混迷する経済メッセージの中で投資家は次にどこを見るべきか?

インフレが一息つき、金利が流動化する環境で、投資家はリスクを再評価している

Where Should Investors Look Next Among Economic Mixed Messages?
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クナール・カプール:皆さん、おはようございます。素敵な夏をお過ごしでしょうか。この「インベスター・ファースト」シリーズの最新エピソードにようこそ。

私自身も投資家として、また元アナリストとして、市場について語る時間ほど好きなものはありません。今日はモーニングスターの3人のパネリストとともに、2025年上半期を振り返り、さらに重要なこととして、それらが将来にどんな影響を与えるのかについて聞きたいと思います。では、本題に入りましょう。最後には私からの質問と、LinkedInに届いた視聴者の皆さんからの質問も取り上げます。

さて、パネリストに簡単な自己紹介をしてもらい、2025年後半に向けた各自が一番自信のある見通しについて語ってもらいましょう。プレストン、まずはあなたから始めましょう。

プレストン・コールドウェル:ありがとう、クナル。皆さん、本日はありがとうございます。私はプレストン・コールドウェル、モーニングスターで米国経済調査の責任者をしています。

まず、米国の経済予測の概要を説明しましょう。今後2年間のGDP成長率は緩やかに鈍化すると予想しており、2025年と26年の2年間は23~24年の2年間よりも1.5パーセントポイントほど減速する見込みです。原因の一部は関税の影響ですが、実は4月の関税引き上げの問題が起きる以前からGDP成長率の鈍化を予想していました。

これは主に、家計貯蓄率がパンデミック前の水準を下回り、消費者が過剰に負担を強いられているように見えたからです。そのため、私たちは消費が後退し始めると予想していましたが、ここ数ヵ月のデータでは実際にそうした兆候が表れています。

さらにその先、2027年から29年にかけては、関税の影響 が薄れ、金融政策がやや緩和されるにつれて、GDP成長率 は再び加速すると予想します。インフレ率については、FRBが目標とする2%まであと一歩のところまで来ていますが、関税は最終的に物価上昇を招き、インフレへの影響は2026年にピークを迎えると考えています。しかし、GDP成長率が減速すると予想されるため、経済には若干の歪みが生じ、最終的にはインフレ率が低下すると思います。

カプール:フィリップ、あなたはどう思いますか?

フィリップ・ストレール:はい。皆さん、こんにちは。フィリップ・ストレールです。モーニングスター・ウェルスの米州担当最高投資責任者を務めており、米州の投資チームを率いています。

私の立場から今後の見通しについて言えば、市場コンセンサスの外側にこそ最高の機会があると考えています。特に一部のテクノロジー株式では若干回復の兆しが見られ、米国株式は史上最高値で取引されています。ですから、私の見解では、重要な投資機会のひとつは依然として「外」にあると見思います。

米国の相対的なパフォーマンスと、過去10年間に米国で見られたアウトパフォームの要因を簡単に示すと、過去10年間の米国のアウトパフォームの原動力が何であったかがわかるでしょう。それは、一時的な要因によるもの、つまり、バリュエーションの変化です。スライドにあるように、過去10年間の米国株式のアウトパフォームの3.8%はバリュエーションの変化によるものです。このようなトレンド由来の状況の一部は、今後10年間で逆転すると考えています。

カプール:なるほど。トビー、あなたはどう思いますか?

トビー・モーシェン:みなさん、こんにちは。トビー・モーシェンです。私はモーニングスターの信用格付会社、モーニングスター・DBRSのプライベート・コーポレート・クレジット・グループのマネージング・ディレクターです。私のグループは、いわゆるミドル・マーケット企業のデフォルトリスクを分析しています。ミドル・マーケット企業とは、プライベート・クレジット市場で借り入れを行う、ほぼすべてが未公開株式に所有されている中小規模の企業を指し、大きな成長を見せている分野です。

私の予想、まあ確信でもありますが、2024年を超えて、実際にはCOVIDの影響から脱却するにしたがって、ミドル・マーケット企業のデフォルトは緩やかに増加するということです。これまでデフォルト率が極めて低く抑えられていたのは、景気刺激策や金融緩和、そしてそれに伴う米国経済の力強い成長によるものです。債務負担の大きいミドル・マーケット企業でさえ、このような環境下でデフォルトに陥るのは稀なことでした。

