【新規ファンド 設定額ランキング】 2026年3月:前月比5倍超の1729億円

トップは957億円、素材テーマの「マテリアル・イノベーション戦略ファンド(為替ヘッジなし)」(三井住友DSアセット)

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3月新規設定額は5倍超、ETFが18本に激増

2026年3月の新規設定ファンドは前月の24本から大幅に増加して45本、当初設定額の合計も5倍以上の1729億円となった。45本の内訳をみると、追加型24本、ETF18本、単位型3本、とETFの設定数増加が際立った。

決算回数多様化の傾向も続いており、年1回決算が22本と最多であったものの、年2回決算が15本、年4回決算が6本、毎月決算が2本となっている。決算が年4回以上あるファンド8本のうち何と7本が株式型に属しており(残る1本は日本REIT型)、ファンド名から高配当株への投資と分かるものはそのうち2本のみであった。多決算型ファンド復活の潮流は、NISA成長投資枠や根強いシニアのインカム志向を反映しているのかもしれない。インカムか成長か、投資家が自身のニーズを明確に意識して使い分けるよう促していく必要があるだろう。

インデックスファンドは45本中18本、すべてがETFであった。農林中金全共連アセットが10本のETFを設定したほか、大和アセットも3本と、2社が複数のETFを設定し、他5社が各1本ETF上場を果たしている。

MSCIーKOKUSAI指数、S&P500指数、NASDAQ100指数といったオーソドックスな指数のETFもあったが、一方でTOPIX高配当株グロース指数、TOPIX好配当40株指数、日経平均高配当株50指数、日経銀行株トップ10指数、FTSE日本株高配当キャッシュフロー50指数、JPXスタートアップ急成長100指数など、国内株式では戦略型指数を採用するETFが並んだ。海外株式でも、NYSE FactSet U.S. AI Infrastructure 指数、NYSE FANG+PLUSGOLD指数などの戦略型指数に連動するものや、ブルームバーグ米ドルブル(日本円)指数、ブルームバーグ米ドルベア(日本円)指数、といった為替変動率を捉える指数などもあった。

こうした動きは、インデックス運用においても投資戦略を加味したり、銘柄数を絞ったりと恣意的な運用プロセスを反映する指数が台頭し、アクティブ運用との境に接近している姿を示している。

投資テーマ追及型ファンドと複雑化するアロケーション型ファンド

3月の新ファンドの顔ぶれを投資対象カテゴリ別に見ると、牽引役は変わらず外国株式型で21本、設定額合計は1124億円と全体の65%を占めている。次いでアロケーション型が5本で246億円、外国債券型4本で174億円、国内株式型が7本で99億円であった。

外国株式型は、ETFで紹介した戦略型指数以外にも、アクティブファンドで素材(マテリアル)やエネルギー・電力、コンテンツ関連株など特定の成長ストーリーを織り込んだテーマ型のファンドや、テクノロジー企業の中でも超大型の7社に集中投資を行うもの、インドの中小型株まで含むアクティブファンドなど、特色ある運用方針のものも多かった。

また、外資系運用会社がすでに海外で実績を持っている投資戦略を用いた「投資先企業を見極める力」をアピールしたアクティブファンドも複数設定されている。こうした輸入型ファンドについては、国内籍投信であれ、外国籍投信であれ、同じ運用成績が複製されるとは限らないことに注意が必要である。日本で販売する際に構造上コストが上乗せされるケースが多いことや、為替変動(やそれを抑制するためのコスト)などがその要因となるので、その点を心に留めてよく確認して欲しい。

アロケーション型は、単位型で流行している2部式(安定運用部分と積極運用部分を分ける運用)のものが2本、実質的に株式と金に100%ずつ投資をするファンドが2本あり、残る1本のみがいわゆる株式・債券・REITに分散投資を行うオーソドックスなアロケーション型ファンドである。こうしてみると「分散投資」のツールとして知られているアロケーション型のファンドも、仕組債やファンド・オブ・ファンズ、あるいはレバレッジをかける運用などを活用して、よく言えば進化、端的に言えば複雑化・難解化が進んでいることに注目している。

設定額トップ3の顔ぶれ

3月は追加型ファンドでセクター型・テクノロジー型に属する「マテリアル・イノベーション戦略株式ファンド(為替ヘッジなし)」(三井住友DSアセット)が、SMBC日興証券が956.91億円集めてトップとなった。同じシリーズで「(為替ヘッジあり)」は15億8400億円で14位だった。半導体テーマが一段落したところで、注目を集めているのが素材である。当ファンドは「素材産業の構造変化および成長から恩恵を受けることが期待される企業の株式に投資を行う」ものである。

