今買ってもよい配当貴族株10社

割安で、モート評価で競争力を認められ、25年以上にわたり連続して配当を増やしているベスト企業のリスト

グラフの上に浮かぶ一般的なコインのイラスト。中央には数字の「10」が配置されています。

「配当貴族」株式は投資家に人気があります。配当投資家であれば、長年にわたって着実に配当を増やしてきた企業の株式を保有したくないと言う人は居ないでしょう。

そもそも「配当貴族」とは?

「配当貴族」とは、25年以上にわたり毎年配当金を増額してきた企業を指します。現在、S&P 500指数に組み入れられている企業の中には、60社以上の「配当貴族」が存在します。

投資家が配当貴族株を購入する理由は、過去に配当を増加させてきた企業は、今後もその傾向を維持できると期待しているからです。さらに、配当貴族は成熟した企業であり、配当を増加させ続けるだけの十分な利益を上げており、資本構成において配当を重視する経営陣によって運営されています。

とはいえ、配当貴族銘柄であっても、常に配当削減を免れるわけではありません。例えば2024年初頭には、かつて配当貴族であったWalgreens Boots Alliance (WBA)が、配当をほぼ半減させました。

では、どうすれば投資家は配当を削減する可能性の高い配当貴族を避けることができるでしょうか?

モーニングスター。インデックス のストラテジストであるダン・レフコヴィッツは次のように説明しています。「(企業の中長期にわたる競争力を示す)モーニングスター・エコノミック・モート評価が『広い(Wide)』企業は、エコノミック・モートが『狭い(Narrow)』企業に比べ、配当を削減する可能性が低い傾向にあります。同評価を獲得していない企業こそ、最も削減の可能性が高いのです」

当社が選ぶ最高の配当貴族企業のリストを作成するため、以下の条件に基づいて配当貴族株を選定しました:

  • ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF:(NOBL)に組み入れられている配当株のうち
  • モーニングスター・エコノミック・モート・レーティングが「狭い(Narrow)」または「広い(Wide)」の評価を付与されている配当貴族株式

今買ってもいい配当貴族株10社

以下の配当貴族株は、エコノミック・モートが「広い(Wide)」あるいは「狭い(Narrow)」評価を得ており、さらにモーニングスターの適正価値(フェアバリュー)推計値に対して最も割安な水準で取引されているものです(データは2025年10月24日時点)。

  1. Becton Dickinson BDX
  2. Clorox CLX
  3. Brown-Forman BF.B
  4. Amcor AMCR
  5. FactSet Research FDS
  6. Air Products & Chemicals APD
  7. Hormel Foods HRL
  8. Medtronic MDT
  9. PPG Industries PPG
  10. Kimberly-Clark KMB

当リストに掲載されている配当貴族企業について、簡単にご紹介いたします。データは2025年10月24日時点のものです。

Becton Dickinson

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.69
  • エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
  • 予想配当利回り:2.24%
  • セクター:ヘルスケア

我々が選んだ配当貴族企業リストのトップに挙げられたのは、Becton Dickinsonです。世界最大の医療・外科製品の製造・販売企業であり、」「狭い(Narrow)」のエコノミック・モート評価を得ています。同社の株式は、モーニングスターの適正価値推計値である270ドルを31%下回っており、魅力的な水準にあります。Becton Dickinsonは配当貴族であるだけでなく、50年連続で増配を続けている「配当王」でもあります。

ベクトン・ディッキンソンの1株式当たり配当金およびその他のデータをご覧ください。

Clorox

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.70
  • エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
  • 予想配当利回り:4.28%
  • セクター:景気非連動型消費財・サービス

Cloroxは、我々が今回選定した優良配当貴族株式の中でも配当利回りが高い銘柄の一つです。モーニングスターのディレクターであるエリン・ラッシュは、今後10年間で配当が一桁台半ば程度の成長を遂げ、長期的には配当性向が60%前後になると予想しています。Cloroxの株式は、当社の適正価値推計値である166ドルに対して30%割安な水準で取引されています。

