アラブ首長国連邦(UAE)は、5月1日付で石油輸出国機構(OPEC)およびOPECプラスからの脱退を発表した。1967年にOPECに加盟し、約59年の活動を経ての脱退である。
<重要なポイント>
UAEは、サウジアラビア、イラクに次ぐ中東有数の産油国である。今回の動きは、同国の中長期的なエネルギー戦略の一環とみられる。UAEは、電力需要の拡大と経済成長を背景として、多角的なエネルギー大国へと変貌を遂げてきた。
- サウジアラビアを除けば、UAEは余剰生産能力を持つ数少ないOPEC加盟国の一つである。OPECはこうした余剰生産能力を背景に、原油価格に対する影響力を維持してきた。
- ホルムズ海峡を巡る地政学的リスクを踏まえると、短期的には供給懸念があるため、UAEの動きの影響は限定的であろう。しかし長期的には、OPECの影響力低下につながる可能性がある。一方、UAEは自国の低コストな原油資源を有効活用できるようになる。
<結論>
今回の動きは、OPECの結束力の低下を示すものであり、結果として米国にとって外交・エネルギー戦略上の勝利と言えるだろう。これは、米国が西側諸国以外の国々との関係を強化していることを示唆し、地政学的同盟関係の再構築の流れをさらに推し進めるものである。
- しかし米国の産油業者にとっては、影響は一概に評価し難い。中東への依存度が低くなるというプラス面もあれば、需要低迷の中でUAEが増産した場合には収益性を維持するために生産量を削減せざるを得なくなる可能性があるというマイナス面も想定される。
<行間を読む>
UAEは長年にわたり、従来の政策とは異なる政策を模索し、埋蔵されている原油資源を資金化する利点を慎重に検討してきたと考えられる。イランによるUAE領土や海上輸送へのミサイルやドローンによる攻撃が、今回の意思決定の引き金となった可能性がある。◇
以下は4月28日時点の原油関連企業の株式についてのモーニングスターの主要指標である。
※ 本稿はモーニングスターのエクイティ・リサーチ・アナリストによるアナリスト・ノートを基に作成された。
※ 本稿はモーニングスターの「UAE’s Exit from OPEC Will Have Long-Term Influence on Global Oil Prices」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。
※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

