株価上昇後もなお割安な水準にある「ワイド」モート株式

世界的なブランドを持ち、徹底的に事業の効率化を推進。新興国での、さらなる成長可能性も。

「景気非連動型消費財・サービス」をテーマにしたコラージュイラストで、

モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)は好調を維持しており、2026年に入ってから、同社の株価はこれまでに16%以上上昇している。コストインフレが続く環境で個人消費が逼迫しているにもかかわらず、四半期決算も堅調だ。

モーニングスターは同社にエコノミック・モート・レーティング「広い(Wide)」を付与している。モンデリーズは自社ブランドへの投資を継続するとともに、アップグレードされたERPシステム、グローバルサプライチェーンの強化、消費者向けではないメディア支出を削減することで、効率性の追求に注力している。

2026年の堅調なパフォーマンスにもかかわらず、株価は依然として、モーニングスターの適正価値推計値77ドルを20%程度下回って取引されている。モンデリーズは、モーニングスターの米国市場チーフストラテジスト であるデイブ・セケラが、今週配信したポッドキャスト『 The Morning Filter』の中で「 8月に売るべき3社、買うべき3社 」として取り上げた注目企業 の一つである。

以下はモンデリーズ(青)とモーニングスター・米国株式指数(赤)の年初来の推移である。

モンデリーズは、売上高と収益性のバランスの取れた成長を推進することに引き続き注力している。製品の流通拡大、地域ブランドやグローバルブランドへの投資、現地リーダーの権限強化や、イノベーションの加速などの取り組みを進めてきた。国内外の消費者トレンドの変化に対応して新製品への投資や、販売チャネルの拡大を行うことで、長期的な売上高成長率の目標を3%~5%としている。また、ニッチなブランドを慎重に買収することで、取り扱いカテゴリや事業展開地域を拡大しており、今後も買収機会を積極的に模索すると予想される。

<エコノミック・モート・レーティング>

「オレオ」「リッツ」など世界的なブランドを持つスナック市場大手であるモンデリーズは、その強固な小売業者との関係を評価され、モーニングスター・エコノミック・モート・レーティングにおいて「広い(wide)」を獲得している。この競争力は、著名なブランドポートフォリオを支えるために同社が投じる莫大な経営資源に裏打ちされており、複数のブランドが年間10億ドル以上の売上を上げている。こうしたブランドという無形資産の強みを基盤として、モンデリーズは広範なグローバルネットワークを通じて規模の経済を確立し、本国である米国以外の市場が売上高の約70%を占めている。

モンデリーズの「エコノミック・モート・レーティング」の詳細は、こちらでご覧いただけます。

<モンデリーズ株のフェアバリューは?>

モーニングスターはモンデリーズ株式の適正価値推計値を1株あたり77ドルと試算している。長期予測では、売上高のオーガニック成長率を年率約4%と見込んでおり、2020~24会計年度の平均と比較して、営業利益率は100ベーシスポイント以上改善し、予測期間末では約18%に達すると予想している。この評価額は、2027年度の企業価値/調整後EBITDA倍率が約16倍となる水準を織り込んでいる。また、今後10年間の研究開発およびマーケティング費は、平均で売上高の約7%(年額約30億ドル)で推移すると予測している。

モンデリーズの「適正価値推計値」の詳細は、こちらでご覧いただけます。

<リスクと不確実性>

カカオ、砂糖、乳製品、穀物等の原材料費は変動しやすく、時にモンデリーズの収益を圧迫する可能性がある。消費者が「クラブストア」や「ドルストア」といった廉価販売店をより積極的に利用したり、モンデリーズ製品の中でも必需品以外の嗜好品の購入頻度を減らす懸念もある。また、品質の問題が発生し、製品回収に迫られるリスクも想定される。さらに、各国政府が肥満対策として、健康的とは言えない食品に課税したり、製品の配合を規制したりする可能性もある。

モンデリーズの「リスクと不確実性」の詳細は、こちらでご覧いただけます。

<Bulls:強気の見解>

  • 現地市場のリーダーに権限を与え、地域の有力ローカルブランドへの投資を強化するというモンデリーズの方針は、新興国市場での大幅な成長を後押しする可能性がある。
  • 同社は、業務における非効率性の排除に徹底的に取り組んでおり、事業の複雑さを軽減するために非中核製品の整理を検討する可能性が高い。
  • カカオ価格の低下傾向が続けば、2026会計年度以降、モンデリーズの収益見通しが上振れする可能性がある。

<Bears:弱気の見解>

  • 北米事業は低迷が続いているが、その要因としては、割安感を重視する消費者の増加や、小売店の在庫水準低下にあると見られる。
  • もし抗肥満薬が世界的に普及すれば、高カロリーな嗜好品としての菓子やスナック類への需要が低下する可能性がある。
  • 欧州におけるモンデリーズの販売数量は、大幅な値上げを受けて過去2年間で年率平均4%減少した。今後予定されている値上げに消費者が反発すれば、同地域での販売量は引き続き圧迫される惧れがある。◇

<モーニングスターの主要指標>

  • 適正価値推計値:77.00ドル
  • モーニングスター・株式レーティング:★★★★(割安)
  • エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
  • 不確実性レーティング:「低い(Low)」
  • 資本配分レーティング:「標準的(Standard)」

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※ 本稿は、スーザン・ジュビンスキーとシルビア・ハウザーがまとめた「This Wide-Moat Stock Is Still a Buy After Its Rally」を、モーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。更新日は2026年8月11日、特に断りのない限り、データは更新日の終値時点のものです。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針