」(三井住友DSアセットマネジメント)

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2026年5月の新規設定ファンドは前月の26本から36本に増加したが、当初設定額の合計は2100億円から1275億円に減少した。36本の内訳では、株式投信追加型が23本、ETFが12本、株式投信単位型が1本設定された。

決算回数でみると年1回決算型が16本と過半を占めるが、年2回決算型が8本、年4回決算型が6本、そして毎月決算型が6本となっている。投資信託販売金融機関の窓口では、ふたたび毎月決算型ファンドの人気が若い資産形成層にまで広がりつつあると聞くが、新規ファンドでも、複数回決算型のファンドが復活する潮流が顕在化している。

毎月決算型では、設定額35億円で7位となった株式・セクター型の「フィデリティ・世界テクノロジー・厳選株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)《テック・ハンター》」(フィデリティ)は、テクノロジー株式に投資を行うアクティブファンドで、テーマ型に近いもの。同じファンドの「(資産成長型)」は138億円を集めて4位になっている。販売は大和証券。

6本もの毎月決算型ファンドが新規設定されたことも注目に値するが、それらのファンドの投資対象資産にも変化が表れている。従来、毎月決算型ファンドは債券(利払い)、REIT(家賃)、高配当株(配当金)などの定期的なインカム収益を伴う資産に投資をすることが一般的であった(通貨選択型が流行した際は、それら資産に特定通貨による運用を乗せるものも流行した)。

5月設定の新規ファンドでは、株式に投資するもの、さらに地域やセクターを絞った株式投資のファンドや、そこにカバードコールによる運用を乗せたものも登場している。利払いや配当金を生まないコモディティ(金/Gold)を投資対象とする毎月決算型もある。

たとえば、12位の「楽天・米国大型株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)《楽天・JEPI》」(楽天投信/12億円)は米国株式、15位の「フィデリティ・クリプト・デジタル決済関連株ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)《クリプト・フロンティア》」(フィデリティ/4億円)はデジタル通貨関連株式に投資するテーマ型ファンドであり、いずれも投資対象は株式である。18位「JPモルガン・フレキシブル・インカム・ファンド(毎月決算型)/JFLI《JPモルガン・JFLI》」(JPモルガンAM/2億円)はTAA型のアロケーションファンドだ。

26位「グローバルX チャイナテック・カバード・コール ETF」(グローバルX/0.8億円)は香港上場株式に投資しつつハンセン TECH指数のコールオプション売却を組み合わせるもので、4月のNASDAQ100に続きカバードコールを活用する複雑な運用形態のETFである。ボラティリティの高さを逆手に取った運用戦略と言えるかもしれない。ETFなので、かつての通貨選択型のように「分配金額の高さ」を標ぼうして、投資内容を理解できない顧客にまで営業されることはないと思うが、投資家は中身をよく理解して投資するべきである。34位「三菱UFJ ゴールドファンド<毎月決算型>予想分配金提示型《純金世界》」(三菱UFJアセット/0.05億円)は金価格連動型ファンドである。

ETF設定が増加、投資対象の多様化に貢献

5月は12本のETFが設定され、市場の多様化を象徴するようなラインアップであった。ブラックロックは、「iシェアーズ シルバー ETF《銀のETF》」「iシェアーズ プラチナ ETF《プラチナのETF》」、そして4本の日本国債ETFとして「iシェアーズ 日本国債0-1年/1-3年/3-7年/20年超 ETF」を上場した。グローバルXは先に挙げたカバードコールETFのほか、「グローバルX シルバー ETF/同(為替ヘッジあり)」「グローバルX 銀ビジネス ETF」「グローバルX 銅ビジネス ETF」の計5本を設定した。大和アセットは高配当日本株ETF「iFreeETF ブルームバーグ日本株(除く金融)高配当50指数」を設定した。

コモディティや鉱業関連株式を投資対象とするものが半数、香港株と日本株ETFが各1本、そして日本国債のラインアップを揃えた4本である。一般的とされる広範な市場指数とは趣を異にする顔ぶれであるが、ETF市場の多様化という観点からは、貢献するものとなるだろう。

設定額トップ3の顔ぶれ

5月は国内株式・大型ブレンド型の「成長戦略フォーカス・ジャパン」(三井住友DSアセットマネジメント)が、SMBC日興証券の販売で487億円を集めてトップとなった。「日本政府等の成長戦略・産業政策を踏まえ、持続的な成長が期待される企業に投資を行う」日本株ファンドである。好調な株式市場を背景に、政策を切り口とする投資が注目される潮流を象徴する運用方針である。

続いて「One/T.Rowe インフレガード&オポチュニティ・モデレートコース標準《IGO》」(アセットマネジメントOne)が、みずほ銀行が147億円を集めて2位となった。このほか「ガードコース」「オポチュニティコース」の3本のリスク水準が異なるファンドから成るシリーズで、シリーズ合計で244億円でスタートした。日本と世界の株式、債券のほか「インフレ関連資産」という枠組みで天然資源株、金属・鉱業株、金関連株、REIT等不動産関連株、長期・短期の米国物価連動債を保有する。銀行が販売する投信らしく「長期的に我が国のインフレ率を上回る資産の成長」を投資目的に掲げている。各コースの資産配分は、日本のインフレ局面を分析して決定する方針である。

3位は米国株式のインデックスファンド「SBI NASDAQ100インデックス・ファンド《SBI NASDAQ100》」(SBIアセット)が、SBI証券による販売で140億円を集めた。税込みの信託報酬率0.1958%は業界最低水準で、一部のETFよりも低く設定されている。

