堅調なAI向け投資に牽引され、アドバンテスト(6857)の第3四半期売上高は、前年比26%増となった。同社は2025年度(2026年3月期)売上高見通しを12.6%上方修正したが、この結果当社は、わずか3か月前に更新した中期計画にて示した来年度における売上高レンジの上限を、早くも今年度に上回ることとなった。
<重要なポイント>
モーニングスターは従来、2026年度に半導体テスタの需要が一時的に減速する懸念を抱いていた。しかし、Nvidia以外の大手テック企業からも多様なカスタムAIチップが相次ぎ投入される見通しであること、さらに後工程における半導体パッケージングの複雑化がより一層進む見通しであることを踏まえ、より強気な見通しへ修正した。
- 当社は在庫調整に伴い売上成長が鈍化する時期を2027年度下期以降に先送りするとともに、SoCテスターの売上前提を2026年度・2027年度ともに約35%引き上げた。これにより、半導体テスタ売上高の今後5年間の年平均成長率は19%から26%へ上昇した。
- アドバンテストは、AIを含む高性能コンピューティング(HPC)領域における同社の半導体テスタの優位性を強調している。当社は、2027年までに投入されるカスタムAIチップ向け受注を獲得することで、半導体テスト市場における更なるシェアの拡大を見込んでいる。
<結論>
AI需要に牽引され、半導体テスタの売上が少なくとも2027年度までは大きく伸びる確度が高まったことから、アドバンテストの適正価値推計値を50%引き上げ、24,000円とする。ただし、アドバンテストの現在の株価は、今後数年間にわたる半導体テスタの高成長を既に織り込んでいることから適正水準にあると考えている。
<行間を読む>
アドバンテストは、2026年暦年においてSoCテスタ市場は30%、メモリテスタ市場は20%成長すると見込んでいる。われわれはアドバンテストをAI普及の恩恵を最も受ける企業の一つであると考えている。
- AIチップの計算性能を高めるには、パッケージングを含む後工程での技術進展が不可欠である。メモリ帯域を拡張し、レイテンシを改善し、消費電力や熱の問題を最適化するためには、GPUとメモリを近接配置しパッケージ技術を向上させることで解決する必要がある。
- パッケージングが複雑化し後工程での負荷が増大するにつれ、半導体テストの回数は大幅に増加すると予想される。その結果、半導体テスタ市場の成長率は、半導体市場そのものの成長率を中期的に上回る可能性が高い。◇
<アドバンテストの財務概要および主要指標>
| 2024年実績 | 2025年実績 | 2026年予想 | 2027年予想 | |
|---|---|---|---|---|
| 収益(100万円) | 486,507 | 779,707 | 1,075,000 | 1,400,000 |
| 収益成長率(%) | -13.2 | 60.3 | 37.9 | 30.2 |
| 営業利益(100万円) | 87,067 | 249,693 | 460,000 | 605,000 |
| 営業利益率(%) | 17.9 | 32.0 | 42.8 | 43.2 |
| 調整後EBITDA(100万円) | 107,732 | 255,236 | 481,000 | 629,000 |
| 調整後EBITDAマージン(%) | 22.1 | 32.7 | 44.7 | 44.9 |
| 1株当り利益(希薄化後・円) | 84.45 | 218.67 | 460.44 | 616.39 |
| 調整後1株当り利益(希薄化後・円) | 84.45 | 218.67 | 460.44 | 616.39 |
| 調整後EPS成長率(%) | -87.9 | 158.9 | 110.6 | 33.9 |
| PER | 80.4 | 29.6 | 55.5 | 41.4 |
| PBR | 11.6 | 9.4 | 32.9 | 19.6 |
| EV/EBITDA倍率 | 46.7 | 18.2 | 38.1 | 29.2 |
| FCF利回り(%) | ー | ー | ー | ー |
出所:Morningstar Valuation Model. データは2026年1月29日時点
<モーニングスターによる指標>
● エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
● 適正価値推計値:24,000円
● モーニングスター株式レーティング:★★★(中立)
● 不確実性レーティング:「高い(High)」
● 資本配分レーティング:「標準的(Standard)」
※ 本稿はモーニングスターのエクイティ・リサーチ ディレクター伊藤和典による1月29日付アナリスト・ノートの一部を抜粋してモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。英語原文と翻訳に相違がある場合は原文が優先されます。
※ 本稿は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品、銘柄などを推奨するものではありません。投資における判断は、ご自身の投資目的、投資期間、資金性格、投資への姿勢などを勘案して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