続いて単位型ファンドの「ゴールドマン・サックス社債/ROBOPRO戦略ファンド2026-03」(SBI岡三アセット)が、岡三証券が108.22億円集めて2位となった。LUMINIS II Ltd.が発行する円建て「ゴールドマン・サックス社債」に投資を行い、安定運用部分と、積極運用部分によって構成されている。安定運用部分で発生する固定クーポンからのインカムを信託報酬に充当しつつ、償還時の元本(購入時手数料上限税込み3.3%は含まれない)を上回る投資成果を目指すファンドである。積極運用部分は「ROBOPRO戦略VT5指数」に連動した実績連動収益の確保を目指す。信託報酬等一般的なコストの他に、実績連動部分について指数を複製するコストや取引コスト、戦略指数に乗じる連動率等を実現するために必要なコストなどがリターンから控除されて戦略指数のリターンが決まる。

こうしたファンドの説明からは、リスク忌避的でリターンも追及したい投資家像が推測されるが、こうした投資家は投資に対する知識や態度、心理的な自己コントロールの上級者ではない場合もある。そうした人にとって、免責条項を読み解くことは困難であろう。どんなリスクをとっており、期待リターンがどの程度なのか、そのためにどのくらいのコストを支払うのか、という点を明確にイメージしてもらうことが重要ではないだろうか。この種のファンドが単位型で散見されるが、販売時にこうした点も配慮されることが望ましいだろう。

3位はアモーヴァの「Tracers MSCIオール・カントリー・ゴールドプラス」が、ネット証券3社による販売で94.88億円を集めた。これは先行して資金を集めている「Tracers S&P500 ゴールドプラス」「Tracers NASDAQ100 ゴールドプラス」に続くもので、先物取引を活用して、株式指数と金にそれぞれ純資産の100%相当額を投資するものだ。レバレッジ投資を長期投資に結びつけて考えるというアモーヴァの主張を体現して、残高を伸ばしているシリーズである。◇

