サムスン電子、SKハイニックス:フェアバリューを引き上げ。メモリ市況は好調だが、業界の循環性に留意

DRAM・NAND価格の想定を超える上昇、拡大する長期供給契約(LTA)、韓国政府のAI投資計画を受けて見通しを更新。

Collage illustration for Technology Sector with a semiconductor chip.

Micronの決算発表、長期供給契約(LTA)に関する最新情報、および6月29日に韓国政府が発表した人工知能(AI)投資計画を踏まえ、モーニングスターは、Samsung Electronics(KRX 005930)とSK Hynix(KRX 000660)の見通しについて見直しを行った。

<重要なポイント>

DRAMおよびNANDの価格は、供給不足が続いていることを背景に、従来の想定を上回る水準で推移している。ハイパースケーラー主導のAI投資は依然として堅調であり、その結果生じる半導体メモリ需要によって、メモリメーカーは異例なほど強力な価格交渉力を持つに至っている。

  • 当社は、第2四半期のDRAM価格およびNAND価格について、SK Hynixはそれぞれ53%と70%、Samsung Electronicsは42%と93%上昇すると予想し、従来見通しを引き上げる。需要の急増に加え、両社によるHBM4の量産開始およびNANDのプロセス移行に伴う生産能力のさらなる逼迫が、この上昇を後押ししている。
  • 長期供給契約(LTA)には、数量コミットメント、価格帯、および契約額の20%相当と推定される保証条項が含まれており、契約期間は主に3年間と見ている。顧客は長期間固定価格に縛られることを避けるため、4~5年契約を結ぶ企業は少ないと見込まれる。

<結論>

Samsung ElectronicsとSK Hynixの適正価値推計値を、それぞれ33万ウォンおよび240万ウォンに引き上げる。現在のメモリ市場の好況は予想を大幅に上回る勢いで推移しているが、当社の基本シナリオでは引き続きメモリサイクルはいずれ正常化すると想定しており、現在の水準での上昇余地は限定的であると見ている。

  • 今回の見直しは、2028年まで続く長期供給契約(LTA)による、短期的な収益および利益率の堅調な下支えを反映している。とはいえ、今後2年間は供給が大幅に増加し、市場の需給環境が変化していくと予想している。その結果、2029年と2030年にはメモリサイクルは下降局面を迎えるものの、長期供給契約の残存によって、その影響は一部緩和されるだろう。
  • 韓国政府の施策に加え、両社は今後10年間でAI分野に2,000兆ウォンを投資する計画であり、その40%がメモリ工場に割り当てられる見込みである。既存のパイプラインを含めると、韓国のメモリ向けウェハー生産能力は3倍以上に拡大すると予想され、これは、当社が従来から示している業界の長期的な循環性に関する見解を裏付けている。◇

※ 本稿はモーニングスター・エクイティ・リサーチによるアナリスト・ノートに基づく記事「Raising Fair Value Estimates for Korean Memory Suppliers, but Industry Remains Cyclical」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

編集者注記: 本稿は、モーニングスター・エクイティ・リサーチによるアナリスト・ノートに基づいています。

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