アドバンテスト【決算】:中期計画の修正はAIへの自信を示唆、フェアバリューは52%引き上げ

長期的な成長可能性には同意するが、市場の過大評価で株価は割高な水準にある

アドバンテストのロゴ入り看板(シリコンバレー)。
Smith Collection/Gado 通じて Getty

アドバンテスト(6857)の第二四半期の売上高は前年同期比38%増の2,630億円となり、需要の好調により会社予想の2,372億円を上回った。これを受けて、2026年3月期(2025年度)の通期売上高予想は8,350億円から9,500億円へと上方修正された。

<決算のポイント>

第二四半期の業績および新たな通期予想は、いずれもモーニングスターの従来予想を上回るものであったが、主要クラウドサービスプロバイダーによるAIへの積極的な投資が継続していることを踏まえると違和感はない。

  • 修正後の通期予想は、2025年度下半期の売上高が前年同期比で6%減となることを示唆しており、26%減という従来予想からは改善されている。しかし、2026年に多くの大手テクノロジー企業が自社製AIチップのリリースを予定していることを考慮すると、上方修正されたこの予想も、依然として保守的であるとわれわれは考えている。
  • 当社は、2025年度のアドバンテストの売上高および営業利益予想を、それぞれ修正後の会社予想より5%、7%上方に見積もっている。これは、2026年の需要に対応するための前倒し受注により、下半期の売上が上ぶれると見込んでいるためである。

<結論>

モーニングスターは、AI投資の中期的な見通しがより楽観的になったことを踏まえ、アドバンテストの適正価値推計値を1万500円から1万6,000円に引き上げた。ただし、同社の株式は依然として割高な水準にあると考えている。

  • AI投資が当社の従来想定以上に長期的に堅調に推移すると見込まれることから、当社は5年間の予測における売上高の前提を24%引き上げた。また、これに伴い、営業利益率も平均で6ポイント上方修正した。
  • アドバンテストの株価はAI投資への見通し改善を背景に、過去3か月間でほぼ2倍に上昇した。アドバンテストがAIの恩恵を受けて長期的に力強い成長を遂げるとの見解は我々も同じであるが、市場が同社の成長可性を過大評価しており、現在の株価は割高だと判断している。

<アドバンテストの財務概要および主要指標>

2024年実績
2025年実績
2026年予想
2027年予想
収益(100万円)486,507779,7071,000,0001,080,000
収益成長率(%)-13.260.328.28
営業利益(100万円)87,067249,693405,000440,000
営業利益率(%)17.932.040.540.7
調整後EBITDA(100万円)107,732255,236427,000463,000
調整後EBITDAマージン(%)22.132.742.742.9
1株当り利益(希薄化後・円)84.45218.67410.81451.84
調整後1株当り利益(希薄化後・円)84.45218.67410.81451.84
調整後EPS成長率(%)-87.9158.987.910.0
PER80.429.644.140.1
PBR11.69.424.316.1
EV/EBITDA倍率46.718.230.428
FCF利回り(%)

出所:Morningstar Valuation Model. データは2025年10月29日時点

今回の決算説明会で特に注目すべきは、経営陣が中期的な成長に対する自信を強めていたことである。経営陣は、2026年度までの中期計画における売上高や営業利益率などの主要目標引き上げにとどまらず、次期中期計画期間においてもAI投資が売上成長を引き続き牽引するとの見通しを示した。

経営陣は、短期的な収益性よりも投資を優先し、今後の高い売上成長を支える方針を明確に打ち出した。アドバンテストは、過去数年間で半導体テスターの生産能力を3倍に拡大してきたが、今後数年間も同規模の投資をする必要があり、研究開発費も増加する見込みだと説明している。

これは、半導体製造の複雑化に伴う半導体テスターの旺盛な需要が今後も続くとの予想のもとで、同社が高い市場シェアを維持していくという強い意志を示したものと、当社は考えている。◇

<モーニングスターによる指標>

● エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」

● 適正価値推計値:16,000円

● モーニングスター株式レーティング:★★(割安)

● 不確実性レーティング:「高い(High)」

● 資本配分レーティング:「標準的(Standard)」

※本稿はモーニングスターのエクイティ・アナリスト部門ディレクターの伊藤和典による10月29日付アナリスト・ノートの一部を抜粋してモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。英語原文と翻訳に相違がある場合は原文が優先されます。

※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針