Alphabet:「Gemini 4 Argon」投入により、最新モデル開発競争の最前線に復帰

市場はAlphabetのフルスタックAI事業における成長可能性を過小評価しており、株価は割安な水準にある。

壁に映し出されたモノクロのGoogleロゴ
Jeremy Moeller 通じて Getty

Alphabet(GOOG)が発表した最先端の大規模言語モデル「Gemini 4 Argon」は、さまざまな業界のベンチマークにおいてOpenAIやAnthropicの競合モデルを超える、あるいは同等の性能を示すものである。「Gemini 4」は、すべてのユーザーへの公開に先だって、まず認定を受けたサイバーセキュリティ専門家を対象に展開される。この発表を受け、9月30日の時間外取引では、Alphabetの株価が上昇した。

<重要なポイント>

約10か月前に「Gemini 3.1 Pro」が最前線に迫ったのを最後に、Alphabetは開発競争の第一線から後退していた。投資家の間では、Alphabetに最先端クラスのモデルを開発する力があるのか疑問視する声が出始めていた。今回の「Gemini 4」の投入は、そうした懸念の一部を抑えるものになると考えられる。

  • 「Gemini 4」の最も顕著な改善点は、エージェント型コーディングにあると見られる。長期行程のソフトウェア開発を評価するベンチマークにおいて、前モデル「Gemini 3.8 Flash」から明確な性能の向上が見られ、AnthropicやOpenAIのモデルとおおむね同等の水準に達している。
  • また、Alphabetは「Gemini 4」を非常に魅力的な価格設定にしており、導入価格はAnthropicやOpenAIの最先端モデルよりも大幅に低く抑えられている。この導入価格の設定は、今年に入って同業他社に後れをとっていた自社モデルの採用を加速させたいという、Alphabetの明確な意図の表れであると私たちは見ている。

<結論>

モーニングスターは、エコノミック・モート「広い(Wide)」評価のAlphabetの適正価値推計値を、1株当たり433ドルに据え置く。当社の基本シナリオには、同社がAI開発の最前線に復帰することや、「Gemini 4」が広く採用されることがすでに織り込まれている。われわれは、市場が依然としてAlphabetのフルスタックAI事業における成長可能性を過小評価しており、同社の株価は割安な水準にあると見ている。

  • もし「Gemini 4」やその後続モデルがAlphabetのAIモデルの普及を促進できれば、適正価値には上振れ余地があると考えられる。当社の試算では、外部のモデルプロバイダーに計算リソースを貸し出すよりも、自社モデルを顧客に提供する方が、計算リソースの活用において高い収益性が見込めるからである。
  • 一方で、AlphabetがAI分野における複数の戦略的な賭けを賢明に分散していることも評価している。たとえば、Anthropicとの計算リソース提供に関する契約は、仮に同社がモデル開発の分野でつまずいても、クラウド事業の力強い成長を支えるものとなるためである。◇

<モーニングスターの主要指標>

  • 適正価値推計値:433ドル(クラスC)
  • モーニングスター・株式レーティング:★★★★(割安)
  • エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
  • 不確実性レーティング:「中程度(Medium)」
  • 資本配分レーティング:「模範的(Exemplary)」

※ 本稿はモーニングスターの「Alphabet: Gemini 4 Argon Launch Brings Alphabet Back to the Frontier Model Race」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は原文が優先されます。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

編集者注記: 本分析は、もともとモーニングスター・株式リサーチによる銘柄レポートとして公開されたものです。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針