運用コストの低下は投資家にとってありがたいことであるが、個別ファンド単位で合理的な採算がとれる水準であることがきわめて重要である。現在はまだ散見される、不採算なファンドの経費を割高なコストの他のファンドの収益で相殺するといった運用会社内の構造は、投資信託が掲げる「投資家間の公平性」に逆行するものだからだ。◇

<2026年5月の新規ファンド、設定額ランキング>

順位
設定月日
  運用会社名  
  ファンド名  
追加・ 単位
設定額 (億円)
  販売会社  
15月29日三井住友DS成長戦略フォーカス・ジャパン487.29 SMBC日興証券
25月26日AM-OneOne/T.Rowe インフレガード&オポチュニティ・モデレートコース標準《IGO》147.63 みずほ銀行
35月21日SBI AMSBI NASDAQ100インデックス・ファンド《SBI NASDAQ100》139.85 SBI証券
45月26日フィデリティ投信フィデリティ・世界テクノロジー・厳選株式ファンド(資産成長型) 《テック・ハンター》138.08 大和証券
55月29日AM-OneOne成長企業ジャパンエールファンド105.36 東海東京証券
65月26日AM-OneOne/T.Rowe インフレガード&オポチュニティ・オポチュニティコース積極《IGO》77.75 みずほ銀行
75月26日フィデリティ投信フィデリティ・世界テクノロジー・厳選株式ファンド (毎月決算・予想分配金提示型)《テック・ハンター》35.63 大和証券
85月18日大和AM円建てニッポン社債ファンド2026-05(限定追加型)《円起物2026-05》33.06 もみじ銀行;山口銀行;関西みらい銀行;北九州銀行;三十三銀行
95月1日ファンドNfundnoteダルトンNAVFセレクトファンド《匠のファンド だるとん》19.36 fundnote
105月26日AM-OneOne/T.Rowe インフレガード&オポチュニティ・ファンドガードコース安定《IGO》18.78 みずほ銀行
115月29日りそなAM高利回り円建社債/成長戦略プラス2026-05《デュアルキューブ2605》18.22 関西みらい銀行
125月11日楽天投信楽天・米国大型株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)《楽天・JEPI》11.93 楽天証券
135月8日JAMP FMJIA日本株バリューファンド《匠の目利き》8.99 JIA証券
145月27日フィデリティ投信フィデリティ・クリプト・デジタル決済関連株ファンド (資産成長型)《クリプト・フロンティア》5.89 マネックス証券;楽天証券;
155月27日フィデリティ投信フィデリティ・クリプト・デジタル決済関連株ファンド (毎月決算・予想分配金提示型)《クリプト・フロンティア》4.25 マネックス証券;楽天証券;
165月18日ブラックロックiシェアーズ シルバー ETF《銀のETF》ETF3.00 上場投信
165月18日ブラックロックiシェアーズ プラチナ ETF《プラチナのETF》ETF3.00 上場投信
185月11日JPモルガンJPモルガン・フレキシブル・インカム・ファンド(毎月決算型)/JFLI 《JPモルガン・JFLI》2.42 楽天証券;
195月25日ブラックロックiシェアーズ 日本国債1-3年 ETFETF2.00 上場投信
195月25日ブラックロックiシェアーズ 日本国債3-7年 ETFETF2.00 上場投信
195月25日ブラックロックiシェアーズ 日本国債20年超 ETFETF2.00 上場投信
225月1日大和AMiFreeETF ブルームバーグ日本株(除く金融)高配当50指数ETF1.98 上場投信
225月25日ブラックロックiシェアーズ 日本国債0-1年 ETFETF1.98 上場投信
245月26日グローバルXグローバルX チャイナテック・カバード・コール ETFETF0.80 上場投信
245月26日グローバルXグローバルX シルバー ETFETF0.80 上場投信
245月26日グローバルXグローバルX シルバー ETF(為替ヘッジあり)ETF0.80 上場投信
275月26日グローバルXグローバルX 銀ビジネス ETFETF0.70 上場投信
275月26日グローバルXグローバルX 銅ビジネス ETFETF0.70 上場投信
295月27日SBI AMSBI地方創生・日本高配当株式ファンド(成長型) 《はばたくTSUBASA(成長型)》0.35 千葉銀行
295月27日SBI AMSBI地方創生・日本高配当株式ファンド(年4回決算型) 《はばたくTSUBASA(分配重視型)》0.35 千葉銀行
315月12日アライアンス・Bアライアンス・バーンスタイン・日本株エンゲージメント投信《伴奏者》0.30 スマートプラス
325月26日アモーヴァグローバル高配当株式ファンド(1年決算型)0.10 アモーヴァ・アセットマネジメント;ひろぎん証券
335月15日三菱UAM三菱UFJ ゴールドファンド<年1回決算型>《純金世界》0.05 マネックス証券;楽天証券;SBI証券;
335月15日三菱UAM三菱UFJ ゴールドファンド<毎月決算型>予想分配金提示型《純金世界》0.05 マネックス証券;楽天証券;
355月15日りそなAMラップ型ファンドプレミアム(安定型プラス) 《プレミアムバランス(安定型プラス)》0.01 りそな銀行;埼玉りそな銀行
355月15日りそなAMラップ型ファンドプレミアム(安定成長型プラス) 《プレミアムバランス(安定成長型プラス)》0.01 りそな銀行;埼玉りそな銀行
36本合計1,275.47

※ データは資産運用業協会およびMorningstar DirectⓇより作成

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針