2026年、グローバル株式が再び金メダルを取る可能性がある

非米国株に注目!投資家はこの機会をお見逃しなく

新興国市場のアートワーク

冬季オリンピックの時期になった。雪と氷の上で繰り広げられる驚異的な競技の数々、そして数週間にわたる国旗、国歌、耳慣れぬエキゾチックな名前の数々を楽しむ準備はできているだろうか?オリンピックは私たちの多くをグローバルな思考へと導く機会になるだろう。

一方で、すでにグローバルな視点を持っている人々もいるだろう。その理由は最近のニュースや、より高い投資収益のためなど、まちまちかもしれないが、ここで取り上げるのはその投資収益の話である。おそらくご承知のとおり、2025 年はかなり長い年月の果てに、グローバル(除く米国)株式が顕著にアウトパフォームした最初の年であった。米国の投資家はそれに反応し、2025年にグローバル株式(除く米国)型ファンドへ570億ドルの資金純流入をもたらした。

収益を後追いする投資はいつの世も避け難いものだ。問題は、ダウンヒルスキーヤーがターンに遅れて入る状態なのか、スピードスケーターが最終ラップで追い抜きの体勢に入る状態なのか――つまり、後追い投資家がタイミングを既に逃したのか、それとも、グローバルな配分を増やすことが遅ればせながら最終的には勝利につながる動きなのかということである。

「アメリカ例外論」から「アメリカ売り」へ

今後の展望に目を向ける前に、グローバル(除く米国)株式が見せたパフォーマンスの回復を振り返ってみよう。2025年、Morningstar 米国株指数(下図折れ線グラフ:赤)は17%という目覚ましい上昇を記録した。ところが、Morningstarグローバル(除く米国)株指数(同:青)は更に上を行き、米ドル建てで32%の上昇を示した。これほど大幅なアウトパフォーマンスは、歴史的にみると中国の急成長、欧州連合の拡大、米ドル安が進んだ2005年まで遡らなければ見られない。2026年に入って1か月が経過したが、この傾向は現在も続いている。1月のグローバル(除く米国)株指数は6%上昇したのに対し、米国株指数の上昇率は1.5%にとどまった。

「米国の例外主義」時代以前には、国際株式が優れたパフォーマンスを示しておりました。このサイクルは転換点を迎えているのでしょうか?

累積トータル・リターン(米ドルベース)(%)

懐疑的な立場から上のグラフを見ると、グローバル(除く米国)株式がパフォーマンスの差を埋めるにはまだ長い道のりがあるという真っ当な指摘もあるだろう。米国は2010年代初頭以降、世界の市場を支配してきた。「FANG株式」(Facebook(現META)、Amazon.com(AMZN)、Netflix(NFLX)、Alphabet(GOOGL)で幕を開けたこの時代は、時価総額が数兆ドル規模に達する米国企業を 8 社生み出した。米国以外では、台湾セミコンダクター(TSMC TSM)だけが(少なくとも浮動株調整後の時価総額で)「兆ドル企業クラブ」に名を連ねることができる。米国企業は、AI(人工知能)などのテクノロジー潮流の恩恵を不釣り合いなほど多く享受してきたのである。

しかし、2025年には、「米国例外論」(米国だけが破格に強い経済力を持つという論調)から「アメリカ売り」へと空気が変化した。後者の言葉が浮上したのは昨年4月、ドナルド・トランプ大統領が「解放記念日(Liberation Day)」関税を発表し、金融市場を混乱に陥れたことがきっかけであった。貿易政策は、債務および財政赤字への懸念と相まって、世界の投資家(および各国中央銀行)が米国資産へのエクスポージャーを引き下げる要因となった。2025 年の上半期は、1991 年以来の急激な米ドル下落に見舞われた。市場は反発したが、2026 年初頭には、米国のグリーンランド買収への野心や、さらなる関税措置の脅しをめぐる緊張を背景に、「アメリカ売り」論が再浮上した。

グローバル株式の強さは、米国の政策だけでなく、各市場の内生的要因もあると意識することが重要だ。欧州市場は2025年初頭に活気を取り戻したが、これはトランプ政権による防衛支出の増加だけでなく、ドイツの総選挙や、特に銀行株にとって有利なマクロ経済環境の改善も寄与した。日本では、継続的なコーポレートガバナンス改革とリフレーションが市場を再活性化させている。 中国では、企業の収益性が改善している。ラテンアメリカは、米関税政策の恩恵を受ける地域と見なされたことが一因となり、株価が上昇している。

そして、AIがある。米国以外の主要企業の中でも、アジアのテクノロジーリーダーやオランダの半導体メーカーASMLなどが、AIの恩恵を受けていることに気づくだろう。これは世界的な潮流である。

バリュエーション重視の投資家にとって、グローバル株式のアウトパフォーマンスは「平均への回帰」によるものである。米国市場には確かに卓越した企業が存在するが、その成功は「マージン拡大」、すなわちファンダメンタルズに対して過度に拡大した株価上昇によるものである。

これに対し米国以外の株式は、2025年年初時点で割安な水準にあった。ラテンアメリカの選挙、中国の不動産市場の低迷、欧州経済の停滞など、その理由は様々である。米国以外の市場の教訓では、インドがある。2025年に世界で最も失望が大きかった市場の一つであるが、その前年までの数年間にわたりインドが力強い上昇を享受していたことは、決して偶然ではない。

グローバル(除く米国)株の上昇は続くのか?