<2026年3月の新規ファンド、設定額ランキング>

順位
設定月日
  運用会社名  
  ファンド名  
追加・ 単位
設定額 (億円)
  販売会社  
13月13日三井住友DSマテリアル・イノベーション戦略株式ファンド(為替ヘッジなし)《素材革命》956.91 SMBC日興証券
23月30日SBI岡三ゴールドマン・サックス社債/ROBOPRO戦略ファンド2026-03《ロボっとプラス2》108.22 岡三証券
33月6日アモーヴァTracers MSCIオール・カントリー・ゴールドプラス94.88 マネックス証券;楽天証券;SBI証券;
43月17日ニッセイAMニッセイ/シュローダー好利回りCBファンド2603(為替ヘッジなし・限定追加型)82.03 大和証券;三菱UFJモルガン・スタンレー証券;三菱UFJ銀行;第四北越証券;岩井コスモ証券;めぶき証券;三十三銀行;
53月3日HSBCHSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2026-03(限定追加型) 《グロタ2026-03》81.47 三菱UFJ銀行;三菱UFJモルガン・スタンレー証券;
63月31日アムンディアムンディ・インド・オールキャップ割安成長株ファンド55.60 みずほ証券
73月23日AM-OneOne ETF TOPIX高配当株グロース指数ETF54.08 上場投信
83月31日AM-Oneゴールドマン・サックス社債/One米国株式戦略ファンド2026-03 《おまもりOne・M2》42.12 みずほ銀行
93月31日ニッセイAMニッセイ・円建てグローバル社債/バランスファンド2026-03 《まもるとふやす4》37.64 東海東京証券;静銀ティーエム証券;東洋証券;香川証券;
103月27日JPモルガンJPモルガン・グローバル・セレクト株式ファンド (為替ヘッジなし、年1回決算型)《ザ・モルガン・コア》27.58 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
113月23日SOMPOSOMPO円建て債券ファンド(限定追加型)2026-03《円蔵2026-03》25.52 第四北越証券;第四北越銀行;
123月18日農中全共AMNZAM 上場投信 TOPIX高配当40ETF19.68 上場投信
133月18日農中全共AMNZAM 上場投信 日経平均高配当株50ETF19.60 上場投信
143月13日三井住友DSマテリアル・イノベーション戦略株式ファンド(為替ヘッジあり)《素材革命》15.84 SMBC日興証券
153月12日SBI AMSBI エネルギー・電力株式ファンド(年4回決算型)《SBI パワー》10.69 SBI証券
163月18日農中全共AMNZAM 上場投信 東証REIT指数(2・5・8・11月決算型)ETF10.03 上場投信
173月30日三菱UAMMAXIS米国AIインフラ株上場投信ETF9.99 上場投信
183月27日JPモルガンJPモルガン・グローバル・セレクト株式ファンド (為替ヘッジなし、年4回決算型)《ザ・モルガン・コア》8.30 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
193月18日農中全共AMNZAM 上場投信 S&P500(為替ヘッジなし)ETF5.00 上場投信
193月18日農中全共AMNZAM 上場投信 NASDAQ100(為替ヘッジなし)ETF5.00 上場投信
193月18日農中全共AMNZAM 上場投信 DAX(為替ヘッジなし)ETF5.00 上場投信
193月18日農中全共AMNZAM 上場投信 先進国株式(MSCI-KOKUSAI)(為替ヘッジなし)ETF5.00 上場投信
193月18日農中全共AMNZAM 上場投信 全世界株式(MSCI ACWI)(為替ヘッジなし)ETF5.00 上場投信
193月18日農中全共AMNZAM 上場投信 米国国債7-10年(為替ヘッジなし)ETF5.00 上場投信
193月18日農中全共AMNZAM 上場投信 海外債券(FTSE WGBI除く日本)(為替ヘッジなし)ETF5.00 上場投信
263月30日SOMPOプロテクト水準毎年設定型・米国テクノロジー株式ファンド2603 (限定追加型)《国株式・おまもりプラスNEO2603》4.64 ひろぎん証券;あかつき証券;第四北越証券;静銀ティーエム証券;百五証券;
273月25日AM-Oneたわらノーロード フォーカス 米国超大型テクノロジー7《ギガテック7》4.23 楽天証券;SBI証券;マネックス証券;イオン銀行;SBI新生銀行;
283月2日野村AMNEXT FUNDS FTSE日本株高配当キャッシュフロー50指数 連動型上場投信ETF3.06 上場投信
293月31日三井住友DS先進国アセットアロケーションファンド2.89 SMBC日興証券
303月9日大和AMiFreeETF FANG+ゴールドETF2.50 上場投信
313月2日大和AMiFreeETF 米ドル・ブル(1倍)ETF2.00 上場投信
313月2日大和AMiFreeETF 米ドル・ベア(1倍)ETF2.00 上場投信
313月31日三井住友トラストエキサイティング・コンテンツ関連 世界株式戦略ファンド《Fan&Fun》2.00 -
343月27日イーストスプリングイーストスプリング・グローバル・ダイナミック株式ファンド(年2回決算型)1.91 マネックス証券;楽天証券;播陽証券;むさし証券;SBI証券;
353月27日JPモルガンJPモルガン・グローバル・セレクト株式ファンド (為替ヘッジあり、年1回決算型)《ザ・モルガン・コア》1.49 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
363月27日SOMPOGQGダイナミック・ハイクオリティ株式ファンド(資産成長型)1.38 広田証券;楽天証券
373月27日SOMPOGQGダイナミック・ハイクオリティ株式ファンド(予想分配金提示型)1.17 広田証券
383月17日アモーヴァ上場インデックスファンド日経銀行株トップ10ETF1.10 上場投信
393月10日シンプレクス・グローバルJPXスタートアップ急成長100ETFETF1.00 上場投信
403月27日JPモルガンJPモルガン・グローバル・セレクト株式ファンド (為替ヘッジあり、年4回決算型)《ザ・モルガン・コア》0.90 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
413月27日イーストスプリングイーストスプリング・グローバル・ダイナミック株式 (毎月決算・予想分配金提示型)0.77 マネックス証券;楽天証券;播陽証券;むさし証券;SBI証券;
423月17日楽天投信楽天・日本株3.8倍ベアIV0.61 楽天証券;マネックス証券;MUFGeスマート証券
433月27日大和AMダイワ/キャンベル・システマティックマルチ戦略(投資一任専用)0.10 大和証券
443月24日レオスひふみクロスオーバー年金0.01 -
453月25日アムンディアムンディ・ターゲット・ジャパンDC0.00 野村證券;
45本合計1,728.94

※ データは資産運用業協会およびMorningstar DirectⓇより作成

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針