債券とテクノロジー株が牽引し、米国ファンドへの資金流入は歴史的な連続記録

超短期債、CLO、長期債が好調。反面、ほとんどの株式ファンドは夏場に勢いを欠いた。

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米国の長期ファンドへの資金流入は、史上初めて4か月連続で1,000億ドルを超えた。それでも、7月の1,130億ドルという流入額は、相対的な伸び率や過去1年の動向と比較して、さほど際立ったものではなかった。課税対象債券ファンド(Taxable-bond funds)が引き続き資金流入の大部分を占めたが、株式・セクター型ファンドも、引き続き投資家の半導体株への関心を背景に堅調な資金流入となった。

米国のファンドの資金フロー(過去1年間)

債券型ファンドへの資金流入は止まらない

課税対象債券への資金流入は、3か月連続で600億ドルを超え好調な推移が続いており、7月は670億ドルを記録した。特に超短期債券ファンドは全債券カテゴリ中で最大の流入を記録し、7月だけで150億ドル以上を集めた。これは、多くの投資家にとってインフレリスクが依然として最も重要な懸念であり、また、短期利回りが過去15年間と比較して高水準にあることを反映している。

課税対象債券ファンドの資金フロー

CLO ETFが人気を集めている

担保付ローン債務(CLO)上場投資信託(ETF)などの証券化債券を中心とする証券化債券型は、7月に約30億ドルという過去4番目に大きな月間資金流入を記録した。資金流入の大部分は、同カテゴリ資産の大半を占める2大ファンド、「ジャナス・ヘンダーソン AAA CLO ETF」(JAAA)と「PGIM AAA CLO ETF」(PAAA)への流入である。同カテゴリは過去3年間で10倍に成長しており、その大きなトレンドが継続している。金利感応度が低く、マネーマーケット・ファンドに比べて高い利回り優位性があるこれらの高格付の資産に、投資家が魅力を感じていることを示唆している。

証券化債券 ― 資金フローと純資産の推移

同時に、長期債券も買われている

驚くべきことに、長期国債型への資金流入は、流入額・成長率(対純資産)ともに2025年5月以降で最大を記録し、7月は約60億ドル、成長率は3.0%となった。多くの投資家にとってインフレや金利リスクは依然として考慮すべき重要事項だが、長期債利回りは特に高水準にあるため、より魅力的な投資機会となっている。30年物米国債利回りは、7月の大半において5%を超えており、2007年以来の最長期間となった。

長期国債ファンドの資金フロー

米国株式ファンドへの資金流入は低調

7月の米国株式ファンドへの純流入額は30億ドルにとどまり、低調に終わった。2つのカテゴリを除くすべてのカテゴリで資金流出となったが、大型ブレンド型にはパッシブ運用で360億ドルの資金流入があり、全体の数字を支えた。資金流入となったもう一つのカテゴリは小型バリュー型だが、7月の流入額は2億ドルを割り、過去1年間では70億ドルの資金流出となっている。一方、7月の資金流出額が最大となったのは大型グロース型であった。7月の流出額は150億ドル、過去1年間では930億ドルが同カテゴリから流出した。

米国株式ファンドの資金フロー

国際株式は勢いを失ったのか?

国際株式型(米国以外の株式に投資するファンド)への資金流入は12か月連続していたが、その流れは5月に途絶え、7月は20億ドルの資金流出に見舞われた。これは、米国投資家の海外株式への投資意欲が冷え込んでいるという見方を裏付けるものである。ただし、このカテゴリ内の2つのサブカテゴリでは引き続き顕著な資金流入が見られた。韓国株式ETFを筆頭とする特定地域型は7月に60億ドルの資金流入を記録し、海外大型ブレンド型はパッシブ型への着実な流入に支えられて70億ドルの資金流入となった。

国際株式ファンドの資金フロー

投資家は、引き続きテクノロジー株に資金を投入している

7月、株式・セクター型は210億ドルの資金流入となり、同カテゴリは4か月連続で180億ドルを超える資金流入を記録している。中でもテクノロジー型が再び牽引役となり、月間資金流入額のうち160億ドルを占め、過去1年間の累計は860億ドルに達した。テクノロジー型の中では、半導体関連ファンドに資金流入が集中した。同サブカテゴリでは、「iShares Semiconductor ETF」(SOXX)への70億ドルの資金流入を筆頭に、3本のETFが合計で160億ドルの資金流入を記録した。

また、レバレッジ型株式ファンドも月間資金流入額で過去最高を記録したが、これは主に、半導体関連株式の3倍レバレッジファンドに対する強い関心によるものである。

セクター・株式ファンドの資金フロー

猛威を振るうラウンドヒル・インベストメンツ

ラウンドヒル・インベストメンツは看板ファンドである「Roundhill Memory ETF」(DRAM)の商業的成功を原動力に、 業界内でも際立った存在となっている。それ以前は多くの人にとって無名だった運用会社ラウンドヒルであるが、同ETFは4月の設定以来異例の急成長を遂げ、わずか4か月で約250億ドルの資産を集めた。このETFは7月に約27%の運用損失を記録しているが、投資家は当初数か月間であげた並外れたパフォーマンスを期待して、資金を投入し続けている。同ETFは、7月にラウンドヒルへと流入した64億ドルの資金の大半を占めており、また、テーマ型株式運用を主軸とする同社の運用資産総額の72%を占めている。

ラウンドヒルの資金動向と資産構成比

※ この記事は、2026年6月版の「モーニングスター・ダイレクト米国資産流入・流出レポート」を基に再構成された「Bonds and Tech Stocks Drive Historic Streak for US Fund Flows」を、モーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。

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著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針