クロロックス社の1株式あたりの配当金およびその他のデータをご覧ください。

Brown-Forman

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.70
  • エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
  • 予想配当利回り:3.24%
  • セクター:景気非連動型消費財・サービス

Brown-Formanは割安な配当貴族企業リストの中でモート評価で「広い(Wide)」を獲得している2番目の企業で、我々の適正価値推計値を30%下回る水準で取引されています。モーニングスターのアナリスト、ダン・スーは、「ジャック・ダニエルをはじめとする高級蒸留酒の製造元である同社は、強固なブランド忠誠度と緊密な顧客関係により、エコノミック・モート・レーティングで「広い(Wide)」を獲得しています」と説明している。我々は、配当金の支払いが収益の成長と歩調を合わせて増加すると予想しており、適正価値推計で同社の株式は40ドルの価値があると見込んでいる。

ブラウン・フォーマン社の1株式当たり配当金およびその他のデータをご覧ください。

Amcor

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.71
  • エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
  • 予想配当利回り:6.27%
  • セクター:景気循環型消費財・サービス

Amcorは、今回のリストの中で最も配当利回りが高い企業で、モーニングスターの適正価値推計値11.50ドルを29%下回る水準で取引されています。モーニングスターのアナリスト、エスター・ホロウェイは次のように述べています。「アムコールは世界最大のプラスチック包装・輸送資材の供給企業である同社は、顧客に近い場所での製造にる輸送コストの優位性を活かし、耐久性のあるコスト競争力を持っています。これがエコノミック・モートにおける「狭い(Narrow)」評価の根拠となりっています」。Amcorは、漸進的な配当方針を採用しており、通常は年間で配当総額を概ね年0.01ドルずつ増加させています。

アムコルの1株式当たり配当金およびその他のデータをご覧ください。

FactSet

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.74
  • エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
  • 予想配当利回り:1.54%
  • セクター:金融サービス

FactSetは、今回のリストの中で唯一の金融サービス企業であり、同時に最も配当利回りが低い株式です。我々は乗り換えコストに基づいて、同社にエコノミック・モート・レーティングで「狭い(Narrow)」を付与しています。モーニングスターのアナリスト、ラジブ・バティアは、「GAAPベースでの配当性向を20~30%の範囲に維持している」と述べています。我々は、FactSetの株価の適正価値推計値は385ドルと評価しています。

ファクトセットの1株式当たり配当金およびその他のデータをご覧ください。

10 Top Dividend Stocks for 2025

Updates on the initial dividend picks for 2025 and a few new names.
視聴する

Air Products & Chemicals

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.79
  • エコノミック・モート・レーティング:「広い(Wide)」
  • 予想配当利回り:2.81%
  • セクター:素材

Air Products & Chemicalsは、今回のリストで3つ目で最後の「広い(Wide)」モート評価を得ている企業です。モーニングスターのアナリスト、クリストフ・スマレックは、「世界有数の産業用ガス供給企業として、乗り換えコストの高さから、『広い(Wide)』モート評価を獲得しています」と説明している。同社は2025年1月に四半期配当を1%増額し、43年連増の増配記録を更新しました。

エア・プロダクツ・アンド・化学の1株式当たり配当金およびその他のデータをご覧ください。

Hormel Foods

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.82
  • エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
  • 予想配当利回り:4.87%
  • セクター:景気非連動型消費財・サービス

Hormel Foodsは、今回のリストに含まれる4つの生活必需品関連(景気非連動型消費財・サービス)企業のうち3番目に挙げるもので、「配当王」企業でもあります。モーニングスターのシニアアナリスト、クリス・イントンは、2029年度まで配当が年率3%のペースで増加し、平均配当性向は70%台半ばを維持すると予測しています。Hormel Foodsは、当社が算出した適正価値推計値である29ドルに対して18%割安な水準で取引されています。

ホーメル・フーズの1株式当たり配当金およびその他のデータをご覧ください。

Medtronic

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.84
  • エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
  • 予想配当利回り:3.03%
  • セクター:ヘルスケア