しかし、状況は確かに変わりました。2024年を通して、そして2025今年に入ってからも、債務を完全に履行できない企業が徐々に増加しています。この傾向は今後も続くと予想しています。とはいえ、依然として緩やかなもので、システミックなショックというよりは、企業単位での問題です。現在のところ、マーケット全体におよぶ現象は見られませんし、今後もそのような事態は起きないと思います。

カプール:3人のコメントには(マーケットに対する)慎重な姿勢が感じられます。それは今日の市場で見受けられる、人々が少しリスクを押し上げているような雰囲気とは幾分異なるトーンに見えます。

ところでフィリップ、我々モーニングスターは、個別の企業ごとに適正価値推計値算出し、それをロールアップして市場を総合的に見ています。そこで、データを積み上げて総括した米国全体の適正価値と、米国が国際市場より魅力的でないという先ほどのあなたのコメントと関連付けると、今日の適正価値というレンズを通して、投資家は米国市場をどのように捉えれば良いでしょうか?

ストレール:そうですね。そうしたボトムアップ分析をすると、今年半ばの時点で、米国市場は本質的価値に対して2%のプレミアムで取引されていました。つまり、ボトムアップで見た米国市場はやや割高に見えます。

4月の暴落のピーク時と比較すると、あの時米国株式市場は本質的価値に対して約17%のディスカウントで取引されていました。ある意味で、私たちはひと回りしたということです。年初はほぼ適正価値で始まり、その後市場が下落してやや弱気相場になり、20%下落しました。そして今ある程度回復して、ボトムアップ・ベースではやや割高に見えるようになりました。

カプール:なるほど、よくわかりました。先ほどプレストンは、消費者心理が現在の状況よりも弱くなっていく可能性があると指摘しました。成長が鈍化する可能性があるということですが、現在の市場で見られる状況と比べてどう考えますか?こうした懸念は周知の事実ではありますが、市場はそれを軽視しているように見えます。あなたの考えでは、何が違うのですか?

コールドウェル:GDPの緩やかな減速が、必ずしも株式場で大きく売られる動きにつながるとは限りません。歴史的には、経済がそれほど弱まらない環境でも大きな売却の波が起きることもあり、たとえば2001年のように非常に大型の暴落もありました。しかし、その逆もしかりで、不況でも市場が教科書通りに売られなかったケースもありました。ですから、私たちはGDP成長率の減速を予測していますが、典型的な不況時に見られるようなリスクプレミアムの上昇を必ずしも見込んではいません。

リスクプレミアムの急上昇こそがマーケットを売りに駆り立てるもので、バリュエーションの観点からは、キャッシュフローが一時的に減速しただけで、株式が必ずしも売られるとは思わないからです。ですから、そこに矛盾があるとは思いませんが、先ほどの話は少し過小評価されているように思います。消費者があまりにも長い間高い支出を続けてきたため、多くの人がそれを当然のこととして受け止めているからです。しかし、ついに限界点に達しつつあるのではないかと考えます。

カプール:つまり、(消費の低下などが)過小評価されており、将来のリターンは、現在人々が想定しているよりも大きな影響を受ける可能性があるということですね。

コールドウェル:その可能性はあります。しかし、株価への影響よりも、金融政策への期待の方が重要だと思います。

カプール:わかりました。トビー、あなたは徐々に起きるかもしれない変化が潜んでいると話していましたね。では、あなたが特に注目している経済指標や市場指標は何ですか?また、過大評価されていると思う指標は何ですか?

モーシェン:まずは基本的なことですが、企業におけるレバレッジについてお話したいと思います。レバレッジとは、企業の負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)と比較したものです。要するに、負債を返済するための現金を生み出す能力を測るものです。当然のことながら、負債が多いほど、何か事体が悪化した際に負債の返済が難しくなります。しかし、人々は(債務不履行には)常に何らかの明確な原因があると思っています。

一方、私がやや過大評価されていると思うのは、成長です。我々が分析を依頼された企業には大きな成長が見られますが、通常その成長は負債の増加も伴います。つまり、負債を作って買収を行い成長を買うだけでは、実際には負債の返済能力は向上しないのです。

ですから、以上の2点が重要だと思います。より重要なのはレバレッジです。そして、時に過大評価されがちなのは成長です。

カプール:なるほど、クレジット・アナリストとしてはもっともな回答ですが、確かに大切な話です。

フィリップ、あなたはポートフォリオを構築する際に、あらゆる情報を取り入れながら、きめ細かなレベルで検討しますよね。では、現在ポートフォリオを構築し、将来に向けて何が最適かを考えている皆さんにとって、これからポートフォリオの再構築を行うときに、最も考慮すべきことは何でしょうか?

