【米国ETF 2025年10月】史上最高の資金フローを更新

Vanguardの資金純流入は、2024年のピークを突破、VanguardとiShares合計で年初来純流入額の過半を占める

左右を指す矢印と中央に「ETF」の文字、そしてグラフィック要素を組み合わせたコラージュイラストです。

本稿で言及されているファンドの中には、運用会社からの依頼によりレーティングを付与しているもの、またはモーニングスター・インデックスに連動を目指すものが含まれています。下記に記載されている*印の付いたファンドが該当します。詳細な開示情報については、各ファンドの頁をご参照ください。

10月のETFの資金流出入の主なポイント

  • 米国の上場投資信託(ETF)は、1,660億ドルの資金純流入となり、過去最高の月間記録を更新した。
  • Vanguardは500億ドルを超える資金純流入を記録した。
  • 2025年に入り、モーニングスター・カテゴリ「レバレッジ型株式」では、過去最多のETFが上場されたが、他のどのカテゴリよりも多くの資金が流出しており、純流出最大のカテゴリとなっている。

米国上場投資信託(ETF)は10月に1,660億ドルの新規資金流入を記録し、過去最高の月間純流入額を更新した。そのうち3分の1以上となる620億ドルを「米国株式型」のETFが占め、最大の流入額を得たカテゴリとなった。

「課税債券型」ETFが440億ドルで第2位に、第3位は「国際株式型」ETFが220億ドルで続いた。 サブカテゴリでは、「大型ブレンド型」ETFが2025年に入って最高の月間実績を記録し、「米国株式型」ETFへの資金流入の大部分を占め、10月には430億ドルを集めた。

October Flows Across Morningstar US Category Groups

VOO:競合他社を圧倒する

「米国株式・大型ブレンド型」ETFへの資金流入では、そのほぼ半分がVanguardS&P500 ETF (VOO)に集中した。VOOは2025年において圧倒的に人気の高いETFであり、年初来の資金流入額は1030億ドルに達している。 次いで人気が高かったのは iShares・ Core S&P500 ETF (IVV)で、年初来の流入額は約360億ドルだった。Vanguared Total Market ETF ( VTI

)が第3位となり、Vanguardが2025年1月から10月までの年初来資金純流入額で首位となる一翼を担った。

Vanguardは2025年年初来10月末までで3090億ドルの資金流入を記録し、2024年の年間純流入額3060億ドルを既に上回っている。10月はETFの資金流出入において過去最高の月間実績となり、この勢いが持続すれば過去最大であった2021年の年間記録3280億ドルの純流入額を更新する見込みである。

iSharesも2,590億ドルの資金純流入で、Vanguaredにさほど大きく水をあけられていない。この2社を合計すると、今年に入ってからの全ETF資金純流入額の半分以上を占めている。

October Flows for the Largest ETF Providers

集中が強まっている:テクノロジー株式への資金流入は減速していない

米国株式市場は過去数十年で最も「投資される株式が集中化している状態」にあるかもしれない。しかも、そのような状況の中で投資家は最大手銘柄への投資を更に続けている。

2025年10月、投資家は「テクノロジー型」のETFに過去最高額となる80億ドルの新規資金を投入した。このカテゴリー名が示す通り、これらのETFは主にテクノロジー株式に投資しているが、実際のところ、保有上位銘柄は市場全体(市場指数で上位保有されている企業)と大きくは異ならない。

2025年10月末時点で、「テクノロジー型」カテゴリのETFは 、NVIDIA (NVDA)、Microsoft (MSFT)、Apple (AAPL)を上位3銘柄として保有することが一般的でである。 このカテゴリ内のETFが保有する全銘柄の時価総額を合計すると、全体でみた各銘柄の保有比率は、モーニングスターの「米国株式・大型グロース型」カテゴリに属するETFの比率と驚くほど似通っている。