Medtronicの株価は、当社の適正価値推計値である112ドルに対して16%割安な水準にあります。世界有数の医療機器メーカーである同社は、年間フリーキャッシュフローの最低50%を株主還元する方針を掲げており、モーニングスターのシニア株式アナリスト、デビー・ワンによれば、「近年は60~70%の範囲で推移しています」と指摘している。我々は、この配当政策は適切であると考えています。

メドトロニックの1株式当たり配当金およびその他のデータをご覧ください。

PPG Industries

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.85
  • エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
  • 予想配当利回り:2.74%
  • セクター:素材

PPG Industriesは、今回のリストにおける2つ目の素材関連企業であり、我々の適正価値推計値122ドルを15%下回る水準で取引されています。この世界的規模で事業を展開する塗料・コーティング製品の製造企業は、無形資産と乗り換えコストに基づいて「狭い(Narrow)」のエコノミック・モート評価を築いています。モーニングスターのスマレックはPPGの配当を「適切」と評していおり、同社はまた「配当王」でもあります。

PPGインダストリーズの1株式の配当金およびその他のデータをご覧ください。

Kimberly-Clark

  • モーニングスター株価/適正価値比率:0.85
  • エコノミック・モート・レーティング:「狭い(Narrow)」
  • 予想配当利回り:4.24%
  • セクター:景気非連動型消費財・サービス

Kimberly-Clarkは、今回のリストを締めくくる企業であり、同時に「配当王」でもあります。Huggies、Scott、Kleenex、Cottonelle、Depend、Kotex等の数十億ドル規模のブランド群により、エコノミック・モート・レーティングで「狭い(Narrow)」評価を築いています。モーニングスターのラッシュは、「長期的な見通しとしては、年間配当成長率が一桁台半ば程度になるでしょう」と述べています。

キンバリー・クラークの1株式当たり配当金およびその他のデータをご覧ください。

配当貴族ETFは投資対象として優れているか?

個別株式ではなく、配当貴族株式のポートフォリオを購入したい投資家は、上場投資信託(ETF)を通じてそれを実現することができます。

例えば、ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETFは、S&P 500 配当貴族指数に連動しているETFです。このETFはモーニングスターのアナリストによる積極的な調査の対象外ですが、他の多くのパッシブ型ファンドと同様に、継続的な運用経費率は控えめです。

配当貴族株に限らず、配当成長株式に焦点を当てたETFの中で、モーニングスターのアナリストが調査対象としており、高いレーティングを得ているETFには以下のようなものがあります。

  • Schwab US Dividend Equity ETF (SCHD
  • Vanguard Dividend Appreciation ETF (VIG)
  • T. Rowe Price Dividend Growth ETF(TDVG)

配当貴株式を保有すべきなのか

配当貴族株式は魅力的な投資対象となり得ますが、いくつかの注意点もあります。

まず、たとえ配当貴族株であっても、事業環境によっては実際に配当を削減する可能性があります。モーニングスター「ディビデンド・インベスター 誌の編集長であるデイビッド・ハレルは、「どれほど長い間増配の実績がある企業でも、配当の永続性が保証されるわけではありません」と指摘しています。彼は、過去数年間に配当を減額した元配当貴族企業として、VF VFCとAT&T Tを例に挙げています。

さらに、配当貴族株は必ずしも高配当株であるとは限りません。ハレルの推計によれば、配当貴族の約40%は利回りが2%未満です。「25年連続で配当を増加させてきたからといって、必ずしも高利回りの株式になるとは限りません」と指摘しています

最後に、配当貴族株式といえども割安でなければ魅力的とは言えないと、少なくとも我々は考えています。配当成長の実績が堅調であるという理由だけで高値で株式を購入すれば、ポートフォリオにおける価格リスクを高めることになる点に留意が必要です。◇

※ 本稿はモーニングスターの「10 Best Dividend Aristocrats to Buy Now」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。

※ 本稿は情報提供のみを目的としており、いかなる特定の投資対象を推奨するものではありません。投資判断においては、ご自身の投資目的、投資期間、資金の性格、投資に対する姿勢などを考慮して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針