ストレール:先ほど、市場のコンセンサスから外れたところに最大のチャンスがあるということを少しお話ししましたが、株式で言えば国際株式の2つを挙げたいと思います。

スライド(※ビデオ11:32参照)は、新興国市場、先進国市場、米国株式市場の米ドル建てリターンの今後10年間の見通しを示したものです。今後10年間、非米国株式、特に新興国市場のアウトパフォームが続くと予想しています。私たちが注目しているのはこの分野です。米国株式は驚異的な成長を遂げました。先ほど、2024年末までの10年間のパフォーマンスが年率13.6%だったと言いましたが、これは米国の100年間の平均をはるかに上回るすごい数字を目にしているわけです。ですから、米国以外の株式にも投資機会があると考えています。

そして2つ目のチャンスは、時価総額が小さい企業群にあります。先ほどコメントしたのと同じ分析をまとめると、大型株式は本質的価値に対して約2%割高で取引されている状態です。一方時価総額が小さい企業群では、スタイルボックスの構成要素を見ると、小型株式は実際には割安で取引されており、この分析では大型株式をアウトパフォームする可能性が高いことがわかります。

カプール:わかりました。さてここで、視聴者の一人であるテレサさんからの質問ですが、国際株が国内株を凌駕し、将来的に有望な選択肢になる可能性があるという点については、既にあなたが部分的に答えてくれたようです。

しかし、彼女の質問の後半も的を射たものです。それは、「これが短期的なトレンドではないという考えを、どのようにして確信できるのですか?」ということです。ここ数年、国際株対米国株、小型株対大型株という議論はここ数年続いています。そのため、一部の投資家はこのトレンドが逆転することに懐疑的で、それがこの質問の理由かもしれません。たしかに私も興味がありますし、テレサさんも興味があると思いますが、ポートフォリオを構築する際に、これが短期的なトレンドでないことをどのように確信するのでしょうか?

ストレール:そうですね、国際的な観点では、財政刺激策に前向きな動きが出始めています。特にドイツでは、ドイツや欧州の成長を促進するために財政支出を増やそうという姿勢が強まっています。そしてもうひとつは、今年前半に見られたドル安です。我々の長期的な通貨モデルによると、今後数年間はドル安が続く可能性があると考えています。その一因は、米国以外の投資家がポートフォリオにおける米ドルのエクスポージャーをどの程度にするかを再考し始めているという、新たな要因が生まれていることです。

カプール:なるほど、そうですね。トビー、我々は株式の話に時間を割いていますが、クレジット市場に目を向けると、投資家が現在の市場やボラティリティを乗り切るために、また、特に先ほどあなたが指摘した将来的な信用収縮の可能性を考える上で、格付けはどのような役割を果たすことができるでしょうか?

モーシェン:はい、まずは私のグループについてお答えして、それからもう少し幅広く考えてみましょう。私のグループは主に、依頼を受けた企業にプライベート信用格付けを提供しています。ですから、残念ながら一般には公開されていません。しかし、なぜミドル・マーケット企業やミドル・マーケット・ローンの信用リスクの分析や格付けを依頼されるのでしょうか?主な理由は2つあります。

カプール:そしてトビー、あなたの言う“ミドル・マーケット “とは、たぶん”ミドル・マーケット “を皆に説明した方が......

モーシェン:ああ、つまり、主にプライベート・エクイティとして出資を受けている中小企業のことで、ほぼすべてが比較的大きな負債を抱えています。小型と一口に言っても、EBITDAや営業利益でいえば1億ドル以下、通常ははもっと小規模です。例外もありますが、規模や市場区分はそのようなものです。これらの企業は一般的に規模が小さすぎ、レバレッジ比率が高すぎるため、公開市場で借り入れを行うにはリスクが高すぎるのです。また、広く大手銀行からのローンで資金を調達できるとは限りません。そのため、大型の直接融資を頼って、民間のクレジット市場から資金を調達することになります。

これが私たちが今話題にしている企業群です。デフォルト・リスクという点では、私たちの言い方では、ほとんどすべてがシングルBかトリプルCの格付に分類されます。つまり、投資適格には程遠いということで、これらのうち、かなりの数の企業がデフォルトに陥ることが予想されます。近年、歴史的に見るとデフォルトの発生率は低かったものの、現在はその状況が変化しつつあると見ています。