モーニングスターの2026年Global Investment Outlookによれば:「米国以外の株式市場は最近の力強いパフォーマンスにもかかわらず、多くの地域で依然として魅力的である。新興国市場にはさらなる上昇余地があり、ブラジル、中国、メキシコが特に注目される。先進国市場の中では、英国と欧州大陸部が妥当な水準で取引されている」。

モーニングスターのリサーチおよびインベストメントチームの同僚たちは、米ドルについて「より長期的な弱含みのサイクルに入っている可能性が高い」と見ている。ただし重要なのは、「構造的な下落ではない」という点である。歴史的に、株式・通貨、いずれの市場も長期のサイクルを経験している。

グローバル株式のさらなる上昇余地を指摘しているのはモーニングスターだけではない。クリスティン・ベンツがまとめた専門家の予測によれば、今後10年以上にわたり米国以外の株式市場のリターンはより高くなると見込まれている。これは先進国市場と新興国市場のいずれにも当てはまる。ただし2025年以前の(上昇局面前の)時点では、リターン予想はもっと高かった。

筆者は、モーニングスターの資金流出入データが「アメリカ売り」の世界的な動きを反映しているかどうかに興味があった。実際、当社が保有する欧州ファンドデータベース(一部アジア、中東、ラテンアメリカ市場で販売されている投資ビークルも含む)によれば、過去1年間で最も資金純流入があったカテゴリの大半は、新興国株式および欧州株式に集中していることが確認できる。一方で、いくつかの米国株式カテゴリでは資金純流出が見られる。パフォーマンスの後追いなのか、分散投資、あるいは地政学的動因による資産配分なのか、この資金フローの原因については推測の域を出ない。

グローバル投資には数多くの利点がある

筆者にとって、グローバルなポートフォリオ分散は長期的な投資戦略として合理的なものだ(もちろん、この考えのせいで近年の成績は芳しくなかった)。 パフォーマンスの周期性について触れたが、1970年代、1980年代、そして2000年代はいずれも、米国の投資家がグローバルなエクスポージャーから恩恵を受けた時期であった。通貨の優位性もまた循環性がある。米国の政治や政策、債務や財政赤字を懸念する投資家にとって、グローバル投資はリスク分散の手段である。先日も記した通り、非米国株式は米国株式と相関があるが、それでもパフォーマンスは依然として顕著な差を見せている。

AIテーマはさらなる違いを生む可能性がある。米国以外の国にも大きな AI 恩恵企業もあるとはいえ、テクノロジーセクターがモーニングスターのグローバル (除く米国)株指数に占める割合はわずか 15%である。一方、米国株指数では33%とグローバルに比べてはるかに大きい。これはプラスにもマイナスにも働き得るが、リスク管理の観点からは比率が低いのは良いことである。また、グローバル株指数のほうが上位銘柄への集中度が低く、配当利回りが高いというのも有利な特性だろう。

さて、すでにご存じのことかもしれないが、世界の株式時価総額に占める米国の比率は、経済規模と比べて著しく過大である。米国株式は、先進国・新興国市場を対象とするMorningstarグローバル株指数において62%を占めているが、米国の国内総生産(GDP)は世界経済の約25%に過ぎない。この2つの数字は必ずしも一致する必要はないが、現状では著しくかけ離れた状態にあると言えるだろう。

世界の株式市場価値に占める米国の割合は、世界の経済に占める米国の割合とは大きくかけ離れています。

米国は依然として非常に重要な市場であるが、オリンピックは私たちに世界が広大であると改めて気づかせてくれる。アスリートの才能が世界中に広がっているのと同様に、イノベーションと発展の機会もまた世界中にある。優れた企業を独占している国など存在しない。

グローバル投資を検討されるなら、こちらの記事も出発点として参考になるだろう。◇

※ グローバルな投資機会について、どのようなアプローチを取っておられるのか、ぜひお聞かせください。dan.lefkovitz@morningstar.com までお気軽に。フィードバックや、今後のコラムに関する提案やご意見をお知らせください。いつでも心よりお待ちしています。

※ 本稿はモーニングスターの記事「Why International Stocks May Win Gold Again in 2026」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。

著者はこのレポートで言及された有価証券を保有しています。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針

Morningstar, Inc., licenses indexes to financial institutions as the tracking indexes for investable products, such as exchange-traded funds, sponsored by the financial institution. The license fee for such use is paid by the sponsoring financial institution based mainly on the total assets of the investable product. A list of ETFs that track a Morningstar index is available via the Capabilities section at indexes.morningstar.com. A list of other investable products linked to a Morningstar index is available upon request. Morningstar, Inc., does not market, sell, or make any representations regarding the advisability of investing in any investable product that tracks a Morningstar index.