言うまでもなく、米国株式市場における時価総額上位3企業は、NVIDIA、Microsoft、Appleである。投資家は異なるカテゴリや投資商品を通じてこれら3つの超大型企業の株式を保有することになるため、ファンドの保有銘柄を慎重に分析することで、自身のポートフォリオでの望まぬ重複保有を回避することが可能になるはずだ。

Morningstar Categories With the Largest October In- and Outflows

State StreetのSPDR Portfolio S&P 500 ETF(SPYM)は、10月に大きな動きを見せた。名称とティッカーの変更に加え、月間資金純流入額で過去最高額を更新したのである。SPYMは以前はSPLGと呼ばれており、S&P500をベンチマークとする点では、兄弟ETFであるSPDR S&P 500 ETF Trust(SPY)と同様である。

ただし、SPYMはSPYよりも手数料を低く設定しており、他にもいくつかの投資家にとって有利な点がある。たとえば、配当金の再投資が可能であり、証券貸借取引(貸株)による追加収益を得ることができるなどである。これによりSPYMは年間手数料の一部を回収でき、その手数料率はS&P 500連動商品中最も低い0.02%となっている。一方、SPYはその仕組みが信託(Trust)構造であるため、このような機能を持っていない。

ETFs With the Largest October In- and Outflows

金:デジタル・ゴールドかアナログのゴールドか?

ビットコインの価格が下落しているにもかかわらず、10月には投資家による暗号資産への資金流入が続いた。最大の現物ビットコインETFであるiShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)は、10月に40億ドルの堅調な資金純流入を記録した。 暗号資産は「デジタル・ゴールド」とも呼ばれることもあるが、実際の金ほどのパフォーマンスは示していない。金は急騰と下落を経て、10月末には月初よりも高い水準で取引を終えている。

State StreetのSPDR Gold Shares(GLD)は10月の流入額トップ10入りを果たし 、iShares Gold Trust(IAU)は2025年に入り、これまでのいかなる年よりも多くの新規資金を集めている 。

トレーディング型は減速

モーニングスターの「株式レバレッジ型」カテゴリでは、2025年1~9月期にトレーディング型のETFの数が2倍以上に増加したにもかかわらず、全カテゴリ中で最大の資金流出を記録した。このカテゴリでは、年初来で170億ドル以上の資金が純流出している。ファンド運用会社は、特に個別銘柄型を中心にリスクの高い投資商品を投資家に積極的に推奨している。ただ、大半の投資家がその誘惑に飛びついていないのは安心材料である。

以下の表は、株式市場および債券市場の主要セクターを代表するモーニングスター・アナリスト・レーティングを付与されているETFの、2025年10月のリターンを示している。米国大型株式を代表するiShares Core S&P 500 ETF (IVV)は、中型株のETFであるiShares Core S&P Mid-Cap ETF (IJH)および小型株のETFであるiShares Core S&P Small-Cap ETF (IJR)を上回るパフォーマンスを示した。

October Market Performance Through the Lens of Analyst-Rated ETFs

新興国株式を代表するiShares Core MSCI Emerging Markets ETF (IEMG)は10月に堅調な月間パフォーマンスを示した。同ETFは先進国市場を代表するiShares Core MSCI EAFE ETF (IEFA)を月間および年初来の期間で上回る成績を収めている。 ◇

※ 本稿はモーニングスターの記事「October Marks the Best Ever Month for ETF Flows」をモーニングスター・ジャパンが翻訳したものです。原文と翻訳に相違がある場合は、原文が優先されます。

※ 本稿は情報提供のみを目的としており、いかなる投資手法、投資商品、投資対象を推奨するものではありません。投資判断を行うときには、ご自身の投資目的、投資期間、投資資金の性格、投資への姿勢などを考慮して、ご自身の責任において慎重に行ってください。

9月のETFの資金動向に関する記事はこちらからご覧いただけます。

著者はこのレポートで言及された有価証券を保有しています。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針