なぜ人々が私たちにレーティングを依頼するのかといえば、それは本質的に、誰かが投資しているローンに対して、我々が外部の独立した見解を示すからです。例えば、大型の機関投資家であれば、「この資産運用会社を通じてプライベート・クレジット市場に資金を投入するのは構わないが、資産運用会社だけに頼りたくない」と考えるかもしれません。それぞれのローンについて、外部の独立した意見が必要です。その意見を投資ガイドラインやリスク管理ガイドラインに盛り込むことができます。それが私たちが付加価値を提供する理由のひとつです。

もうひとつは規制上の価値です。私たちは米国、カナダ、欧州、その他さまざまな法域で認可を受けた格付機関です。例えば米国の保険規制当局が米国の保険会社の自己資本を審査する際には、我々のレーティングが考慮されます。そのため、米国の保険会社は当社のレーティングを利用して、規制当局が求める自己資本要件を管理することができます。

カプール:その通りです。さて、フィリップ、ここで米国株式について質問が来ています。トビーたちが債券についてコメントしたことを踏まえて、米国株式と比較して米国債券の魅力についてどう考えていますか?また、ポートフォリオを構築する際、資産クラス間のトレードオフとはどのようなものでしょうか?

ストレール:そうですね。私たちの観点では、株式と債券の配分についてはほぼ中立です。ムーディーズの格付け引き下げなど、デフォルト・リスクの高まりに関する見出しもメディアで目にしますが、依然として債券に価値があると考える理由のひとつは、利回りが数年前よりも高くなっていることです。現在の米国10年債の実質利回りは2%前後です。2022年に債券市場が暴落したときの実質利回りを考えてみると、当時はマイナス1%でした。ですから、債券には依然として分散投資の対象となる余地があると思います。

クレジット市場については慎重な姿勢です。トビーは、彼が担当している分野でデフォルトが増加していることについて言及しました。社債等の市場では投資適格債もハイ・イールド債も特に魅力的な水準にあるとは考えていません。そのため、これらの分野をアンダーウェイトとし、ポートフォリオでは米国債を重視しています。

カプール:なるほど、分かりました。プレストン、いくつか質問が来ています。10年物国債は2025年末にはどのくらいの水準だと思いますか?また、米国地方債市場と、それがなぜ今年は、より広範な総合指数を下回っているのか教えてください?地方債のイールドカーブは、国債のイールドカーブよりもはるかに急になっているようです。その要因は何でしょうか?

コールドウェル:金利に関しては、我々がフォーカスしている通り、もう少し長期的な観点からお話ししたいと思います。つまり、私たちの金利見通しでは、金融政策の緩和によって、長期金利においてもかなりの低下を予想しています。質問は10年債について触れています。もちろん、市場はある程度の利下げを織り込んでいますが、私たちはさらに、今後2年半で短期金利であるFFレートが200ベーシスポイント引き下げられると予想しています。そうなれば、2027年末のFFレートの目標レンジは2.25%から2.50%となります。そして、10年物国債利回りは今年の平均4.3%から2028年には平均3.25%まで低下すると考えています。

これは長期的な見通しです。そして短期的には、今後の動向については多くの不確実性があります。私は、金利低下の前に上昇する可能性もあると考えています。しかし、金利を下げざるを得ないと考える理由のひとつは、住宅市場の状況です。住宅を購入する人たちは、住宅購入にまつわる物語についに我慢の限界を迎えていると思います。極めて高い金利の住宅ローンを組んで住宅を購入し続け、数年後に借り換えるのための行列に並ぶという話です。高金利が数年続き、借り換えの話は信用を失い始めています。ですから、ある時点で金利は実際に低下しなければならないと考えています。

カプール:わかりました。では、最後の質問です。皆さんは現在、時間が経過するにつれて効果を表すと考える、逆張り投資への見解を何かお持ちですか?

モーシェン:私から始めてもいいですか?

カプール:ええ、お願いします。

モーシェン:これが逆張りの話に当たるかどうか分かりませんが、クナルが尋ねなかったけれど、多くの人たちから受ける質問があります。「プライベート・クレジット市場はバブルなのか?」「市場は弾けるのか?」そして「他の市場にも様々な影響を及ぼすのか?」という質問です。

私がいつも言う注意喚起の通り、私は企業のファンダメンタルズに焦点を当てて見ています。皆さんは色々予感を抱いているかもしれませんが、私が見ている限りでは、何らかの崖っぷちに立たされるようなことはないと考えています。この市場の規模も、私のグループがカバーしているプライベート・クレジット市場の低リスク側、あるいは高リスク側で借り入れをする企業の数も、大幅な成長を遂げてきました。

取引や引受状況を見る限り、依然として健全であると感じます。私たちがレーティングする新規案件は、シングルB格の範囲内で比較的安定しています。これらの企業は、現在の金利水準に合わせて慎重に引き受けられています。

また、インセンティブの調整も進んでいます。プライベート・エクイティのオーナーは、企業が債務不履行に陥れば経営権を失います。法的文書の縛りが厳しいからです。一方、プライベート・エクイティの資金の出し手側は、何か問題が起きれば、一晩のうちにその会社を買収する権利があり、実際にそうしています。つまり、プライベート・エクイティのオーナーには、そのような事態を招かないようにする非常に強いインセンティブがあるのです。

プライベート・クレジットの資金の出し手もデフォルトを望みません。なぜなら、彼らに資金を託している最終投資家に対して、投資が債務不履行になったと報告したくないからです。そして、ひとたび実際に不具合が生じると、企業ではたいてい経営陣が交代します。そのため、企業の経営陣には何とかして債務を支払うための現金を用意しようという強い動機があります。繰り返しになりますが、確かに悪い事態が起こりますが、それは個別の企業の問題です。このようなプレーヤー間の利害の一致が保たれている限り、私は慎重な姿勢である程度の悪化は予想していますが、バブルであるとは考えていません。

カプール:おお、それはよかった。プレストンはどうですか?

コールドウェル:金利低下についての私の見解を改めて述べたいと思います。最近はあまり耳にしなくなりましたが、トビーが話していたことに戻ると、バブルが弾けるとは考えていないとはいえ、彼がデフォルトを予想しており、金融引き締めのピークから2年以上が経った今になって、まさに頂点に達しようとしているデフォルト率について説明しているという事実は、高い金利の影響の多くがいかに遅れて現れるかを象徴していると思います。

高金利が数年続いたからといって、その影響が経済に完全に織り込まれているわけではありません。もし金利が高止まりして、金利や利率がパンデミック前の水準よりも大幅に高くなった場合、さらに悪影響が出ると考えています。そしてそれは、金利は低下せざるを得ないという私の主張をさらに裏付けるものです。

カプール:素晴らしい。フィリップ、最後に一言。

ストレール:そうですね、AI関連分野への投資については注意が必要だと思います。2点ほど指摘させてください。ひとつは、結果のばらつきの大きさと不確実性です。例えば、モーニングスターのアナリストは、株式レーティングは3つ星でも、NvidiaNVDAに「高い」不確実性レーティングを付与しています。これは新しいテクノロジーが企業やサプライチェーンにどのような影響を与えるのか、誰が勝者になるのか、まだ正確には見きわめがつかないからです。

AI関連の投資について2つ目に申し上げたいのは、大手ハイテク企業――GoogleGOOGL、MetaMETA、Amazonアマゾン等――の多くが、この分野に莫大な投資を行っているということです。その結果、これらの企業の資本集約度は、ほんの数年前に比べて大幅に高まっています。これは注目すべき領域であり、おそらく少し逆張り的な見方かもしれません。

カプール:わかりました。参加してくれてありがとう。これは素晴らしい会話でしたし、状況を確認する良い機会になりました。ご視聴くださった皆様もご存じの通り、市場は常に変化しており、留まることはありません。

しかし、私たちが言いたいのは、そして今日のパネリストたちの話から皆さんも感じ取っていただけたと思いますが、自分の目標や時間軸、ニュースへの反応など、自分でコントロールできることに集中し続けることが大切です。

フィリップが指摘したように、4月には適正価値推計値の指標は17%のディスカウントを示していたのに、今日は2%のプレミアムを示しているというのは、市場がどのように揺れ動くか、そしてなぜ長期的な結果に焦点をあわせて進む必要があるのか、ということを示唆しています。

本日はご参加いただきどうもありがとうございました。パネリストの皆さん、お集まりいただきありがとうございました。それでは、またお会いできるのを楽しみにしています。ではまた。ありがとうございました。◇

※ 本稿はモーニングスターの「Where Should Investors Look Next Among Economic Mixed Messages?」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針